人、すなわち人材の重要性を強調するコマンのキム・ウク代表取締役
「他のものはすべて揃っています。足りないのは人材だけです」
油圧用ホース(Hydraulic Hose)とホース継手(Hydraulic Hose Fitting)の専門メーカーで、2千種類以上の品目を米国や中南米、中東など30カ国に輸出する(株)コマンのキム・ウク代表取締役は、人材の重要性とそれが不足していることを同時に強調する。
同社は、2013年に咸安(ハマン)一般産業団地に第3工場を建設し、生産を開始した。キム代表取締役は、「インフラは十分に整備されたが、人材がまだ足りない。(人材を含め)全ての条件が揃わなければ成功はしない」と語る。
咸安一般産業団地内のコマン第3工場には、従業員のためのフィットネスジムが完備されている
コマン第3工場の一角に造成された馬場で日向ぼっこをしていた馬が人に向かって近づいてきている
人、すなわち人材の重要性を誰よりもよく知っているキム代表は、自社で働く外国人労働者への投資と支援を惜しまない。社員寮は、外国人労働者も一人部屋で、ランドリールームや厨房などを自由に使うことができる。また、工場内には、従業員のための体育施設や娯楽場が設置されている。さらに、従業員が乗馬を楽しめる小さな馬場まである。
キム代表は、人材の重要性とともに、利益を上げるための経営理念について詳しく説明する。彼は、「利益は顧客とともに分かち合うもの」と述べ、会社を経営することによって発生する利益は、顧客と株主、そして労働者がともに分かち合うものであると強調する。そして、「ブルーオーシャンを攻略することよりもレッドオーシャンに挑むことが重要だ。品質の高さが認められている油圧用ホースとホース継手を着実に生産し、顧客に届けたい」と語る。
コマン第3工場のFAシステムで製造される油圧用ホース
キム代表の経営哲学は、油圧用ホース・継手の生産分野における技術標準となっている。製品設計から鍛造、熱処理、加工、曲げ加工、組立、梱包に至るまでの全工程の生産ラインを備えているコマンは、国内だけでなく海外でも優れた技術力が認められている。
1989年の東南アジア進出を皮切りに海外市場に参入したコマンは昨年、輸出額が1千万ドルを超え、「第51回貿易の日」の記念式典で「1千万ドル輸出塔」の表彰を受けた。海外バイヤーからは、製品に「KOMAN」あるいは「Made in Korea」という表記をするよう求められることもあるという。コマンの関係者は、「コマンの優れた技術力は東ヨーロッパ市場でも認められており、輸出商談が進められているところだ。今年は輸出1500万ドルを見込んでいる」と話す。
記事・写真:コリアネット チョン・ハン記者
hanjeon@korea.kr