経済

2020.10.15

客室をテレワークの場として利用できるデイユースプランを提供するホテル=グラッドホテルのホームページキャプチャー



[イ・ギョンミ]

新型コロナウイルスの感染拡大によって、各産業界は大きな打撃を受けた。コロナ以前とは異なる、新たな戦略を出して、今の危機を乗り越えようとしている。

コロナの影響で直撃を受けたホテル業界。出張者や旅行者が減り、ホテルの稼働率が激減する中で、客足を呼ぶために、新たな活用方法を模索している。

在宅勤務が増えていることを受け、自宅では仕事に集中しにくい会社員などを対象に、大型ホテルが宿泊なしで日中のみ利用できるプランを相次いで出している。「ホテルに出勤しよう!」「ビジネス・イン・ホテル」といったキャッチフレーズで、客室をテレワークの場として利用できるようにしているのだ。通常の業務時間である午前9時~午後6時にあわせて、その前後にチェックイン・チェックアウトができるようにした。また、コーヒーや軽食などを提供し、ホテル内の会議室や業務に必要な機器も利用できる。

ギャラリア百貨店のサービス「金執事ブラック」を提供する職員ら=ギャラリア百貨店



顧客が足を運び、直接訪問してモノを買う方式のデパートも、新たな営業戦略を立てている。新型コロナの影響で「非対面」環境が定着し、デパートを訪れる客数が減ったためである。

韓国の高級デパート「ギャラリア百貨店」は9月から、「金(キム)執事ブラック」というサービスを提供している。デパートが執事のように、顧客の様々なニーズを満たすサービスである。例えば、顧客がスマートフォンのアプリケーションから注文すると、デパートの職員が代わりに買い物して、自宅の玄関先まで配達してくれる。薬局で薬を購入したり、クリーニングに出した服を受け取ったりなど、商品の購入と配達以外のことも頼むことができる。

韓国の通信大手3社の一つであるSKテレコムは、「ドライブスルー」方式で携帯電話を渡し、双竜(サンヨン)自動車は、韓国の自動車メーカーの中で最初に、テレビショッピングを通じて新車発表会を開くなど、各業界は今までとは違う、新たな戦略で取り組んでいる。

ネットで生中継される牛競り市の様子=居昌畜協ユーチューブキャプチャー



これまでは売り手と買い手が対面して取引が行われてきた韓牛競りにも、新しい方式が導入された。慶尚南道(キョンサンナムド)居昌郡(コチャングン)の家畜市場は、今年の4月から、牛競り状況のオンライン中継を始めた。直接市場に行かなくても、取引が可能である上、リアルタイムで牛の取引価格が確認できる。

先月には、慶尚南道(キョンサンプクト)の亀尾(グミ)市にある善山(ソンサン)家畜市場も同じ方式を導入した。他にも、韓国産競争馬の販売もユーチューブで生中継され、実際の取引が行われた。

新型コロナで大きな打撃を受け、苦境に陥っている小規模事業者も新しい道を探している。売り上げが激減したインターネットカフェが代表例である。店内で販売していた食べ物を配達したり、店内のパソコンを貸したり、これまでとは全く違う方法で運営する店が増えている。

km137426@korea.kr