文化

2014.05.07

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細く力強い筆遣い。繊細な光の描写。豊かな色彩で日常的なテーマと自然を表現した印象主義は、芸術愛好家らが好む美術思潮の一つだ。パリのオルセー美術館の印象主義の名作が、ソウルにやって来た。5月3日から龍山区の国立中央博物館で開かれる「近代都市パリの暮らしと芸術 オルセー美術館展」では、クロード・モネやポール・ゴーギャン、フィンセント・ゴッホらの絵画作品をはじめ、彫刻、工芸、ドローイング、写真が展示される。同展示は、2014年の韓仏国交正常化130周年を記念するイベントの一環として企画された。

모네의 ‘양산을 쓴 여인’ (사진: RMN/ Musée d’Orsay – GNC media)

モネの「散歩、日傘をさす女性」(写真提供:RMN/Musée d’Orsay‐GNC media)



同展示は、印象主義や新印象主義、ポンタヴェン(Pont-Aven)派、象徴主義など美術史的変化と19世紀の華やかで豊かだったベル・エポック(belle époque)時代、近代都市としてのパリにスポットを当てている。印象主義が始まった当時、画家らは新たに登場した汽車といった公共交通手段を利用して田園で絵を描くことができた。また、絵の具と白いキャンバスが大量生産されることで、屋外でも手軽に色とりどりの色彩を使って絵を描けるようになった。

印象主義と新印象主義の展示からは、1880年代から画家らがそれぞれの個性を進化させる様子がうかがえる。モネの後期の作品「散歩、日傘をさした女性(Essai de figure en plein air:femme à l'ombrelle tournée vers la droite)」は、同展示の代表的な作品の一つだ。この作品に登場する女性は、日差しと微風を背に受けながら、丘の上に緑の日傘をさして立っているが、日傘の陰に隠れた顔の部分が暗く彩色されている。草畑はダイナミックな筆遣いで風の吹く丘を連想させる。続いて登場した新印象主義(Neo-Impressionism)は、即興的で不規則な印象主義とは違い、科学的な光学理論によって色彩が駆使されている。新印象主義派の画家ポール・シニャックの「アヴィニヨンの法王庁(Le château des Papes à Avignon)」などが展示されている。

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(위) 피에르 오귀스트 르누아르(Pierre Auguste Renoir)의 '조스 베르넹 젠 부인과 아들 앙리'(Madame Josee Bernheim-Jeune et son fils Henry), (아래) 앙리 제르벡스(Henri Gervex)의 '발테스 드라 비뉴(Mme Valtesse de la Bigne) 부인' 등의 작품들이 ‘아름다운 시절’(벨 에포크)이라 불리던 당시 파리의 분위기를 잘 보여준다. (사진: 전한)

ピエール・オーギュスト・ルノワール(Pierre Auguste Renoir)の「ヨッセ・ベルナイム_ジューン夫人とその息子フィルス・ヘンリー(Madame Josee Bernheim-Jeune et son fils Henry)」(上)やアンリ・ジェルベクス(Henri Gervex)の「ヴァルテス・デ・ラ・ビニュー(Mme Valtesse de la Bigne)夫人」(下)といった作品は、「美しい時期(ベル・エポック)」と呼ばれていた当時のパリの雰囲気をよく表現している(写真:チョン・ハン記者)



当時、芸術の中心地だったパリには、ゴーギャンやゴッホ、ポール・セザンヌら多くの芸術家が集まっていた。しかし、彼らはすぐ都会暮らしに幻滅してパリを離れ、田園で新たな暮らしを始めた。ゴーギャンの「黄色い積みわら」は、彼が1889年にポンタヴェンに定着した後に完成させた作品だ。彼はここでエキゾチックで霊的なテーマをシンプルな形式と強烈な色彩で表現した。パリを離れて1888年にアルル(Arles)に定着したゴッホは、自身の精神世界を反映させた強烈な作品を残したが、「ウジェーヌ・ボックの肖像」もこの時期に描いた作品だ。故郷のエクス・アン・プロヴァンスに定着したセザンヌは、限りない観察と分析により、自然を新たに表現した絵画を制作した。「サント・ヴィクトワール山」はそうした作品の一つだ。

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(위) 폴 고갱의 ‘노란 건초더미,’ (아래) 고흐 ‘외젠 보흐의 초상’ (사진: RMN/ Musée d’Orsay – GNC media)

(上)ゴーギャンの「黄色い積みわら」、(下)ゴッホの「ウジェーヌ・ボックの肖像」(写真提供:RMN/Musée d’Orsay – GNC media) media)



19世紀末には自らを「先知者(ナビ派、Nabis)」と呼んだ画家らが登場する。彼らはゴーギャンの影響を受け、平面的で装飾的な絵画を描いた。特に、都市文明から抜け出し、自然の原始的な世界を描いたアンリ・ルソーは、20世紀をリードしていた芸術家らに称賛された。ルソーの「蛇使いの女(La charmeuse de serpents)」は、同展示の代表的な作品だ。この絵は、遠い異国の密林を彷彿させる楽園で、逆光を浴びて黒い姿だけを見せているイヴの笛の音に目覚めたような黒い大きな蛇が描写されている。ルソーの絵は、テーマや背景、構図、様式、彩色方法など全てが斬新だった。

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(위) 루소의 ‘뱀을 부리는 여인’ 앞에 서 있는 기 코즈발(Guy Cogeval) 오르세미술관장, (아래) 19세기 말 사용된 공예품들이 전시돼 있다. (사진: 전한)

(上)ルソーの「蛇使いの女」の前に立つオルセー美術館のギ・コジュヴァル(Guy Cogeval)館長、(下)19世紀末に使用されていた工芸品(写真:チョン・ハン記者)



同展示のもう一つの大きなテーマは、近代都市パリでの暮らしだ。19世紀に近代都市に様変わりしたパリは、1852年から続いた都市整備事業と万国博覧会を通じ、道路や公園、公共の建物、文化施設が整備され、鉄骨構造をガラスで覆った巨大な建築物が立ち並ぶようになった。パリ市民は、新しくつくられた通りで散策と余暇を楽しみ、都市の暮らしを享受した。ジョルジュ・ギャランの「エッフェル塔のサーチライト(Embrasement de la Tour Eiffel pendant l'Exposition Universelle de 1889)とシャルル・ポール・ルノワールの「暴雨のなか1900年の万国博覧会を訪れた訪問客(Visiteurs à l'exposition de 1900)」は、様変わりしたパリの様子がよく表されている。特に、「美しい時期(ベル・エポック)」と呼ばれた当時のパリでは、上流階級と経済力を持った新興ブルジョア階級らの社交活動が活発に行われていた。彼らをモデルとした肖像画には、ファッションや装身具が必ず登場し、社会的地位や有識者の面貌が表われていた。アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックの「黒い毛皮を巻いた女(La femme au boa noir)」など、この時期に制作された肖像画やドローイング、アール・ヌーヴォーは、この時期のパリの人々の暮らしをリアルに表現している。

オルセー美術館の首席キュレーターのキャロライン・マチュー(Caroline Mathieu)さんは、「今回の展示は、19世紀の印象主義の全ての芸術的表現を鑑賞できる作品で構成されている。印象主義がいかに表現され、他の美術思潮にいかに発展していったかがわかるだろう」と話している。

国立中央博物館のキム・ヨンナ館長は、「芸術作品を通して時代を理解することが重要だ。今回の展示は、19世紀のパリと当時の社会の変化への理解を助けるはず」と話している。

今回の展示は8月31日まで開かれる。詳細はホームページ(www.orsay2014.co.kr)または電話(02-325-1077)でお問い合わせください。

오르세미술관展의 포스터 앞을 지나는 관람객. 전시는 8월 31일까지 개최된다. (사진: 전한)

オルセー美術館展のポスターの前を通り過ぎる観覧客。展示は8月31日まで開かれる(写真:チョン・ハン記者)



コリアネット イム・ジェオン記者
jun2@korea.kr