カン・ギョンスンさんがオメギ餅を熱湯に入れている。オメギ酒を製造するときは、まずオメギ餅をつくる
もくもくと湯気が立つ熱い釜の中から餅を取り出す。
茹でた餅を取り出し、へらでかたまりがなくなるまでこねる。
この餅は粟でつくった済州島の伝統的な餅「オメギ餅」だ。この餅は、稲作に適さない済州島の火山灰土で米の代わりに栽培されていた粟でつくられた餅だ。オメギ酒は、この餅を練って発酵させた済州島の伝統的な濁り酒で、「チョプサル(粟)マッコリ」という名で知られている。
茹でたオメギ餅をへらでかたまりがなくなるまでこねる
冷水を少しずつ加えながらオメギ餅をこねる
済州島の伝統的な服装であるカロ(柿汁で染色した服)を着て、頭に白い頭巾を巻いたカン・ギョンスンさんは、オメギ餅のレシピと茹ででこねた餅と麹を混ぜる過程を説明する。カンさんは、母親からオメギ酒の製造法を受け継いだ済州島の無形文化財で、済州島の城邑民俗村でオメギ酒を紹介し、研修生にオメギ酒の製造法を伝授する指導者だ。
カンさんは、オメギ酒をつくるポイントとして、お湯の温度と量を何度も強調した。オメギ餅をつくるときは熱湯で餅を茹で、かたまりがなくなるまでこねるときは冷水を少しずつ加えてるが、この過程で水の温度と量をしっかり調節しなければうまくできないからだ。よくこねたオメギ餅に麹を加えてよく混ぜ、手にこびりつかなくなったら風通しの良い甕に入れて一週間発酵させると説明する。
済州島指定無形文化財のカンさんは、済州島伝統の民俗酒「オメギ酒」を多くの人に紹介したいという
彼女は、母親に厳しく叱られながらオメギ酒の製造法を伝授した頃のことを思い浮かべながら、「幼少の頃はよく泣いて母を恨んだが、その教えのおかげでオメギ酒づくりの職人として無形文化財に指定され、後進を指導できるようになった」と、オメギ酒にかけるプライドを覗かせた。彼女は、「済州島の伝統方式で建てられた工房でオメギ酒をつくり、多くの人に済州島の伝統民俗酒を紹介するのが夢」と語る。
記事:コリアネット ユン・ソジョン記者
写真:コリアネット チョン・ハン記者
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