キョンジュ(慶州)市の大陵苑近隣のノサ(路西)洞で、3つの鳳凰の装飾が施された金冠が1926年に出土した。当時、新婚旅行で韓国を訪れていたスウェーデン皇太子グスタフ・アドルフ6世が、発掘現場で金の腰帯を自ら取り出した。ここは「縁起の良い鳳凰」という意味で、「スウェーデン(瑞典)」と「鳳凰」から一字ずつとって「ソボン(瑞鳳)塚」と名づけられた。
鳳凰の装飾が施された金冠や金の腰帯の装飾、金の太い輪の耳飾り、「延寿」と刻まれた銀の器など、瑞鳳塚の遺物がソウル市の国立中央博物館で4月から展示されている。「科学で解く瑞鳳塚の金冠」と題する今回の展示は、瑞鳳塚の金冠が20世紀に入ってから補修されたことが科学的な分析によって明らかにされ、詳しく説明されているのが特徴だ。

鳳凰の装飾が施された金冠と金の腰帯の装飾、金の太い輪の耳飾り。慶州市の瑞鳳塚で発見された

瑞鳳塚で発見された鳳凰の装飾が施された金冠
これまでに発見された新羅の金冠は6つで、主に5~6世紀初頭に制作された。そのうち端鳳塚の金冠にだけ鳳凰の装飾が施されている。この金冠は、金製の付属品320個を含め合わせて374個の付属品でできており、そのうち土台、釘、糸は金で、曲玉は翡翠とガラスでできている。国立中央博物館の研究者らは、蛍光X線分析(XRF)を通じて金冠の各付属の金純度を測定し、この金冠に使われている金の糸の制作年度がそれぞれ異なることを明らかにした。金冠の枠に曲玉を固定するために利用された金の糸のほとんどが17Kで、一部は純金に近い23~24Kであることがわかった。この金冠が発掘された後に補修されたことを物語っている。

新羅時代の伝統技術である伸縮技法で制作した痕跡がうかがえる金の糸(左)と、後代に補修に使われた純金に近い金の糸(右)

金の腰帯の装飾(上)と金の太い輪の耳飾り(下)
金冠の他にも、瑞鳳塚の年代を示す文字がふたの内側と器の底に刻まれた銀の器がある。「辛卯年」と刻まれた文字は、この器が451年または511年に制作されたことを示している。同展示では、シルクロードを通って伝えられた西洋のガラス製品2点も公開されている。

瑞鳳塚から出土した銀の器
同展示は6月21日まで開かれる。入場は無料。詳細は国立中央博物館のホームページ(http://www.museum.go.kr/site/main/index002)をご覧ください。
コリアネット イム・ジェオン記者
写真提供:国立中央博物館
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