クァンジュ(光州)市クムナム(錦南)路の旧チョンラ(全羅)南道庁舎。その横道を地下に下りていくと、広い庭園を囲むガラス張りの建物が見えてくる。5・18民主化運動の歴史現場から様変わりした国立アジア文化の殿堂だ。
現在補修中の民主平和交流院を除き、文化情報院や文化創造院、芸術劇場、子ども文化院などが4日から一般公開されている。敷地面積は13万5千平方メートルと、韓国最大級の文化施設だ。11月に正式にオープンする。

一般公開された国立アジア文化の殿堂の夜景
「光の森」をテーマに建築家のウ・ギュスン氏が設計した国立アジア文化の殿堂は、2005年の着工から公開まで10年の期間を要した。同施設の建設において最重要視されたのは歴史性だ。5・18民主化運動の現場となった全羅南道庁舎やサンム(尚武)館など、6つの建物が保存されている。
国立アジア文化の殿堂は、主要施設の90%が地面から25メートル掘った地下に建てられている。しかし、天井に70余りの窓が設置されており、地下であることを感じさせない。周辺には、竹林公園、広大な芝広場、ウッドデッキで整備された散策路があり、まるで公園のようだ。
国立アジア文化の殿堂の一般公開を記念し、文化情報院、文化創造院、芸術劇場、子ども文化院で様々なプログラムが試験的に運営される。文化情報院では、アジアのデザインや近現代の建築、写真など14のテーマの「アジア文化芸術専門アーカイブ」と韓国・シンガポール国交正常化40周年記念展「シンガポール・アート・アーカイブ・プロジェクト(SAAP)」が開かれる。また、ウ氏の「光の森」模型や殿堂の建設過程も展示される。

国立アジア文化の殿堂の全景
文化創造院では、同時代のアジアの人々の思考を垣間見ることのできる展示「すれ違う神話と近代」が開かれている。キュレーターのアンゼルム・フランケ(Anselm Franke)氏が総括企画した同展示には、アジアの有名作家らが参加している。
芸術劇場では、アジアの作家29人が制作した33編の作品が順に紹介される。そのうち12編は、芸術劇場で制作されたか共同で制作されたものだ。唐の高僧である玄奘法師をモチーフに修行の過程を描いた蔡明亮監督(台湾)の「唐の僧侶」や2010年のカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したアピチャートポン・ウィーラセータクン監督(タイ)の「Rak ti Khon Kaen (Cemetery of Splendour)」といった作品を上演する。
また、音の童話「ブケティノ」など、11カ国の41作品で構成された公演パレードとストリートパフォーマンスが繰り広げられる「2015子ども公演文化祭り」が、206回にわたって国立アジア文化の殿堂と光州市内各地で開かれる。

建物のほとんどが地下にあるが、多くのガラス張りの窓や周辺の庭園などで地下であることを感じさせない設計が特徴の国立アジア文化の殿堂
現在、1日3回(午後1時、2時30分、4時)、国立アジア文化の殿堂の中をじっくり見回れる観覧ツアーが実施されている。詳細は国立アジア文化の殿堂のホームページ(
www.acc.go.kr)をご覧ください。
コリアネット イム・ジェオン記者
写真提供:国立アジア文化の殿堂
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