文化

2016.01.11

2016年は英国を代表する劇作家ウィリアム・シェイクスピアの没後400年にあたる年だ。

38本の戯曲と様々な詩集を残し、1616年に52歳で死去したシェイクスピアは、英国だけでなく世界中の人々に親しまれる脚本家だ。そんな彼の没後400年の節目の年に、韓国で様々な記念公演が上演される。

彼の代表作で最も有名な作品「ロミオとジュリエット」や「ハムレット」をはじめ、「マクベス」や「冬物語」などが演劇、オペラ、バレエの舞台で上演される。

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英国のパンクバンド「タイガー ・リリーズ」とデンマークのリパブリックシアターによる音楽劇「ハムレット」。10月にLGアートセンターで上演される予定


型破りな演出、現代に生きる古典的メッセージ

先陣を切るのは国立劇場の「冬物語」。
夫の嫉妬が呼んだ悲劇で幕を開け、許しと和解で幕を閉じるこの物語を演出したのは、ハンガリー国立劇場の芸術監督を務めるロバート・アルフォルディ氏だ。

国立劇団では、4月に中国国家話劇院の王暁鷹監督演出の「リチャード3世」が、12月に劇団ソウル工場のイム・ヒョンテク監督演出の「十二夜」が上演される。

ソウル市劇団のセジョン(世宗)文化会館Mシアターでの定期公演のラインナップはシェイクスピア作品一色だ。音楽劇「テンペスト」(1月13〜31日)を皮切りに、「ヘンリー4世-王子とフォルスタッフ」(3月29日〜4月14日)、「ハムイック」(9月30日〜10月16日)が上演される。「ヘンリー4世-王子とフォルスタッフ」はリチャード2世を殺して王位を奪った英国の実在の人物であるヘンリー4世の時代を描いたもので、「ハムイック」は「ハムレット」の背景を2016年の韓国にした作品だ。

LGアートセンターでは、英国のパンクバンド「タイガー・リリーズ」とデンマークのリパブリックシアターが共同制作した音楽劇「ハムレット」が10月12〜14日に上演される予定だ。この音楽劇は原作をもとに自作曲21曲で構成されている。

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昨年に続き今年も上演される国立バレエ団の「じゃじゃ馬馴らし」


シェークスピアの喜劇と悲劇をバレエで優雅に表現

国立バレエ団は、昨年に続き今年も、喜劇「じゃじゃ馬馴らし」を6月23〜26日に芸術の殿堂オペラ劇場で上演する。この作品はジョン・フランコ(1927〜1973)が初演(1969年)の振り付けを担当した。おてんば娘のカタリーナが従順な妻に教育されていく過程が、登場人物たちのコミカルな演技と登場場面を減らした群舞で効果的に表現されている。

ユニバーサル・バレエ団は、10月22〜29日にを芸術の殿堂オペラ劇場で「ロミオとジュリエット」を上演する予定だ。

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ヴェルディがシェイクスピアの作品をもとに作曲したオペラ「マクベス」。11月にソウル市オペラ団が上演する予定


シェイクスピア作品をもとにしたヴェルディとグノーのオペラ

シェイクスピア作品をもとにしたオペラも上演される。

ソウル市オペラ団は11月24〜27日に世宗文化会館大劇場で、シェイクスピアの作品をもとにヴェルディが作曲したオペラ「マクベス」を上演する。シェイクスピアの4大悲劇の一つである「マクベス」は、権力に対する人間の限りない欲望と、その報いを受けて滅ぼされる姿を描いた作品。人間の残酷さと欲望が強烈な音楽で表現されている。

国立オペラ団は、シャルル・グノーのオペラ「ロミオとジュリエット」を、オーストラリア人のエライジャ・モシンスキー氏演出で12月8~11日に上演する。

コリアネット イ・ハナ記者
写真提供:国立劇団、LGアートセンター、ソウル市オペラ団、国立バレエ団
hlee10@korea.kr