その年初めての満月、小正月(チョンウォルデボルム、旧暦1月15日)は1年を通して月がもっとも明るく照らす日である。昔から韓国人は小正月になると朝からピーナッツ、クルミなどのナッツを噛み砕いて食べる「ブロム噛み」をし、五穀米、古いナムルなどを隣人たちと分けて食べた。夜には明るい月を眺めながら1年の願い事を祈った。
小正月に食べる代表的な料理の一つである五穀米は米と小豆、黒豆、モチアワ、もちきびなど5種類以上の穀物を入れて炊いたご飯のこと。五穀米の起源は新羅時代まで遡る。新羅第21代王の炤知王(ソジワン・在位479-500)時代、小正月に災いを事前に知らせたカラスのお陰で王が命拾いをしてから、それに感謝する意味を込めてカラスが好むナッツなどの材料で作ったおこわ(ヤクシク)を食べさせるようになった。だが庶民たちには貴重な蜂蜜、チョウセンマツの実、栗、ナツメなどの材料を手に入れることが難しくなったため、おこわの代わりに五穀米を炊いて食べ始めた。特に小正月には苗字の異なる3世帯以上のご飯を食べてはじめて、その年の縁起が良くなると言われ、100世帯が互いに分けて食べるのが良いという意味で百家飯(ペッカバン)とも呼ばれた。

五穀米は小正月を代表する料理の一つだ
小正月には五穀米と一緒に昨年乾燥しておいたシレギ(大根の葉と茎を冬の間乾燥させたもの)、サツマイモの茎など、いろんな古いナムルとピーナッツ、クルミなどのナッツを食べながら夏場にバテずに健康であることを祈った。
** 材料と分量
もち米360g(2カップ)、黒豆80g(½カップ)、もちきび85g(½カップ)、モチアワ85g(½カップ)、
小豆83g(½カップ)、茹で水300g(1½カップ)、蒸し水500g(2½カップ)
炊飯用の水: 小豆を蒸した水100g(½カップ)、水500g(2½カップ)、塩6g(大さじ½)

五穀米のメイン材料であるもち米、黒豆、もちきび、モチアワ、小豆
** 材料の下準備
1. もち米はきれいに濯いでから水に30分ほどふやかし、ざるにあげて10分ほど水気を切る。
2. 黒豆はきれいに濯いでから水に3時間ほどふやかし、ざるにあげて10分ほど水気を切る。
3. もちきびは水から濁りが出てこなくなるまで混ぜて捨てることを繰り返してから水に1時間ほどふやかし、ざるにあげて10分ほど水気を切る。
4. 小豆はきれいに濯いでからざるにあげて10分ほど水気を切る。
5. モチアワは水に濯いでからざるにあげて10分ほど水気を切る。

もち米と小豆、黒豆、モチアワ、もちきびはきれいに濯いで水にふやしてからざるにあげ水気を切る
** 作り方
1. 鍋に小豆と水を入れ、強火で4分ほど茹でてから水は捨てる。そこにまた水を入れ強火に3分ほどかけ、 沸騰したら中火に弱めて小豆がはじけないくらい20分ほど煮てからざるにあげる。
2. 小豆を煮た水100g(½コップ)に水と塩を入れて炊飯用の水を用意する。
3. 鍋にもち米と黒豆、もちきび、小豆、そして炊飯用の水を入れて強火に5分ほどかけてから、モチアワを入れてさらに3分ほど加熱。そして中火に弱めてから10分ほど加熱する。米が炊き殖えしたら弱火にして13分ほど蒸らしてから火を消して10分ほど置く。
4. ご飯をしゃもじでかき混ぜてからお椀に盛る。
コリアネット ユン・ソジョン記者
写真:韓国伝統飲食研究所
資料:美しい韓国料理100選
arete@korea.kr

もち米と小豆、黒豆、モチアワ、もちきびはきれいに濯いで水にふやしてからざるにあげ水気を切る

韓国人は小正月に五穀米と古いナムル、ナッツを分けて食べ、月に向かって健康と長寿を祈ってきた