文化

2016.04.22

豚肉をピリ辛のコチュジャンで味付けして焼いた「豚肉のピリ辛焼き(チェユククイ)」は韓国では誰もが好んで食べる料理だ。韓国では古くから豚をたくさん育てていたため、豚肉を使った料理が発達している。朝鮮時代半ばに書かれた初のハングルの調理書『飲食知味方』には、豚肉に下味を付けて寝かしてから小麦粉をまぶして炒める方法や子豚を蒸し煮にした「アジョチム」の調理法が載っている。

돼지고기에 고추장 양념을 해서 구운 제육구이는 상추쌈과 함께 하면 맛과 영양이 보완되어 더욱 좋다.

豚肉をコチュジャンで味付けして焼く「豚肉のピリ辛炒め」はサンチュなどに包んで食べると味も栄養も倍増する



ピリッと辛い豚肉にサンチュなどのやわらかい野菜を添えれば、味も栄養もバランスが取れてよく合う。このように葉の大きい野菜にご飯や肉を入れ、味噌などを乗せて手で包んで食べるのを「サム」と言う。韓国人は古くからご飯や肉、刺身などをサンチュやカボチャの葉などの野菜で包んで食べた。サムを食べると「福」も一緒に包んで食べることになると考えたからだ。

サムは色々な野菜を生で食べるため手間がかからず、食材固有の香りや色、食感を楽しむことができる。また、火を使わないため野菜に含まれるビタミンやミネラルなどの栄養素をそのまま摂ることができる。

サム用野菜の代表格はなんといってもサンチュ。サンチュは「生で食べられる」という意味の「生菜(センチェ)」という言葉から由来するもので、三国時代から広く食べられた。とくに高麗のサンチュは中国でも人気が高かった。中国・清の文学者、高士奇(1645~1704)が書いた『天禄識余』には「高麗のサンチュは非常に質が良く、高麗の使臣が持参したサンチュの種は千金を払わないと得られないため『天万菜』と呼ばれた」との記録がある。

<豚肉のピリ辛炒め(チェユククイ)>

** 材料と分量
豚肉(ロース) 550g
下味 :生姜汁 8g(大さじ½)、酒 15g(大さじ1)
タレ:醤油 49.5g(大さじ2¾)、コチュジャン 19g(大さじ1)、唐辛子粉 14g(大さじ2)、砂糖 24g(大さじ2)、
酒 15g(大さじ1)、ネギのみじん切り 14g(大さじ2)、にんにくのみじん切り 8g(大さじ½)、コショウ 0.3g(小さじ⅛)、ごま油 26g(大さじ2)、
油 13g(大さじ1)、サンチュ 50g、シュンギク 50g

제육구이의 주 재료인 돼지고기(등심), 마늘, 생강, 상추, 쑥갓.

主材料である豚肉(ロース)、にんにく、生姜、サンチュ、シュンギク



** 材料の下準備
1. 豚肉は綿布で血を拭き取り、縦4cm・横6cm・厚さ0.4cm程度に切り(480g)、表裏に包丁で切れ目を入れ
2. 下味①とタレ②の材料を合わせる。
3. サンチュとシュンギクは洗って下ごしらえをする(サンチュ 45g、シュンギク 40g)。

핏물을 빼서 다듬은 돼지고기에 칼집을 넣는다. 이때 잔칼집을 넣어야 많이 오그라들지 않는다.

血抜きをして切った豚肉に切れ目を入れる。十分に切れ目を入れると焼いたときに肉が縮まない



** 作り方
1. 豚肉に下味①をもみ込んで10分ほど寝かす。
2. 豚肉にタレの⅔を加えしっかり味が染み込むようにもみ込んでから30分ほど寝かす。
3. 予熱した金網に油を塗って肉を乗せ、強火で火から15cmほどの高さで両面を3分程度ずつ焼く。
4. 残りのタレ⅓を塗りながら、焦げないようにさらに3分ほど焼く。
5. サンチュとシュンギクを皿に敷き、焼きあがった肉を盛り付ける。

너무 센불에서 계속 구우면, 겉만 타고 속이 익지 않으므로, 불조절에 주의한다.

火が強すぎると表面だけ焦げて火がしっかり通らないので火加減に注意する



<サンチュサム>

상추는 쌈채소 가운데 으뜸으로 꼽는다. 상추 외에 쑥갓, 호박잎, 깻잎, 콩잎 등다양한 재료가 쌈채소로 사용된다. 지역에 따라서는 미역이나 다시마 등의 해조류로도 쌈을 싸서 먹는다.

サンチュはサム用の野菜としは代表格。サンチュ以外にもシュンギク、カボチャの葉、エゴマの葉、大豆の葉などもサム用として使われる。地域によってはワカメや昆布などの海藻類もサムに使われる



** 材料と分量
サンチュ 100g、アサツキ 20g、シュンギク 20g、青とうがらし 4個、赤とうがらし 2個、きゅうり 50g、桜エビ 30g、油 小さじ2
ソース:醤油 小さじ1、砂糖 小さじ ½、水あめ 小さじ1、ごま油 小さじ½、干ししいたけ 1本、牛肉 20g
牛肉としいたけのソース:ネギ・ニンニクのみじん切り 小さじ½ずつ、コショウ・砂糖 小さじ⅛ずつ、ごま油 小さじ½、味噌 大さじ1、コチュジャン 大さじ½、水 大さじ1
炒めコチュジャン:ひき肉(牛肉) 20g、コチュジャン 大さじ2、砂糖 小さじ1、ネギ・ニンニクのみじん切り 小さじ½ずつ、ごま塩 小さじ1、水 大さじ3、ごま油 大さじ½

** 材料の下準備
1. サンチュとアサツキ、シュンギク、青・赤とうがらしはきれいに洗い、キュウリは塩で揉み4等分に切る。
2. 桜エビはふるいにかけて粉を除く。
3. 干ししいたけは水に1時間ほど浸しふやかせてから石づきを取って水を切り、厚さ0.1㎝程度の薄切りにする。牛肉は血抜きをして千切りにして、ソースを入れて味付けをする。
4. 炒めコチュジャン用のひき肉は血の気を十分に取る。

** 作り方
1. 予熱したフライパンに油をしき、準備した桜エビを入れて中火で1分ほど炒め、ソースを加えてさらに1分ほど炒める。
2. しいたけと牛肉は薄切りにしてソースで味付けをし、フライパンで炒めてから味噌・コチュジャン・ごま油・水を加えてとろみをつけて加熱する。
3. 炒めコチュジャン用のひき肉にネギ・ニンニクのみじん切り、ごま塩、コチュジャン、砂糖を入れて予熱しておいたフライパンで2分ほど中火で炒めてから、水とごま油を入れてさらに1分ほど炒める。
4. 皿にサンチュ、シュンギク、青・赤とうがらし、キュウリを盛りつけ、クルマエビ・味噌・炒めコチュジャンを添える。

コリアネット ユン・ソジョン記者
写真:韓国伝統飲食研究所
資料:美しい韓国料理100選
翻訳:イ・ジンヒョン
arete@korea.kr