文化

2016.07.13

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韓国のドラマや映画、K-POPが人気を得たことで外国人の韓国語学習に対する関心も高まった。2007年にモンゴル、中国、米国の3カ国に13の世宗(セジョン)学堂が初めて設置されて以来、その数は2016年現在で57カ国143箇所にまで増え、世宗学堂は世界各地で外国人に韓国と韓国文化を発信する窓口の役割を果たしている。

12日、ネパール、ロシア、モンゴル、ベトナム、ブルガリア、チェコ、カザフスタン、タイ、中国など42カ国88箇所の世宗学堂で働く教員らが一堂に会した。ソウル市龍山区(ヨンサンく)の国立中央博物館で開かれた「第8回世界韓国語教育者大会(The 8th World Korean Educators Conference)」がそのきっかけとなった。

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42カ国88箇所の世宗学堂で韓国語を教えている教員らが12日「第8回世界韓国語教育者大会」に参加、それぞれ自国の国旗を持って記念撮影をしている



今回の行事は、ベトナム、ラトビア、バレーン、マレーシア、ミャンマー、ニュージーランド、オーストラリア、ポーランドなど今年新しくオープンした世宗学堂9箇所に対する指定書の伝達式で幕を開けた。

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世宗学堂財団のソン・ヒャングン理事長が「第8回世界韓国語教育者大会」で今年新しくオープンした世宗学堂9箇所の関係者に指定書を手渡している



続いて「韓国語で韓流の花を咲かせる」をテーマに韓国の専門家が世界における韓国語普及の現状を考察し、韓国語の拡散に向けた方法などについて討論するフォーラムが行われた。

慶熙(キョンヒ)大学のチョ・ヒョニョン国際教育院長は「ウリ家」や「ウリ国」のように「ウリ(「我々の」の意)」と言う表現が頻繁に使われる韓国語には共同体意識が反映されており、「憎い情、好い情」や「憎い者に餅をさらにやる」などといった言い回しからは韓国人が情の厚い民族であることがわかると話した。

また、チョ院長は「韓国語には韓国文化や韓国人の思考が宿っている。言語を教えるだけでなく、言語に宿る韓国の文化や暮らしに対する価値観まで教えられれば、より意義深いものになると思う」と語った。

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文化体育観光部のチョン・グァンジュ第1次官が「第8回世界韓国語教育者大会」で開会の挨拶を述べている

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(左から)慶熙大学のチョ・ヒョニョン国際教育院長、チョン・ヨンシルKBSアナウンサー、アン・スウクSMエンターテインメント対外提携協力本部長が「韓国語で韓流の花を咲かせる」をテーマにしたフォーラムに参加している



アン・スウクSMエンターテインメント対外提携協力本部長は「韓流コンテンツのなかでも、ドラマや音楽が大きなブームとなったのは好きになる「対象」が存在したからだ。好きな歌手や俳優に対する愛情表現を韓国語で勉強し、韓国語で歌を歌ったり、韓国語のプラカードを作ったりする。このように、韓流の人気は自然な形で韓国語に対する関心へと繋がっている」と話した。

続いて行われたトークショーには、 放送局JTBCのバラエティ番組『非正常(非首脳)会談』で流暢な韓国語で巧みな話術を披露し人気を得たイタリア出身のアルベルト・モンディ(Alberto Mondi)さんと米国出身のマーク・テット(Mark Tetto)さんも参加し、自分の韓国語が伸びた過程をエピソードを織り交ぜて話した。

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JTBC『非正常(非首脳)会談』に出演している米国出身のマーク・テットさん(左)とイタリア出身のアルベルト・モンディさんが、韓国語を勉強するうえで経験したエピソードを話している



韓国に来て9年が経つアルベルトさんは「塾に通って習うのがすべてではなく、韓国の会社に勤めながら、そして韓国人の妻とコミュニケーションをとりながら『生きた韓国語』を学ぶことができた。多様な表現を持つ韓国語に魅力を感じ、自然と韓国語を勉強するようになった。韓国語は努力と試行錯誤なくしては絶対に学べない言語だと思う」と自らの経験を語った。

大学時代に映画『猟奇的な彼女』を見て韓国に興味を持ち始め、今はソウルの北村(プクチョン)の韓国伝統の韓屋に住んでいるほど韓国好きなマークさんは「韓国語を学ぶうえで最も大切なのは、文法よりも会話を通じて自然な表現を勉強すること。敬語を話す際などは何度も失敗したが、そのような失敗を通じて色々と学ぶことができた。失敗を恐れず、堂々と失敗してほしい」とアドバイスした。

世界韓国語教育者大会の参加者らは、15日までソウルで韓国語の発音や語彙などの教育研修を受ける。そのほかにも世宗学堂優秀授業コンテスト、国立ハングル博物館の韓国語・韓国文化コンテンツの観覧などの日程が予定されている。

1. リンダ・ストックロヴァー先生(Linda Stockelova、チェコ・プラハ世宗学堂)
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- 韓国語に興味を持ち始めたきっかけは?

2013年にチェコに初めて世宗学堂が設立されてから今まで3年間に渡り生徒らを教えている。映画『オールド・ボーイ』を見て初めて韓国を知り、韓国文化に興味を持つようになった。映画のなかの韓国語を聞いたとき、とても美しいと思った。その瞬間、韓国語を習いたいという気になった。2011年に6カ月間、成均館(ソンギュングァン)大学で韓国語を勉強した。韓国語を習うのは本当に難しかったが、一歩一歩上達するのが楽しかった。

- チェコにおける韓国語と韓国文化に対する人気はどれほどのものか?

チェコでの韓国語・韓国文化に対する関心は徐々に高まっている。チェコ人らはK-POP、ドラマ、映画に興味を持っている。とくに、プラハが背景となっている『プラハの恋人』は非常に人気だった。そのほかに『彼女はきれいだった』『星から来たあなた』も高い人気を誇った。また、サムスンや現代などの韓国企業もチェコにたくさん進出しており、今ではチェコ人にとって韓国は親しみのある国となった。

- 韓国語を使ってやってみたい仕事があるとしたら?

今までのように生徒に韓国語を教えたい。韓国人の友達とたくさん交流し、韓国の映画やドラマを見ながら韓国語のリスニングやスピーキング力を高めたい。

2. ライナ・ボリッソヴァ・ベネヴァ先生(Raina Borissova Beneva、ブルガリア・ソフィア世宗学堂)
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- 韓国語に興味を持ち始めたきっかけは?

16年前に韓国という国を初めて知った。当時、韓国語は日本語や中国語ほど知られていなかった。韓国語という新しい言語に好奇心が湧いた。次第に韓国の人々に興味を持ち始め、それが韓国語を深く学ぶきっかけになった。

- ブルガリアにおける韓国語と韓国文化に対する人気はどれほどのものか?

ブルガリアでは韓国に対する人気が段々高まっているように思う。ほとんどの人が韓国のことを知っているほどだ。韓国の製品だけでなく、言語や文化など様々な分野へとその関心が拡大している。ドラマやK-POPだけでなく、国楽などの韓国の伝統文化に対する関心も高まりつつある。

- 韓国語を使ってやってみたい仕事があるとしたら?

より多くのブルガリア人に韓国語、韓国文化、韓国の伝統を教えたい。そんな目標を胸に世宗学堂で2年間韓国語を教えてきた。韓国語を教えていて一番やりがいを感じるのは、韓国語に対する関心、情熱、学ぶ喜び、感謝が生徒らの目から感じ取れるときだ。韓国語を教える仕事は、私にとっては幸せだ。

3. ヴァレンティーナ・ツィビコワ先生(Valentina Tsybikova、ロシア・ウランウデ世宗学堂)
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- 韓国語に興味を持ち始めたきっかけは?

ロシアのブリヤート国立大学で中国現代文学を専攻していたのだが、2007年に韓国へ交換留学に来たのがきっかけで韓国文化に関心を持ち始めた。それ以来、韓国語を熱心に勉強するようになった。

- ロシアにおける韓国語と韓国文化に対する人気はどれほどのものか?

世宗学堂に通う計80人のうち10人の生徒に韓国語を教えている。中高生、大学生など様々な年齢層の生徒らを2年間教えてきた。ロシアではEXOやBIG BANGなどのK-POPアイドルグループが大人気だ。韓国ドラマも好んで見るほど韓国に対する関心が高い。

- 韓国語を使ってやってみたい仕事があるとしたら?

まだ韓国語の実力が十分でない。さらに勉強に励んで韓国語の実力を高め、より効果的に生徒らを教えられるようになりたい。


コリアネット ソン・ジエ記者
写真:コリアネット チョン・ハン記者
翻訳:イ・ジンヒョン
jiae5853@korea.kr