松餅(ソンピョン)が米餅という一般常識を破るときもある。ジャガイモ、セイヨウカボチャ、カラムシの葉も素晴らしい松餅の材料になる。江原道(カンウォンド)のジャガイモ松餅がその代表例で、ジャガイモならではの食感を楽しむことができるのはもちろんさっぱりした味も良い。江原道のさらに北側に位置し、真冬には江原道より厳しい寒さを耐えなければならない咸鏡道(ハムギョンド)ではその寒さにふさわしく、凍ったジャガイモを松餅の材料として使う。地域別に材料や作り方が異なる松餅だが、秋夕を祝い1年の収穫に感謝する気持ちは皆一緒であるはずだ。
[1] 江原道のジャガイモ松餅
ジャガイモ松餅はジャガイモのでん粉で作った生地に小豆やイゲンマメを入れて蒸す。江陵(カンルン)では指の跡を残して形作る場合もある
**材料と分量
ジャガイモの粉 200g、塩 2g、油 7g、沸騰水 120g、ごま油 30g
具: エンドウマメ 20g+水 100g+砂糖 30g、イゲンマメ 20g+水 100g+砂糖 30g、栗 20g+水100g+砂糖 30g+クチナシの色水 12g
**作り方
1. エンドウマメとイゲンマメ は洗ってから砂糖水で煮詰める。
2. 栗は皮を剥いて6~8等分にしてからクチナシの色水と砂糖水で煮詰める。
3. ジャガイモの粉に細かい塩をいれてふるいにかける。
4. ジャガイモの粉に油と沸騰した湯を入れて生地を作ってから少しずつとり具を入れて形を整える。
5. 十分に蒸気が出ている蒸し器で15分間蒸した後、冷水にくぐらせてごま油を塗る。
[2] 咸鏡道の凍ったジャガイモ松餅
**材料と分量
ジャガイモの粉 200g、塩 2g、油 7g、沸騰した湯 220g、ごま油 30g
具:小豆 60g+水 220g+砂糖 30g
**作り方
1. 小豆は水で十分ふやかして皮を取り除いた後、蒸し器で蒸す。
2. 寒さで凍ったジャガイモを溶かして粉にしてから塩を加えて生地を作る。
3. 小豆は十分ふやかして皮を取り除いた後、蒸し器で蒸してから皿に乗せて塩・砂糖と混ぜ目の粗いこしきで裏ごしして具を用意する。
4. 生地を少しずつとり具を入れてから松餅の形に整えて蒸した後、ごま油を塗って皿に盛り付ける。
[3] カラムシ松餅
全羅道と慶尚道にはカラムシの葉を入れて松餅を作る地域が多い。カラムシ松餅はカラムシの葉を茹でてうるち米と混ぜて作った生地に豆・小豆・栗・ナツメ・ゴマなどを具に使う
**材料と分量
うるち米 5カップ(粉では10カップ)、塩 大さじ 1、カラムシの葉(茹でたもの) 300g
塩適量、ごま油適量
具: 白いゴマ 1/2カップ+砂糖 大さじ 2+蜂蜜 大さじ 1、落花生 1/2カップ+砂糖 大さじ 2+蜂蜜 大さじ 1
**作り方
1. カラムシの葉は下処理をして沸騰した塩水で色が鮮やかになるまで茹でる。
2. 米粉は8~12時間ほど浸水させた後、塩を入れて粉にしてからカラムシの葉を入れてもう一度ふるいにかける。
3. ゴマは炒って擂り、落花生は細かく砕いてそれぞれ砂糖、蜂蜜、塩を入れて具を用意する。
4. 米粉で生地を作ってから少しずつとり具を入れて形を整える。蒸し器に濡れた綿布を敷いて15分ほど蒸した後、ごま油を塗って皿に盛り付ける。
[4] 忠清道のカボチャ松餅
カボチャ松餅は秋に出るカボチャを切って乾燥したものを粉にして米粉と混ぜた生地で作る
**材料と分量
うるち米 5カップ(粉では10カップ)、塩 大さじ 1、セイヨウカボチャ(蒸したもの 300g)400g
具: 栗 15個、蜂蜜 大さじ 3、ゴマ 1/2カップ、松葉 100g、適量のごま油
**作り方
1. うるち米を3~4回ほど研ぎ8~12時間ほど浸水させた後、塩をかけ粉にしてふるいにかける。
2. セイヨウカボチャは皮ごと4等分にして蒸し器で蒸した後、果肉をスプーンで搔き出してから裏ごしする。
3. 栗は皮を剥いて十分煮込んでから潰したものを蜂蜜と混ぜ、擂った炒りゴマを蜂蜜と混ぜて具を作っておく。
4. 上新粉に分量のセイヨウカボチャと沸騰した湯を入れて生地を作ってから、3の具をそれぞれ入れて松餅の形を整える。
5. 蒸し器に松葉を敷いて松餅を乗せ、十分に蒸気が出ている蒸し器で約15~20分間蒸してから冷水にくぐらせて松葉をとった後ごま油を塗る。
編集:コリアネット ユン・ソジョン記者
写真:韓国伝統飲食研究所
資料:美しい韓国料理100選
翻訳:イム・ユジン
arete@korea.kr