忠清南道(チュンチョンナムド)・扶余(プヨ)で1,400年前の飾り瓦「
鴟尾」が初めて公開された。
国立古宮博物館が今月3日に公開したこの「鴟尾」は2013~2014年の発掘調査で百済の第27代の王、威徳王(ウィドクワン)が577年に建立した扶余郡・窺岩面(ギュアムミョン)の「
王興寺址」で出土した。これら鴟尾は発掘当時、寺刹の僧侶たちが生活していたとみられる東側の僧坊(スンバン)跡の南北両端でそれぞれ1つずつ発見された。これまで高句麗古墳の壁画や平壌(ピョンヤン)近くの寺跡で鴟尾が見つかったことはあるものの、大棟の両端の鴟尾が同時に発見されたのは初めて。
扶余「王興寺址」の僧坊跡、南側で出土した「鴟尾」の上段部分
扶余「王興寺址」の僧坊跡、北側で出土した「鴟尾」の下段部分
建物の屋根から落ちた時に破損し、南側の鴟尾は上の部分のみ、北側は下の部分のみ発見された。この2点を3次元映像技術で復元した結果、鴟尾の大きさは高さ123cm、最大幅74cmにわたることが分かった。蓮華文の花文様や、雲文様、草文様など華やかな装飾が施されており、鳥の尾を反り上がらせたような形をしている。
王興寺建立時に作られたものと見られ、百済の
泗沘期(泗沘に百済の都があった時期。538~660)の瓦製作技術や建築技術、建築様式などに関する総合的な情報を得るうえで役立つものと思われる。
「王興寺址」で発見された百済時代の飾り瓦「鴟尾」2点を3次元映像技術で復元したイメージ
国立扶余文化研究所の関係者は「南北の鴟尾ともに上段または下段しか残っていないが、全体を作ってから上段と下段に分離してそれぞれ焼き上げたことが分かる。泗沘期の百済の瓦製作技術や建築技術、建築様式について知ることができる貴重な資料だ」と話した。
出土した鴟尾は今月29日からソウルの国立中央博物館で開かれる特別展「世界遺産、百済」で展示される。
コリアネット イ・ハナ記者
写真:文化財庁
翻訳:イ・スミン
hlee10@korea.kr