文化

2016.12.27


国立民俗博物館が京畿道・坡州に2020年まで開放型の収蔵庫および情報センターを建設する。ここは従来の収蔵庫とは異なり空間と情報の開放を目指し、観覧客のための展示・情報・教育・体験の場として造成される。画像は開放型収蔵庫および情報センターの鳥瞰図

国立民俗博物館が京畿道・坡州に2020年まで開放型の収蔵庫および情報センターを建設する。ここは従来の収蔵庫とは異なり空間と情報の開放を目指し、観覧客のための展示・情報・教育・体験の場として造成される。画像は開放型収蔵庫および情報センターの鳥瞰図




博物館・美術館などに展示される遺物を保存する「収蔵庫」はこれまで一般には固く閉ざされたものと認識されてきた。しかし、これからは変化が生じることになりそうだ。国立民俗博物館 が2020年まで京畿道(キョンギド)坡州(パジュ)ヘイリ文化芸術村の近くに「開放型収蔵庫および情報センター」を建設するからだ。

20日の国立民俗博物館の発表によると、坡州に建てられる開放型収蔵庫と情報センターは収蔵品の価値保存や管理の役割に留まらず、大衆への公開による活用を目指す。国立民俗博物館のキム・ジョンギュ学芸研究官はこれについて「『保存する収蔵庫』から『見える収蔵庫』へ、収蔵庫本来の機能は維持しながらも観覧客に展示・情報・教育・体験を提供することにより知識を共有する場を作る」と説明する。

国立民俗博物館の開放型収蔵庫および情報センターの設計計画では視覚の開放性が最大限に活かされている。観覧客は建物のロビーにある展示室でガラス越しに収蔵された遺物を見ることができる

国立民俗博物館の開放型収蔵庫および情報センターの設計計画では視覚の開放性が最大限に活かされている。観覧客は建物のロビーにある展示室でガラス越しに収蔵された遺物を見ることができる





国立民俗博物館の開放型収蔵庫は物理的な施設開放の概念を超えるもの。過去の遺物をただ保存するだけでなく、過去と現代をつなぐ生きた空間として演出することが中核となる。その概念は博物館が行った設計公募の当選作、(株)シンハン総合建築事務所の「示間、時間が重なる開放型収蔵庫」によく表れている。タイトルが意味する「示間」は過去に止まった時間ではなく、韓民族の過ぎ去った時間とこれからやってくる時間が見える空間(示間)の概念である。

この計画はまた「時間を歩く」「時間と向き合う」「時間を守る」という詳細計画に分かれる。この計画を基に 6万5416㎡規模の敷地に建てられる地下1階・地上3階建ての建物には、博物館収蔵品の半分に当たる12万点余りが移される。1階には収蔵展示室、開放型収蔵庫、ディスカバリーセンター(情報検索・教育空間)、子供向けの体験スペース、保存科学研究スタジオなどが設けられる。2階は展示・情報・教育の連携による情報共有中心の空間になる。そして地下1階には収蔵庫本来の機能である収蔵品の安全な保存とセキュリティが充実した非公開の収蔵庫が作られる。

チョン・ジンギ国立民俗博物館長は開放型収蔵庫および情報センターについて「ただスペースだけを開放するのではなく、収蔵庫の遺物を見て情報センターで関連情報を検索する観客参加型の空間になる。収蔵品の保存・展示・研究をすべて実現する新しい概念の博物館支援施設」とその意義を語った。

コリアネット ユン・ソジョン記者
鳥瞰図:国立民俗博物館
翻訳:イム・ユジン
arete@korea.kr