申年が過ぎ去り酉年がやってきた。2017年、酉年を記念して鶏にまつわる文化を絵画・工芸品・生活用品・酉年に起きた主な事件・説話・諺などから探る展示「酉年の新年を迎える」が国立民俗博物館で開催される。
朝鮮後期の画家卞相壁の『鶏図(17~18世紀)』。鶏は餌を互いに分け合う動物なので五徳のうち仁を備えていると見なされた
鶏の意味について国立民俗博物館のチョン・ジンギ館長は「鶏は鳴き声で夜明けを告げ、光の到来を知らせる動物。光をもたらして悪鬼を追い払うと思われたため年明けに虎・竜・犬・獅子の絵と一緒に鶏の絵を玄関口や出入口にかける風習があった」と説明した。
さらに「鶏は重要人物の誕生を予め知らせてくれる存在とみなされ、三国遺事の赫居世(ヒョッコセ)と金閼智(キム・アルジ)の新羅建国神話では鶏が偉大な人物の出現を先に知らせたとある」と続けた。
今回の展示では鶏にまつわる50点あまりの絵画・工芸品・生活用品が3部に分けて展示される。
「1部:西を守る」では西を守る防衛の神であり十二支では酉の刻午後5時から7時を指す動物である鶏の役割と意味を『十二支神将鶏図』『仰釜日晷(宝物第845号)』などから探る。
万奉僧侶(1910~2006)の『十二支神将酉神迷企羅大将(1977年)』。この世で衆生の疾病を治癒する仏の「薬師如来」に遣える十二神将のうち3番目に当たる「迷企羅大将」は鶏の姿をしている
「2部:五徳を備える」では5つの徳目を備えた鶏に注目する。朝鮮後期の儒学者河達弘(ハ・ダルホン、1809~1877)は故事を引用して「鶏は頭に冠を頂いているので『文』、爪で攻撃するので『武』、敵を見れば戦うのだから『勇』、餌を見れば互いに分け合うので『仁』、時を違わず鳴くので『信』を備えている」と鶏の五徳を表現した。展示品の中には朝鮮後期の画家卞相壁(ビョン・サンビョク、生没年不詳)の『鶏図』『金鷄図』『鷄鳴図』『鶏型硯滴』でも鶏の徳が見当たる。
『鶏型硯滴(19~20世紀)』。硯に水を注ぐ水さしに鷄冠・尾・羽をつけ顔料で飾った
「3部:日常を共にする」では「鷄彝(祭器の一種)」「匙箸袋」「鶏の火のし」「鷄犬獅虎木版」「鶏図」など生活用品を通して日常の中でよく見かける親しみやすい動物として鶏を紹介する。
特別展は2月20日まで続く。
コリアネット キム・ヨンシン記者
写真:国立民俗博物館
翻訳:イ・スミン
ysk1111@korea.kr
『鷄鳴図(20世紀初め)』。鳴き声を上げる鶏と日の出が描かれている。鶏は昔から夜明けを告げるありがたい存在だと思われてきた
国立民俗博物館の特別展「酉年の新年を迎える」のポスター。展示は2月20日まで開催される