普段あまり接することのないベトナムの映画作品を楽しめる映画祭がソウルで開かれる。
今月12日から3日間ソウル蚕室(チャムシル)のロッテシネマワールドタワー館で開催される「2017ベトナムフィルムデー」だ。映画祭ではベトナムの秀作3編が上映される。韓国・ベトナム国交樹立25周年を記念してベトナム映画局と韓国映画新興委員会が共同主催するこの映画祭では無料の映画上映会、監督・俳優と観客のトークイベントなどが設けられる。
2015年に公開された『草原に黄色い花を見つける』はベトナムの田舎村を背景に少年少女の恋を描いた成長ドラマ
映画祭は2015年の公開映画『草原に黄色い花を見つける』で幕を開ける。1980年代のベトナムのある田舎村を背景にしたこの作品は12歳の少年とある少女の初々しい恋物語を描いた成長ドラマ。今年開かれる第89回米アカデミー賞外国語映画賞のベトナム代表作品として出品された。同作を演出したベトナム系アメリカ人のビクター・ヴ監督は今ベトナムで最も影響力のある監督とされる。
13日には『Yen's Life』が観客のもとを訪れる。幼くして政略結婚をさせられた10歳の少女の波瀾万丈な人生を描いたこの作品は、昨年フィリピンのマニラで開かれたワールド・プレミアム・フィルム・フェスティバルで最高賞を受賞した。この日の上映会ではディン・トゥアン・ヴ監督と主演俳優らが韓国を訪れ舞台挨拶が行われる予定。
「2017ベトナムフィルムデー」で上映される『Yen's Life』(左)と『クエン ~さらば、ベルリンの壁よ~』(右)の映画ポスター
最終日の14日には同名小説が原作の『クエン ~さらば、ベルリンの壁よ~』が上映される。ロシアで名声を得た教授とその妻がドイツに密入国することになり、1人の女性と3人の男性の間で起こる出来事を描いている。同作は昨年ベトナムのカイン・ジュウ・バン(ゴールデン・カイト)映画祭で作品賞を受賞した。
映画祭期間中は様々な付帯イベントも行われる。12日の開幕式では韓国・ベトナム伝統衣装のファッションショーが披露されるほか、ベトナム映画のロケ地を紹介する展示会も開催される。さらに両国の監督やプロデューサー、俳優たちが映画産業における両国間の協力策について意見を交わす討論会も設けられる予定。
コリアネット イ・ハナ記者
写真:IMBD
翻訳:イ・スミン
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