文化

2021.03.18

韓服の制服を着て、下校する生徒たち



[ソウル=イ・ギョンミ]
[写真=韓国工芸デザイン文化振興院 韓服振興センター]
[映像=キム・シュンジュ、チェ・テシュン]

#2日、京畿道(キョンギド)の坡州(パジュ)市にあるオユ中学校で、今年度の入学式が行われた。入学式に参加している生徒たちの制服を見ると、いわゆる一般的な制服とは少し違うようだ。生徒たちが着ているのは韓国の伝統衣装である韓服(ハンボク)をアレンジした制服。韓服のデザインをもとにしたもので、韓服の美しさと動きやすさの両方を兼ね備えている。

慶尚北道(キョンサンプクト)の醴泉(イェチョン)郡にあるデチャン中学校の生徒たちは、去年11月16日から韓服姿で学校に通っている。1年生のイ・ヨンビン君は、「(韓服制服は)デザインと色が気に入っている」とし、「長い紐が付いている伝統的な韓服とは違い、ボタンなので、楽だし動きやすい」と話す。パク・ギョムウィ先生は、「生徒たちはサッカーをする時も着る」とし、「韓服制服が気に入って、先生の中にも自分で購入し、仕事の時に着る方もいる」と話す。

文化体育韓国部は教育部、韓国工芸デザイン文化振興院の韓服振興センターと共同で、去年5月から「韓服制服普及試験事業」を始めた。

16日の時点で、16校・1600人あまりの生徒たちが韓服制服を着て学校に通っている。

韓服制服は、生徒たちが毎日着用し、洗濯も簡単にできるように、丈夫で汗を素早く吸収し、通気性の良い素材で作られた。また、活動量が多く、すぐ成長する生徒たちのために、活動しやすいように作られ、大きさにも気を配ることで実利面を重視した。

韓服制服を着て記念撮影する生徒たち



ジャケットやシャツ、パーカー、ベスト、Tシャツなど、種類も多い。女子中高生の場合、ワンピース・スカート・スコート・スラックスの中から自由に選べるようにした。かつての女子生徒の制服といえば、スカートと決まっていたが、性別にとらわれないジェンダーレスの観点が適用されたのだ。

韓服振興センターの金敏卿(キム・ミンギョン)センター長は、「制服に韓国固有の伝統的な部分を加えた」とし、「生徒たちに韓服を着用する機会を与えることで、韓服も日常生活で着ることができるという認識を持たせるだけでなく、伝統を継承するという意味がある」と説明した。

韓服制服について詳しく知るため、韓服振興センターの支援を受けて、コリアネット記者らが実際に韓服制服を着用してみた。参加者は、制服を着たことのないエレナ・クビツキ(ドイツ)、セラ・オケイリ(エジプト)、制服を着て学生時代を送ったキム・ヘリン(韓国)記者。



キム・ヘリン記者が着用したのは、短いジャケットとワンピース。黄色のジャケットの前の部分が、一般のジャケットと少し違う。韓国の伝統的な靴下「ポソン」の形が用いられていた。

クビツキ記者は、ジャケットとズボンを着用した。ジャケットの前の部分には、さまざまな色が使われており、これは韓服でもよく見られるものだ。ズボンは、韓服のズボンをアレンジしたもので、はきやすくなっている。オケイリ記者が着用した上着の袖の部分には、韓服で使われる曲線のデザインが入っている。また、スカートのひだも伝統的な作りを参考にしている。

3人は「とても着心地がいい」と口をそろえた。オケイリ記者は、「すごくきれいで、特別な日にも着たい」と話した。クビツキ記者はドイツの制服と比べながら「ドイツには伝統衣装で作った制服がない」とし、「韓国文化が生かされた韓服制服を着ることができて嬉しい」と話した。

キム・ヘリン記者は「学校時代に着ていた制服より着心地がよく、動きやすい」とし、「韓服の特徴をいかしたディテールで、さらに韓服を普段着のように着られる点が良い」と付け加えた。