作家ユン・ゴウン氏の作品「夜の旅人たち」韓国語版(左)と英語版=韓国文学翻訳院
[イ・ハナ、キム・ウニョン]
英国推理作家協会(CWA)は1日、同国で出版された優れた推理小説に贈る同協会賞の受賞作品を発表した。
最終候補に残ったのは、スウェーデンのフレデリック・バックマン氏やカナダのロクサーヌ・ブーシャード氏など、6人の作品。
韓国のユン・ゴウン氏の小説「夜の旅人たち」が翻訳部門(インターナショナル・ダガー賞)で受賞した。韓国人としては、初めてのこと。
新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受け、オンラインで開かれた授賞式に出席したユン氏は、「受賞してとても驚いた。別の次元に行くワームホールを発見したようだ。この幻想的なワームホールに入り込み、もっと自由に書きたい」と感想を述べた。授賞式には、翻訳者のリジー・ビューラー氏も出席。
「夜の旅人たち」は、災害地域の旅行商品を販売する旅行代理店の社員である主人公が、砂漠のシンクホールへと向かう過程で展開される物語を描いた長編小説。昨年、英訳版が出版されると、書評で高い評価を得ていた。
米タイム誌は「2020年8月の必読図書12冊」リストに同作品を推薦した。英紙ガーディアンは同作品について「気候変動と世界の資本主義の関係を考えさせられるエコ・スリラー」と評した。
ゴールド・ダガー賞は、CWA賞の部門の一つで、最優秀長編作品に与えられる賞。1955年に制定した英語圏の代表的な推理文学賞の一つで、毎年フィクションとノンフィクション大賞の計11部門が選ばれる。2006年からは翻訳部門が独立して設けられた。
文化体育観光部の黃熙(ファン・ヒ)長官は「作品への作家の情熱や韓国文学を海外に紹介したいという翻訳者の努力の結果」とし、「これからも韓国文学を世界に紹介してほしい」と語った。
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