先月31日、ソウルで開かれた記者会見に出席した(左から)イ・ジュヨン、イ・ジウン、カン・ドンウォン、ソン・ガンホ、是枝裕和監督=ソ・エヨン撮影
[ソウル=ソ・エヨン、イ・ギョンミ]
[映像=CJ ENM Movie公式YouTubeチャンネル]
75回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で主演のソン・ガンホが男優賞を受賞した韓国映画「ベイビー・ブローカー」のメディア向け試写会・記者会見が先月31日、ソウルの映画館で開かれた。
ソン・ガンホは受賞当時を思い出し、「(受賞者として)呼ばれた瞬間、数秒間パニックに陥った。(受賞の感動を)ゆっくりと、少しずつ味わいたい」と話した。
この日の会見には、是枝裕和監督、ソン・ガンホ、カン・ドンウォン、イ・ジウン(アイユー)、イ・ジュヨンが出席し、映画について語った。
記者の質問に答える(左上から時計回りに)ソン・ガンホ、是枝裕和監督、イ・ジュヨン、イ・ジウン、カン・ドンウォン=CJ ENM
ソン・ガンホは「カンヌ映画祭は、21作のうち7作に授賞するが、確率は3分の1と低い」とし、「(映画祭側が)受賞する7作の関係者らに閉幕式の前、電話で連絡するが、その電話を受けるまでが緊張の時間」と話した。その上で、「でも、電話を受けたあとは気持ちが楽になる。必ず一つは賞をもらえるという意味だから」と話し、笑った。
是枝監督は「いろんな日本のメディアの方から『いつもより楽しそうですね』と言われた」とし、「こんなに素直に喜べたのはなかなかない経験だった。そのくらい本当に嬉しかった」と語った。
映画「ベイビー・ブローカー」に出てくる韓国の風景=CJ ENM
韓国語は全く知らないという是枝監督は「僕が編集したものをソン・ガンホさんに見ていただき、テイクの台詞のニュアンスとか、他のテイクとの比較とか、かなりフィードバックをしていただいた」とし、「クランクインからアップまで、(ソン・ガンホさんのフィードバックのおかげで)不安なく作品を仕上げられた」と話した。
これに対し、ソン・ガンホは「監督は最初から役者に、色んな話をしてくれれば助かるとおっしゃった」とし、「編集したものを見てから話してもよろしいですかと聞いたが、喜んで『もちろん。それを待ち望んでいる』と言っていただいて感謝の気持ちだった」と話した。また、「たいしたことではなかったのに、監督からそういわれると恥ずかしい」とも話した。
「ベイビー・ブローカー」は、親が育てられない子どもを預かるいわゆる「赤ちゃんポスト」に捨てられた子供を、子どものいない夫婦にあっせんするブローカーらをめぐる人間ドラマ。社会から保護されない人物たちの物語りを鋭い視点と温かい視線で描き上げることで有名な是枝監督の初韓国映画。カンヌ国際映画祭では、ソン・ガンホの男優賞だけでなく、キリスト教系団体が選ぶエキュメニカル審査員賞も得た。
韓国では8日、日本では24日に公開される。
km137426@korea.kr