文化

2023.11.14

ソウル南山国楽堂練習室で「外国人対象パンソリ・ワークショップ」を行うミン・ヘソン名唱=7日、ソウル・中区

ソウル南山国楽堂練習室で「外国人対象パンソリ・ワークショップ」を行うミン・ヘソン名唱=7日、ソウル・中区


[ソウル=テレシア·マーガレット]
[写真=キム·スンジュ]
[映像=イ·ジュンヨン]

7日午後1時、パンソリに興味を持つ外国人20人がソウル中区にあるソウル南山国楽堂練習室を訪れた。とても寒い日だったが、パンソリを学びたいという熱い気持ちがあふれていた。

この日「第1回ワールド・パンソリ・フェスティバル」の一環として開かれた「外国人向けパンソリ・ワークショップ」の担当はミン・ヘソン名唱だった。国家無形文化財第5号であり、パンソリ「興甫歌」の履修者であるミン名唱は、ヨーロッパで公演とワークショップを通じてパンソリを着実に発信している。ミン名唱の弟子の中で外国人として最も名の知れた弟子が、同日開かれたパンソリフェスティバルでパンソリ20時間のリレープロジェクト舞台に上がったアンナ・イェーツソウル大学国楽科人類音楽学助教授だ。

ワークショップにはミン名唱とイェーツ教授が参加した。ミン名唱が韓国語で説明し、イェーツ教授が通訳を務めた。ミン名唱は授業の中で「2時間では、パンソリ名唱にはなれないが、耳名唱(パンソリの聞き上手)にはなれる。私はそう信じている」と話した。

ソウル南山国楽堂練習室で開かれた「外国人対象パンソリワークショップ」に参加した外国人たちがパンソリを学んでいる=7日、ソウル・中区

ソウル南山国楽堂練習室で開かれた「外国人対象パンソリワークショップ」に参加した外国人たちがパンソリを学んでいる=7日、ソウル・中区


ミン名唱はパンソリの歴史を紹介し、公演の写真を一緒に見ながら歌い手、達人、観客という要素が必ず必要であるということを強調した。続いてワークショップを通じて、参加者たちは3人の役割を理解できるようになると話した。

まずは、歌い手の発声法を身につけた。ミン名唱が南道(ナムド)パンソリの基本発声法を直接披露した。音だけを聞いて真似するということが不思議に思えた。パンソリは師匠が弟子に言葉で伝承するため、同じ曲を歌っても名唱ごとに違う特徴を持つという点も注目に値する。

発声法を身につけた後、「興甫歌(フンボガ)」の中でひょうたんを開ける場面を歌った楽譜を渡された。ミン名唱は「一番遅いテンポから最も速いテンポまで、様々なテンポで曲が構成されており、外国人がパンソリの多様なテンポをやさしく理解できる」として「韓国語があまりできない外国人ならば速いテンポよりも遅いテンポのほうがパンソリの魅力を感じられるだろう」と説明した。

ソウル南山国楽堂練習室で開かれた「外国人対象パンソリワークショップ」でパンソリの基本発声法を教えるミン名唱=7日、ソウル・中区

ソウル南山国楽堂練習室で開かれた「外国人対象パンソリワークショップ」でパンソリの基本発声法を教えるミン名唱=7日、ソウル・中区


興甫歌のひょうたんを開ける場面は、公演者がパンソリの合間に拍子なしに言葉で演技する「アニリ」からパンソリの拍子の中で最も遅い晋陽拍子と速い「フィモリ」拍子が含まれている。直接歌ってみると、ストーリーと感情を同時に表現するということがとても難しく、興味深かった。

続いてパンソリの公演中に、観客が拍子に合わせて出す声である「チュイムセ」を習った。チュイムセはストーリーに合わせて行わなければならないため、パンソリを知る必要がある。「オルシグ」、「ジョア」、「ウイ」等の表現を身につけた後、ミン名唱が歌う部分にチュイムセを入れてみた。

最後にパンソリ演奏で名唱の音に合わせて拍子を打ったり、太鼓を叩きながらチュイムセをする「ゴス」の役割も学んだ。

ミン名唱はこの日、ワークショップを終え「K-POPが好きで韓国に来た外国人も多いが、韓国の伝統文化が好きで来た方々も少なくない」とし「今回のような外国人を対象にしたパンソリ講演も増えるのではと期待している」と述べた。

この日、友人と2人で南楊州(ナムヤンジュ)から訪れワークショップに参加した日本人の中原朋美さんは、「短時間でパンソリについて多くのことを知ることができて本当に良かった」と話した。
アルメニアから来た留学生のヘボンディヤン・クリスティーナさんは、「民俗学を専攻している。パンソリは理論を学んだ後、実際に音を学び始めて1年になる」とし「ミン名唱が短時間で外国人にパンソリの魅力を紹介してくれてとても良かった」と話した。