旧正月の連休を控え、大型スーパーでギフトセットを選ぶ市民の様子=5日、ソウル、オ・グムファ
[シャルル・オドゥアン、オ・グムファ]
韓国で一番大きい名節(ミョンジョル)は、旧正月。今年の旧正月の連休は、9日から12日までの4日間だ。韓国では名節に贈り物をする。時代が経つにつれ、品目は多種多様になった。しかし、豊かさと健康を祈る気持ちは、昔も今も変わらない。
名節の贈り物の由来は朝鮮時代にさかのぼる。韓国民俗大百科事典によると、当時絵を担当する官庁である図画書では、旧正月になると王の長寿を祈るお守りとして描いて絵を王に捧げた。このような慣習が民家にも広がり、1月1日になると「歳画」のやり取りが行われるようになった。不幸を防ぎ幸運が訪れることを願うという意味だ。旧正月の贈り物は、このような慣習から由来したという。
南極星を擬人化し、神仙を表した「寿老人図」(左)は最も古い歳画だ。文化財庁は毎年、旧正月になると景福宮で歳画を配るイベントを行う。写真は、昨年の歳画に選ばれた「守紋章帽子をかぶった虎」(右)= 国立中央博物館、韓国文化財財団
農村振興庁は、先月、約700人を対象に調査を実施した。調査結果は、「家族に贈り物をする」が約89%、「知人に贈り物をする」が53%に上った。贈り物として「食品」を挙げた回答者が多く、中でも最も人気なのは、3~5万ウォン台の果物セットだった。
また、ハムやツナの缶詰セットも旧正月の贈り物の定番になっている。ギフトセットは、軽工業が発達し始めた70年代から登場した。今となっては、韓国の旧正月に欠かせない贈り物として位置づけられている。
その他の食品としては、肉や海産物、高麗人参、きのこ、ナッツ類。また食品以外では、商品券や化粧品、生活用品、ゴールドバー(金のインゴット)といったものまで、旧正月の贈り物は多種多様になった。
デパートや大型スーパーにできた旧正月ギフトコーナー。写真は、ロッテデパート本店の地下1階にある旧正月の贈り物セット展示ゾーン=ソウル・中区、オ・グムファ
今年は、世界的な物価の上昇を受け、コスパの良い商品も数多く用意された。相場の高いリンゴや梨の代わりに、比較的手ごろな価格のシャインマスカットとハルラボンなどの果物ギフト。1万ウォン台の海苔、2万ウォン台の健康食品ギフトセットなど、様々な価格帯のギフトセットも注目を集めている。
最近では、パッケージをプラスチックフリーにした環境にやさしいギフトセットが増えている。 例えば、リサイクル紙や紙袋を使うといった取り組みなどが特徴だ。
旧正月直前になっても、贈り物が決まらず悩んでいる人におすすめしたいサービスがある。デパートや大型スーパーでは、連休前日の8日から名節専用の「即時配送」サービスなどを提供する。また、旧正月・当日の10日にも、ギフトセットの購入が可能な店舗もある。
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