文化

2024.03.27

韓国文学翻訳院の支援を受け、昨年に海外で出版された韓国文学作品=韓国文学翻訳院

韓国文学翻訳院の支援を受け、昨年に海外で出版された韓国文学作品=韓国文学翻訳院


[ソ・エヨン]

韓国文学作品が、相次いで国際的に権威ある文学賞の最終選ばれ、実際に受賞もしている。それにより、海外における韓国書籍の出版が急増し、世界出版市場における地位が高くなっている。

韓国作家としては初めて、キム・ヘスンの詩集「翼の幻想痛」が全米図書批評家協会(NBCC)の詩部門の受賞作に選ばれたことや、韓国を代表する童話作家のイ・グムイがハンス・クリスチャン・アンデルセン賞に最終ノミネートされたことから、海外で韓国文学作品が注目を浴びている。

韓国文学翻訳院によると、昨年における海外出版社からの翻訳出版支援事業の申し込み件数は281件で、2014年の事業開始当時の13件に比べ、20倍以上増えた。ここ3年間、同院の支援で出版された書籍を見てみると、グラフィックノベル、人文・社会、エッセイの場合、年平均15%増となっている。

各国の大型・優秀出版社が出版した韓国文学作品の場合、ある程度の販売量が維持されることにより、ステディーセラー(長い間、地道に売れるもの)になっていることも注目したい。

チョン・ユジョンの「種の起源」の英語版を出版したペンギン・ランダムハウス、2021年にチョ・ナムジュの「82年生まれ、キム・ジヨン」のドイツ語版を出版して累積販売量6万4000部を記録したドイツの出版社Kiepenheuer & Witschが代表的である。韓国文学が出版される例が少ないイタリア、インドネシア、ブラジルといった国でも現地の大型出版社で出版された。

同院がここ5年間(2018~2022年)翻訳を支援した作品の販売実績を調べたところ、チョン・ボラの「呪いのウサギ」は2022年に2万部以上売れた。「呪いのウサギ」は、2022年には英「ブッカー賞」の翻訳部門にあたる「ブッカー国際賞」で、2023年には「全米図書批評家協会賞」の最終候補に選ばれた。ソン・ウォンピョン作家の「アーモンド」と「三十の反撃」は、日本の「本屋大賞」をそれぞれ2020年と2022年に受賞した。2022年にはそれぞれ2万部以上販売された。

翻訳院は、「韓国文学作品が国際文学賞で受賞したり、ノミネートされたりすることで、韓国文学に対する海外の読の関心が高まっている」とし、「『文学韓流』の導入期を経て、成長期に入って安定した」と評価した。

xuaiy@korea.kr