「グローバルパンソリ」の開幕公演。
[ソウル=キム・ソナ]
[写真=イ・ジュニョン]
紅葉が徐々に色づいていく季節、ソウル・南山(ナムサン)ゴル韓屋(ハノク)村には秋の風に乗ってパンソリのメロディーが流れた。歌い手のパワフルな歌声が印象的だ。観客も「オルシグ」や「オルス」などと掛け声をかける。歌い手と観客は、泣いたり笑ったりしながら、だんだん一つになっていく。
第2回ワールドパンソリフェスティバルが、1日から3日まで南山ゴルで開催された。ワールドパンソリフェスティバルは、世界最大規模のパンソリフェスティバルだ。ユネスコ人類無形文化遺産であるパンソリのみ、披露する。世界中から集まった人々がひとつになって、パンソリの魅力を満喫するためのフェスティバルなのだ。今回、129人のアーティストが出演し、43の公演を行った。
外国人の歌い手による開幕公演「グローバルパンソリ」は、観客の反響を呼んだ。「烏鵲橋(オジャッキョ)プロジェクト」は、アメリカやイギリス、マレーシア、中国、日本などの国から訪れた歌い手で構成されたチームだ。開幕公園で、短歌「人生百年」とパンソリ「春香(チュンヒャン)歌」に登場する「スッテモリ」の部分と「珍島(チンド)アリラン」を見事に歌いこなした。独特の音色には感情がたっぷりと込められており、パンソリの魅力がとてもしっかり伝わってきた。
「烏鵲橋プロジェクト」のメンバーであるダム・ソンミンはマレーシア出身だが、韓国の伝統文化に興味が持ち、パンソリを始めたという。彼は、「音を震わせるのが一番難しかったが、パンソリを諦めたいと思ったことは、一瞬たりともない」と話した。また、「舞台に上がる前でも全く緊張しない。むしろワクワクする」と付け加えた。韓国語が分からなくても、パンソリは歌い手の感情がそのまま伝わるジャンルだからだろう。彼は、外国人でもパンソリを十分に楽しむことができるという確信を持っていた。
日本から来た松川美樹は、「パンソリの公演に来たら、観客の皆さんにぜひ掛け声をかけながら楽しんでほしい」と言った。観客と息を合わせることを大事に思っていた。「偶然出会った公演が、今までになかった新たな道を切り開いてくれるかもしれない。たった一人の観客でもいい。パンソリの公演を通して、パンソリをやってみたいと思うきっかけになればと思う」と付け加えた。
アメリカ出身のベティ・キムは、「クラシックが洗練された音を重視するならば、パンソリは生の音を通して感情を表現する」と説明した。また、「たとえよく知らないほかの国の音楽だとしても、パンソリには、演奏する人と歌う人、観客を一つに結ぶ力がある」と付け加えた。
外国人の歌い手による「グローバル・ノルボバク」のワンシーン
外国人の歌い手による「グローバル・ノルボバク」も印象的だった。ノルボバクに登場する物語をイギリス、ドイツ、フランス、カメルーン、イラン出身の歌い手たちが、各国の伝統芸術をかけ合わせて披露した。新たな視点から再解釈された舞台は、新鮮さと楽しさがあふれ、観客から大きな拍手を受けた。
パンソリに舞踊、演劇、電子音楽などを現代風にアレンジした公演が披露された。米シリコンバレーでデザイナーとして活躍中のカイ・ヘスは「魂を込めて情熱的に歌う歌い手の姿に感動した」とし、「韓国語はわからないが、パンソリを通して全体的なストーリーは何となく伝わってきた」と感想を述べた。旅行で韓国を訪れたというローラ・リバートは「機会があればパンソリを学びたいと思う。ミョンチャンの力のある歌声がとても印象的だった」と話した。
韓国の伝統音楽であるパンソリは、世界中の人々の心を虜にした芸術なのだ。ワールドパンソリフェスティバルは、パンソリで世界を繋ぐ楽しい祭りと言える。
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