文化

2024.12.09

今年のノーベル文学賞に決まったハン・ガン作家が受賞記念講演を行う様子=7日(現地時間)、スウェーデン、ノーベル賞フェイスブック

今年のノーベル文学賞に決まったハン・ガン作家が受賞記念講演を行う様子=7日(現地時間)、スウェーデン、ノーベル賞フェイスブック


[キム・ヘリン]
[映像=ノーベル賞 YouTubeチャンネル]

韓国人として初であり、アジア女性としても初めてノーベル文学賞を受賞した韓国の作家、ハン・ガン氏が7日(現地時間)、スウェーデン・ストックホルムで受賞記念講演を行った。

「光と糸」と題された記念講演会でハン氏は、1979年、自分で書いた8句の詩を集めて作った本をはじめ、『菜食主義者』『風が吹く、行け』『ギリシャ語の時間』『少年が来る』『別れを告げない』などの作品に触れ、執筆当時の悩みや感じたことを語った。

特に、『少年が来る』を書いた背景について、かなりの時間をかけて語った。12歳の時、「光州写真集」を見て大きなショックを受け、それが人間の暴力性に対する問いにつながったと説明した。

また、「世界はどうしてこんなに暴力的で苦しいのか。同時に、世界はどうしてこんなに美しいのか」という問いが自分の執筆の動力源だったと明かした。

その上で、「初めて書いた小説から最近の作品までを振り返ってみると、私のすべての問いの最も深いところにあるものは結局、愛に向かっていたのではないか。それこそ、私の人生を貫く最も古い、根本的な響きではなかっただろうか」と自分に問いかけた。

次回作については、「完成時点を予測するのは、いつものように不可能だ。でも、とにかく私は、ゆっくりとしたペースではあるが書き続けるつもりだ」とし、「今まで執筆した本を後にして、もっと前に進む」と強調した。

また、「生々しい感覚を、電流のように文章に流そうと意識している。その電流が、読む側に伝ったと感じた時は、驚きと感動がある」と打ち明けた。続けて、「言語は私たちをつなぐ糸であり、命の光と電流が流れるその糸に、私の問いがつながっているという事実を実感する瞬間に、その糸につながるすべての方々に感謝する」と結んだ。 授賞式は10日の午後4時、スウェーデン・ストックホルムで開かれる。


kimhyelin211@korea.kr