[ソウル=ソ・エヨン]
[写真=ワーナー·ブラザース·コリア]
[映像=ワーナー·ブラザース·コリア公式ユーチューブ]
「Have a nice death. See you tomorrow.」
ミッキー(ロバート・パティンソン)が、任務の遂行中に氷の谷間に落ちて命を失う直前、友人のティモ(スティーブン・ヨン)がミッキーを見下ろしながら残したメッセージだ。
ミッキーは寒すぎて体が凍りそうだった。早く死んだ方がましだと思ったほどだ。ミッキーがティモの言葉に傷つかない理由は、エクスペンダブル(Expendable、消耗品)であるためだ。またプリントしなおせばいいだけの話だ。つまり、危険な生体実験などで死んだら、クローン人間に生まれ変わることができる。ミッキーの名前についた番号は、死んだ回数だ。
「ミッキー17」は、「パラサイト半地下の家族(2019)」でお馴染みのポン・ジュノ監督が、6年ぶりに披露する新作だ。17日、韓国言論配給試写会で初めて公開された。やはり、ポン・ジュノ監督と言えば、ブラックコメディだった。
ポン・ジュノ監督は、「ミッキー17」を一言で言えば、「人間らしさが感じられるSF」だと紹介した。人間らしさがあふれるミッキーと非人間的なシステムが照らしあわされている。独裁者のマーシャル(マーク・ラファロ)にとってエクスペンダブルは、使い捨ての道具に過ぎない。一方、ミッキーは10回以上も死んだ経験があるものの、いまだに死を怖がる。SF映画にしては、科学技術のすごさより、労働者たちのストーリーにフォーカスが当てられている。
「ミッキー17」では、ポン・ジュノ監督が初めて挑戦した部分もある。なんと、超大型の外惑星と宇宙船、そしてラブストーリーが盛り込まれた。
第75回ベルリン国際映画祭に参加した映画「ミッキー17」のポン・ジュノ監督と出演陣=15日(現地時間)、ドイツベルリン
「ミッキー17」は、海外でも好評を得ている。今月13日(現地時間)に英国・ロンドンで開催されたワールドプレミア、15日にドイツ・ベルリンで開催された第75回ベルリン国際映画祭などでも上映された。
米国のメディア、インディワイヤーは「ミッキー17」が「ポン・ジュノ監督の英語の作品のうち、最も優れた作品だ」とし、「彼が天才である証拠である」と絶賛した。英国のメディアスクリーンインターナショナルは「『パラサイト半地下の家族』以後、待ち焦がれていたポン・ジュノ監督の新作は、誇らしいほど独特である」と評価した。
ソウルで韓国のストリートフードを楽しむロバート・パティンソンとポン・ジュノ監督。(右)鍾路区・通仁市場で記念撮影を行ったロバート·パティンソンと芸能番組「ランニングマン」のメンバー。
映画は「ミッキー17」がまさに死のうとするとき、「ミッキー18」が間違ってプリントされながら始まる。主演のロバート・パティンソンがミッキー17とミッキー18の1人2役を務めた。
先月20日、パティンソンは「ミッキー17」の広報のために韓国を初めて訪れ、話題になった。
パティンソンは記者懇談会で「現時点で、ポン・ジュノ監督は、世界トップ4か5に入ると思う」とし、「俳優ならだれもが一緒に作品を作りたいと思う監督だ。出演させていただいて光栄だ」と話した。さらに、「『スターウォーズ』シリーズと似たような巨大スケールの映画としては、ユーモア溢れるシーンもたくさんあり、とても珍しいタイプのSF映画だと思う」とし、「『ミッキー17』はポン・ジュノ監督の独特な作品である」と強調した。
ポン・ジュノ監督は、パティンソンをキャスティングした理由について「頭がさえなく、かわいそうなキャラであるのミッキー17とカリスマのあるミッキー18を両方とも演じることができる俳優。一番最初に思いついたのがパティンソンだった」と説明した。
「ミッキー17」は韓国では28日、北米では来月7日に公開される予定だ。
映画「ミッキー17」のポスター
xuaiy@korea.kr