文化

2025.02.21


[ソウル=ソ・エヨン]
[写真=ワーナー·ブラザース·コリア]
[映像=ワーナー·ブラザース·コリア公式ユーチューブ]

「Have a nice death. See you tomorrow.(いい死を。また明日会おう)」
ミッキー(ロバート・パティンソン)が、任務の遂行中に氷の谷間に落ちて死ぬ直前に、友人のティモ(スティーブン・ヨン)がミッキーを見下ろしながら残したメッセージだ。

ミッキーは寒さで体が凍りそうだった。早く死んだ方がマシだと思ったほどだ。ミッキーがティモの言葉に傷つかない理由は、エクスペンダブル(Expendable、消耗品)であるためだ。危険な任務で死んだとしても、新たな身体で何度も再生する。タイトルの数字「17」は、ミッキーがコピーされた回数だ。

「ミッキー17」は、「パラサイト半地下の家族(2019)」でお馴染みのポン・ジュノ監督が、6年ぶりに披露する新作だ。17日、韓国言論配給試写会で初めて公開された。やはり、ポン・ジュノ監督といえば、ブラックコメディである。

ポン・ジュノ監督は、『ミッキー17』を「SF映画だが、人間ドラマである」と紹介した。人間らしさがあふれるミッキーと非人間的なシステムが対照的だ。独裁者のマーシャル(マーク・ラファロ)にとってエクスペンダブルは、使い捨ての道具に過ぎない。一方、ミッキーは何度も死を経験しているのに、死ぬことへの恐怖を捨てきれない。この映画が一般的なSF映画と異なるのは、科学的な描写より労働者たちのストーリーに焦点が当てられているところだ。

『ミッキー17』には、これまでのポン・ジュノ監督の作品にはなかった初めての試みもある。超大型の外惑星と宇宙船、そしてラブストーリーである。

第75回ベルリン国際映画祭に出席したポン・ジュノ監督と出演者たち=15日(現地時間)、ドイツベルリン

第75回ベルリン国際映画祭に出席したポン・ジュノ監督と出演者たち=15日(現地時間)、ドイツベルリン


「ミッキー17」は、海外でも好評を博している。今月13日(現地時間)に英国・ロンドンで開催されたワールドプレミア、15日にドイツ・ベルリンで開催された第75回ベルリン国際映画祭などでも上映された。

米国のメディア、インディワイヤーは「ミッキー17」が「ポン・ジュノ監督の英語の作品のうち、最も優れた作品だ」とし、「彼が天才である証拠である」と絶賛した。英国のメディアスクリーンインターナショナルは「『パラサイト半地下の家族』以後、待ち焦がれていたポン・ジュノ監督の新作は、誇らしいほど独特である」と評価した。

ソウルで韓国のストリートフードを楽しむロバート・パティンソンとポン・ジュノ監督。(右)鍾路区・通仁市場で記念撮影を行ったロバート・パティンソンと芸能番組「ランニングマン」のメンバー。

ソウルで韓国のストリートフードを楽しむロバート・パティンソンとポン・ジュノ監督。(右)鍾路区・通仁市場で記念撮影を行ったロバート・パティンソンと芸能番組「ランニングマン」のメンバー。


死んでは生き返るを繰り返すミッキーの前にある日、手違いで自分のコピーが同時に現れ、事態は一変する。 主演のロバート・パティンソンが1人2役を務めた。

先月20日、パティンソンは「ミッキー17」の広報のために韓国を初めて訪れ、話題になった。

パティンソンは記者懇談会で「現時点で、ポン・ジュノ監督は、世界トップ4か5に入ると思う」とし、「俳優なら誰もが一緒に作品を作りたいと思う監督だ。出演できて光栄だ」と話した。さらに、「『スターウォーズ』シリーズと似たような巨大スケールの映画としては、ユーモアあふれるシーンもたくさんあり、とても珍しいタイプのSF映画だと思う」とし、「『ミッキー17』はポン・ジュノ監督の独特な作品である」と強調した。

ポン・ジュノ監督は、パティンソンをキャスティングした理由について「さえなくて、かわいそうな17番目のミッキーと、カリスマのある18番目のミッキーの両方を演じることができる俳優を探していた。一番初めに思い浮かんだのが、パティンソンだった」と説明した。

「ミッキー17」は韓国では28日、北米では来月7日に公開される予定だ。

映画「ミッキー17」のポスター

映画「ミッキー17」のポスター


xuaiy@korea.kr