(左から)ナム・スンウォン企画委員、イェン・レンカー、ヒョン・ギヨン、パク・ヨンジュン企画委員=11日、ソウル
[キム・ソナ]
[写真=韓国文学翻訳院]
「2025ソウル国際作家フェスティバル」が、12日に幕を開けた。国内外から集まった29人の作家が一堂に会し、文学の本質と現代における意味を探る場となっている。
韓国文学翻訳院は11日、ソウル・中区のフレイザープレイス南大門(ナムデムン)で記者懇談会を開き、「見えるものより( )」をテーマに、第14回ソウル国際作家フェスティバルの開催を発表した。
チョン・スヨン韓国文学翻訳院長は、「( )にそれぞれの解釈を込めてテーマを展開していこう」と述べ、「あふれるイメージや情報の中で見失いがちな本質を、文学を通じて見つめ直そうという意図がある」と説明した。
企画委員のナム・スンウォンは「視覚中心の現代社会において、文学は『見えない本質』を思索する力だ」と語り、「文学的想像力を通じて、他者や異なる世界と対話する場を企画した」と付け加えた。
プログラムの構成について、企画委員のパク・ヨンジュンは、「『作家、向かい合う』では国内外の作家がペアを組み、作品世界について深く語り合う。『作家たちのおしゃべり』では、様々な国籍や世代の作家たちが同じ時代をテーマに自由に議論するなテーマについて自由に議論する」と述べ、「特にMZ世代の文学観に焦点を当てた『携帯電話だけで作品を書くことができれば』というプログラムも用意されている」と紹介した。
開幕対談には、韓国現代文学の巨匠ヒョン・ギヨンと、中国文学を代表する作家イェン・ヨンカーが登場する。
記者懇談会で記者の質問に答えるヒョン・ギヨン=11日、ソウル
ヒョン・ギヨンは、「今年で14回を迎えるこのフェスティバルは、韓国の作家を海外に紹介する重要な役割を果たしてきた」と述べ、「文学は国境を越え、『何を書くか』を互いに悩みながら分かち合う場だ」と語った。今回のテーマ「見えるものより( )」について、「表に現れた事物や人間の姿がすべてではなく、人生や出来事、人物の内面を追求することこそ文学である」と説明した。
また、「韓国も中国も、共に圧縮成長を経験し、物質的な豊かさを手にした。しかし、人間性が摩耗し、非人間化が進む現実を無視することはできない」と述べ、「イェン・レンカーの作品には、そうした問題意識が風刺や滑稽さ、アイロニーを通して巧みに表現されている」と評価した。
(右)記者懇談会で、記者の質問に答えるイェン・レンカー=11日、ソウル
イェン・レンカーは、「ソウル国際作家フェスティバルは、アジア文学が世界に広がるうえで、推進力になり得る」と述べ、「とくに東アジアにおいては、韓国文学が中国や日本より一歩先を行っていると見ている」と分析した。また、「何より、ヒョン・ギヨン先生にお会いできたことに感謝している」と語った。
さらに、「ハン・ガンのノーベル文学賞受賞について、お祝いを伝えるのが遅くなったが、あらためて祝意を表したい。これは韓国文学だけでなく、アジア文学全体の誇りでもある」と述べ、「韓国映画がアジアで高く評価されているように、韓国文学もアジア文学の最高峰として、その道を切り開いていくことを願っている」と期待を示した。
「2025ソウル国際作家フェスティバル」は、今月17日までソウル鍾路(チョンロ)区のグラウンドソウルで開かれる。韓国内外の文学交流の場として、来場者を多彩なプログラムで迎える。
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