文化

2025.12.15

ミュージカル『メイビーハッピーエンディング』の脚本を手がけたパク・チョンヒュ=NHN LINK

ミュージカル『メイビーハッピーエンディング』の脚本を手がけたパク・チョンヒュ=NHN LINK


[ユ・ヨンギョン]

12日、コリアネットは「2025年の人物」として、パク・チョンヒュ作家を選出した。

パク作家は、韓国のオリジナルミュージカルを世界の舞台へと導き、今年はトニー賞を受賞するなど、公演芸術界で最高の栄誉を得た。

ブロードウェイを感動させた韓国オリジナルミュージカルの奇跡


6月8日(現地時間)、米ニューヨークのラジオシティミュージックホールで行われた第78回トニー賞授賞式で、韓国オリジナルミュージカル『メイビーハッピーエンディング』が、作品賞や演出賞、主演男優賞、脚本賞、音楽賞、舞台デザイン賞など6部門を受賞する快挙を成し遂げた。

韓国ミュージカルが、米国の演劇・ミュージカル分野で最も権威あるトニー賞の10部門にノミネートされたこと自体が異例の快挙だった。そのうえ、作品賞など主要部門を総なめにしたのは、韓国創作ミュージカル史上初の快挙だ。韓国人が脚本を手がけ、舞台設定も韓国を背景にした作品が、世界の公演芸術界の頂点で認められた。

パク作家と作曲家ウィル・アロンソンが共同で創作したこのミュージカルは、「未来のソウル」を舞台に、人間の孤独を癒すために開発されたヘルパーロボット、オリバーとクレアが徐々に感情を学び、愛を育んでいく姿をストーリだ。2016年の国内初演を経て、昨年11月にブロードウェイ進出を果たし、米国でも観客と批評家の双方から高い評価を得た。

第78回トニー賞授賞式で記念撮影を行うミュージカル『メイビーハッピーエンディング』のパク・チョンヒュ作家=6月8日(現地時間)、米ニューヨーク、聯合ニュース

第78回トニー賞授賞式で記念撮影を行うミュージカル『メイビーハッピーエンディング』のパク・チョンヒュ作家=6月8日(現地時間)、米ニューヨーク、聯合ニュース


韓国らしい感性で世界の共感をつかむ

『メイビーハッピーエンド』の最大の魅力は、「韓国的な感性」にある。伴侶植物の名前として、韓国語の「ファブン(植木鉢)」がそのまま登場する。観客はヘルパーロボットの旅を通して、「愛」や「記憶」、「存在」、「孤独」といった普遍的な感情に心を打たれた。その背景には、韓国特有の情緒から生まれた繊細な物語の力が息づいている。

ブロードウェイ公演の成功を受け、国内外のメディアは一斉に「韓国創作ミュージカルの新たな歴史を築いた」と評した。単なる文化商品の輸出にとどまらず、韓国独自の物語や感性が世界中の人々の共感を呼び起こす可能性を示した点が高く評価された。

パク・チョンヒュ作家、世界に開く韓国文化の扉

世界での活躍が評価される中、国内でもパク・チョンヒュ作家の功績が称えられた。先月7日、ソウルのモドゥ芸術劇場で開かれた「2025年文化芸術発展有功表彰式」で、パク作家は「今日の若手芸術家賞」を受賞。文化体育観光部は、「韓国らしい創作が世界でも通用することを示したクリエイター」と評した。

2025年はパク・チョンヒュ作家にとって特別な年であると同時に、韓国文化全体の飛躍の年でもあった。K-POP、韓国ドラマ、韓国映画に続き、韓国のミュージカルが世界の舞台で注目を集める中、その中心に立つのがパク・チョンヒュである。

韓国らしい情緒を宿した作品とともに、パク作家は今後も創作活動を続けていく予定だ。

dusrud21@korea.kr