キョンサン(慶尚)南道サンチョン(山清）郡は、チリ(智異)山などの山々で育つ良質の薬草やきれいな水、空気など、健康回復に適した条件が揃っている。

きれいな水と緑豊かな山々に囲まれたこの町には、疲れた心身を癒そうと多くの人が訪れてくる。そのため、山清郡には健康関連の施設が多い。漢方医学と漢方医学書『東医宝鑑』に関する資料が展示されている漢医学博物館や智異山に自生する薬草が展示されている山清薬草館などだ。



また、澄んだ空気、きれいな水、ピルボン(筆峰)山のふもとに広がる開放感溢れる景観、緑豊かな宿泊施設「漢方自然休養林」がある。1棟11室、合計4棟で、ヒノキを使った二部屋の複層構造になっており、居心地の良い快適な憩いの空間を提供する。屋外にはテントを張ってキャンプを楽しめる屋外デッキと炊事場、水遊び場などが設置されている。

* 漢方自然休養林の所在地：慶尚南道山清郡今西面東医宝鑑路555番ギル186
ホームページ：https://huyang.sancheong.go.kr/  



山清郡タンソン(丹城)面にもヒーリングスポットがある。韓屋村「南沙イェダム村」だ。「イェ(芸術的)」な「ダム(垣根)があるとして「イェダム村」と名づけられた。南沙イェダム村には昔ながらの姿を留めた垣根が3.2キロにわたって設置されている。落ち着いた雰囲気の垣根に沿って連なる韓屋が趣を感じさせる。

ここは、科挙に合格して家門の格を高めたソンビ(学者)が多く輩出された学問の町だ。町の随所に李氏古家や崔氏古家、尼泗斎などの古宅が並んでいる。ここで最も古い家は、1700年代に建てられた李氏古家だ。樹齢300年のエンジュ2本が両側の垣根から伸び、X字を描いている。男女が手をつないでこの木の下を通ると、共白髪まで添い遂げるという言い伝えがある。小高い石垣の端にある門をくぐると、300年もの歳月が経ったとは思えないほどしっかり保存された母屋が見えてくる。 



鄭氏古家には樹齢700年の柿の木が、河氏古家の庭には樹齢650年の梅の木が立っている。イェダム村を散策しながら、歴史のある古木を見つけるのも楽しいものだ。

他にも、様々な体験空間が設けられている。古家の庭での伝統婚礼式体験や水車を利用して穀物をつく昔ながらの餅つき、礼儀作法や千字文を学ぶ書堂体験、エンジュの実を使って自然の色を出す天然染色体験など、伝統的な韓屋文化関連の様々なプログラムが用意されている。

こうした由緒深く風情のある古宅で一泊すれば特別な思い出になること間違いなし。南沙イェダム村の古宅では、別棟を丸ごと貸し出す古宅体験も運営している。

* 南沙イェダム村の所在地： 慶尚南道山清郡丹城面南沙里南沙マウル
ホームページ：http://yedam.go2vil.org/  



山清郡は、「自然農業」の町でもある。韓国でイチゴといえば山清郡を思い浮かべるほど、山清イチゴはヘルシーで新鮮だ。

山清郡シンアン(新安)面チョンヒョン(青峴)里のイチゴを栽培するビニールハウスは、イチゴ狩りの真っ最中だ。智異山の裾野にあり、標高が高く、朝晩と日中の寒暖差が大きいという最適の条件が揃っており、ここで採れるイチゴは一般のイチゴよりも糖度が高く、色が鮮やかなのが特徴だ。 



山清郡農業技術センター農業支援課のイ・ミリム課長は、「全国で一番先にイチゴが出荷されるのが山清郡だ。朝晩と日中の寒暖差が大きく、きれいな水で栽培された山清イチゴは、品質が全国一の‘高級イチゴ’だ。現在、シンガポールやマレーシアなど東南アジア地域にも輸出されている」と説明する。

そして、「山清イチゴは、一般的な土耕栽培ではなく、‘ハイベッド（high bed）’無農薬エコ農法で栽培されるため、肉質が柔らかく、糖度が高い」と話す。

ハイベッド栽培技術は、架台の上に床土を入れる容器を用意し、そこに培養液を供給してイチゴを栽培する方法だ。



記事：コリアネット　ソン・ジエ記者
写真：コリアネット　チョン・ハン記者
jiae5853@korea.kr