食・旅行

2017.01.16

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文化体育観光部が選んだ「大韓民国テーマ旅行10選」は1つのテーマで全国10エリアのユニークな文化観光地・グルメ・宿泊・交通などを観光コースとして紹介している。

このうち「自然の癒し」では丹陽(タニャン)・堤川(チェチョン)・忠州(チュンジュ)・寧越(ヨンウォル)など自然に恵まれた地域で体と心が癒される旅行コースを紹介する。


13日の早朝、「嶋潭三峰」の後ろから朝日が昇り南漢江の景色をさらに引き立てている

13日の早朝、「嶋潭三峰」の後ろから朝日が昇り南漢江の景色をさらに引き立てている



朝鮮時代のソンビ(儒者)らは全国を遊覧しながら自然を楽しんでいた。そして素晴らしい景色を詩と絵に残した。

全国に数多い名所の中でも丹陽(タニャン)は特別な場所である。丹陽の美しさを称える言葉を耳にした朝鮮の国王、正祖(チョンジョ、1752~1800)が画員の金弘道(キム・ホンド、1745~1806)を丹陽に送り絵を描かせるほどだった。王命により3年間にわたり金弘道が絵に描いた場所としては丹陽のほかにも堤川(チェチョン)、永春(ヨンチュン)などがある。

それから200年余りの年月が経った現在でも、丹陽と堤川は文化体育観光部が選んだ「自然の癒し」の旅行先になるほどその美しさと清浄さを保っている。

丹陽とは神仙の治める住みやすい場所という意味の「錬丹調陽」が略された地名。うねうねと流れる川と小白(ソベク)山脈の山の間に多くの説話を残した景色に容易に出会える。

嶋潭三峰展望台の左を登ると絶対見逃してはいけない丹陽の絶景、「石門」が姿を現す。雲橋の形をしている石柱の向こうには南漢江と穏やかな村の風景が一幅の絵のように広がる

嶋潭三峰展望台の左を登ると絶対見逃してはいけない丹陽の絶景、「石門」が姿を現す。雲橋の形をしている石柱の向こうには南漢江と穏やかな村の風景が一幅の絵のように広がる



丹陽で最も有名な場所といったら何といっても「嶋潭三峰(トダムサンボン)」である。ここは太祖(テジョ)・李成桂(イ・ソンゲ)を手伝い朝鮮を建国し朝鮮の精神と哲学、都の決定に至るまで絶対的な影響を与えた三峰こと鄭道伝(チョン・ドジョン)の幼い時代にまつわる伝説を秘めている。

文化観光解説者のキム・チュニョンさんによると「元々は江原道(カンウォンド)・旌善郡(チョンソンぐん)にそびえていた三峰山が洪水に見舞われ丹陽郡まで流されてきたため、丹陽では毎年旌善に税金を払わばければならなかった。そこで幼い鄭道伝が妙策を考え出し、三峰山が流れてきたせいで水の流れを塞ぎ被害を受けているので山を元の位置に戻してほしいと話した。それを聞いた旌善側はそれ以降税金を徴収しなかった」という。観光客が名勝を見やすくするために設けられた嶋潭三峰展望台には嶋潭三峰の亭が一番良く見える場所に鄭道伝の銅像が立っている。

南造川のそばに屏風のようにそびえている「舍人岩」は、朝鮮時代を代表する画家の金弘道が絵に残すほどの景色を今でも保っている

南造川のそばに屏風のようにそびえている「舍人岩」は、朝鮮時代を代表する画家の金弘道が絵に残すほどの景色を今でも保っている



丹陽の絶景は三峰から始まり、朝鮮時代最高の画家の1人として挙げられる金弘道へとつながる。彼の作品『舍人岩(サインアム)図』が描かれた舍人岩周辺にはソンビたちの文章があちこちに書かれており、崖の下には彼らが楽しんだであろう将棋盤も大きな岩の上に残っている。

典型的な石灰洞窟の古藪洞窟は1.7kmに及ぶ探訪路が公開されている

典型的な石灰洞窟の古藪洞窟は1.7kmに及ぶ探訪路が公開されている



丹陽の素晴らしさは地上だけに留まらない。

丹陽を訪れる人が必ず行くべき場所で外国人観光客もよく見かける古藪(コス)洞窟は、風流を楽しんでいたソンビたちが捜し求めた丹陽の美しさが地下にも存在することをみせつけている。典型的な石灰洞窟の特徴をもつ古藪洞窟で公開されたのは1.7kmの区間。

酷寒といっていいほどの寒さに雪まで降っていた13日の古藪洞窟は、入ってしばらく進むと上着を脱いでも暖かさが感じられる程度の気温を維持していた。解説者によると古藪洞窟は年平均15℃の気温を保ち、寒い冬と暑い夏がとくに人気だという。

韓国唯一の淡水魚生態館の「タヌリ・アクアリウム」では丹陽郡を象徴するコウライケツギョを含め90種1万6千匹に上る魚類を観察することができる

韓国唯一の淡水魚生態館の「タヌリ・アクアリウム」では丹陽郡を象徴するコウライケツギョを含め90種1万6千匹に上る魚類を観察することができる



丹陽で見逃してはいけない場所で、最もアクセスが便利なのはタヌリ・アクアリウムだ。韓国唯一の淡水魚生態館のここでは、丹陽郡を象徴するコウライケツギョ像が観覧客を迎える。

コウライケツギョを含め南漢江(ナムハンガン)に自生する水生生物と共に世界の淡水魚90種1万6千匹が観察できるタヌリ・アクアリウムは、丹陽と他地域をつなぐ高速バスターミナルと隣り合っているため丹陽観光の最初または最後のコースとして位置づけられている。

コリアネット イ・ハナ記者
写真:コリアネット チョン・ハン記者
翻訳:イム・ユジン
hlee10@korea.kr


丹陽郡は忠清北道の北東部に位置している。西に堤川市、北には江原道寧越郡、東南には小白山脈を境に慶尚北道の栄州市・聞慶市と接している

丹陽郡は忠清北道の北東部に位置している。西に堤川市、北には江原道寧越郡、東南には小白山脈を境に慶尚北道の栄州市・聞慶市と接している