「昌徳宮 月光紀行」コースの一つである仁政殿の様子。仁政殿は昌徳宮の正殿で、王の即位式、外国からの使臣の接見など国家の重要な儀式を行った場所。
[イ・ジヘ]
[写真=文化遺産訪問キャンペーン]
先月21日夜7時5分、ソウル・鍾路(チョンノ)区にある昌徳宮(チャンドクグン)の正門である敦化門(トンファムン)を過ぎると、夜のとばりがおり、宮殿が姿を現した。1405年に景福宮の離宮として建てられた昌徳宮は、1610年に朝鮮時代の第15代王である光海君(クァンヘグン)の時から1868年に第26代王の高宗(コジョン)が景福宮を再建するまでの計258年間、朝鮮の宮殿の中で最も長い間、王たちが住み、正史を広げた宮殿として1997年にユネスコ世界文化遺産に登録された。
先月7日から始まった「昌徳宮 月光紀行」は、ソウルの4大宮の一つである昌徳宮を夜の時間に楽しめるプログラム。普段は休館日の月曜日を除き、午前9時から午後5時まで観覧が可能だが、毎年2回開かれる昌徳宮の月光紀行では、1回当たり25人、1日150人の観客に夜間観覧の機会を提供する。観覧は1日6回(19:00、19:05、19:10、19:50、19:55、20:00)で、1回当たり約100分間。
この日、コリアネットは「昌徳宮 月光紀行」に参加し、仁政殿(インジョンジョン)、熙政堂(ヒジョンダン)など昌徳宮内の主要建物10カ所を見学した。
一番先に向かったのは、朝鮮時代に国家の公式行事が開かれた仁政殿だ。通常の観覧時にも内部見学ができるが、夕方の観覧ではライトに照らされた御座(王が座る席)と、その後ろにある「日月五峰図」という屏風が目をひいた。
続いて、王の非公式執務室である熙正堂と第24代王の憲宗(ホンジョン)の書斎である楽善斎(ナクソンジェ)を見学し、六角形の楼閣が特徴の上凉亭(サンリャンジョン)に向かった。通常は、立ち入りが禁止されている場所だ。この日、プログラムの解説を担当した昌徳宮の管理所で働く、イ・ジョンチュン文化財解説士は「上凉亭は、階段が多く勾配が急なので、普段は立ち入りが禁止されているが、月光紀行の時は特別に公開されている」とし「昌徳宮の敷地の中で一番高い位置にあるため、月がよく見える場所」と説明した。
先月21日、「昌徳宮 月光紀行」コースの一部である上凉亭で大琴を演奏をしている様子。
朝鮮時代の王と王妃が再現された姿。
寶相舞を披露する舞踊家たちの様子。