食・旅行

2023.10.16

「昌徳宮 月光紀行」コースの一つである仁政殿の様子。仁政殿は昌徳宮の正殿で、王の即位式、外国からの使臣の接見など国家の重要な儀式を行った場所。

「昌徳宮 月光紀行」コースの一つである仁政殿の様子。仁政殿は昌徳宮の正殿で、王の即位式、外国からの使臣の接見など国家の重要な儀式を行った場所。


[イ・ジヘ]
[写真=文化遺産訪問キャンペーン]

先月21日夜7時5分、ソウル・鍾路(チョンノ)区にある昌徳宮(チャンドクグン)の正門である敦化門(トンファムン)を過ぎると、夜のとばりがおり、宮殿が姿を現した。1405年に景福宮の離宮として建てられた昌徳宮は、1610年に朝鮮時代の第15代王である光海君(クァンヘグン)の時から1868年に第26代王の高宗(コジョン)が景福宮を再建するまでの計258年間、朝鮮の宮殿の中で最も長い間、王たちが住み、正史を広げた宮殿として1997年にユネスコ世界文化遺産に登録された。

先月7日から始まった「昌徳宮 月光紀行」は、ソウルの4大宮の一つである昌徳宮を夜の時間に楽しめるプログラム。普段は休館日の月曜日を除き、午前9時から午後5時まで観覧が可能だが、毎年2回開かれる昌徳宮の月光紀行では、1回当たり25人、1日150人の観客に夜間観覧の機会を提供する。観覧は1日6回(19:00、19:05、19:10、19:50、19:55、20:00)で、1回当たり約100分間。

この日、コリアネットは「昌徳宮 月光紀行」に参加し、仁政殿(インジョンジョン)、熙政堂(ヒジョンダン)など昌徳宮内の主要建物10カ所を見学した。

一番先に向かったのは、朝鮮時代に国家の公式行事が開かれた仁政殿だ。通常の観覧時にも内部見学ができるが、夕方の観覧ではライトに照らされた御座(王が座る席)と、その後ろにある「日月五峰図」という屏風が目をひいた。

続いて、王の非公式執務室である熙正堂と第24代王の憲宗(ホンジョン)の書斎である楽善斎(ナクソンジェ)を見学し、六角形の楼閣が特徴の上凉亭(サンリャンジョン)に向かった。通常は、立ち入りが禁止されている場所だ。この日、プログラムの解説を担当した昌徳宮の管理所で働く、イ・ジョンチュン文化財解説士は「上凉亭は、階段が多く勾配が急なので、普段は立ち入りが禁止されているが、月光紀行の時は特別に公開されている」とし「昌徳宮の敷地の中で一番高い位置にあるため、月がよく見える場所」と説明した。

先月21日、「昌徳宮 月光紀行」コースの一部である上凉亭で大琴を演奏をしている様子。

先月21日、「昌徳宮 月光紀行」コースの一部である上凉亭で大琴を演奏をしている様子。


次に朝鮮時代を代表する「王の庭園」である昌徳宮の後苑に足を運んだ。ここは、通常観覧時には、予約が必要な場所である。王室の池である芙蓉池(プヨンジ)にたどり着くと、朝鮮時代の王と王妃が散歩をしている姿が再現されていた。

イ解説士は「芙蓉池が月光紀行のハイライト」とし「夏には、ハスの葉が池いっぱいに広がっているため、水面がよく見えない。しかし、秋には池にうつる宙合樓(チュハンヌ)の美しい姿を見ることができる」と説明した。

朝鮮時代の王と王妃が再現された姿。

朝鮮時代の王と王妃が再現された姿。


続いて、後苑の内部にある王の健康長寿を願う不老門と朝鮮第19代王粛宗が建てた亭子である愛蓮亭(エリョンジョン)を見学した後、最後のコースである延慶堂(ヨンキョンダン)に向かった。延慶堂は、孝明世子(ヒョミョンセジャ)が父親である第23代王の純祖(スンジョ)に儀礼を行った場所だ。この日、延慶堂で参加者たちは、お茶と薬菓を楽しみながら、撲蝶舞、寶相舞などの伝統芸術公演を観覧した。

イ解説士は「昨年とは異なり今年は、寶相舞を新しく披露した」として「ボールを投げて顔に墨を塗るなどの面白い要素があり、見る人を楽しませる」と説明した。

寶相舞を披露する舞踊家たちの様子。

寶相舞を披露する舞踊家たちの様子。


今回、昌徳宮の月光紀行に参加したキム・ハジョン氏は「芙蓉池で主上殿下(チュサンチョナ)、中殿媽媽(チュンジョンママ)と一緒に写真を撮れたことが非常に印象的だった」と話した。

また別の参加者キム・ヨンイン氏は「朝鮮時代の王と同じ場所で、同じ音楽を楽しむことができ、とても新鮮な体験だった」と感想を述べた。

今年で14年目を迎える「昌徳宮 月光紀行」は22日まで開かれる。19日から22日までは、外国人を対象に英語、中国語、日本語の解説を行う。韓国人対象の月光紀行は、前売り券を抽選で販売するが、外国人を対象にするプログラムは、オンラインで前売りが行われる。チケットリンク(https://www.ticketlink.co.kr/global/ja/product/45430 )で1人当たり2枚まで予約が可能で、現場や電話での予約は行わない。チケットは1人につき3万ウォン。

]jihlee08@korea.kr