桐華寺の統一薬師如来大仏の後ろに見える八公山
[テレシア・マーガレット]
[写真= 八公山国立公園東部事務所]
韓国では毎年3月3日を、「国立公園の日」という記念日として定めている。国立公園の価値と重要性を発信し、国立公園の意味を再確認するためだ。韓国の国立公園は23カ所あり、「八公(パルゴン)山国立公園」が、一番最近、国立公園に指定された。大邱(テグ)広域市と慶尚北道にまたがり、全体の面積は12万6058平方キロメートル。主峰は、海抜1193メートルの毘盧峰(ビロボン)。数多くの峰が調和する八公山の景観は絶景だ。
八公山国立公園は、自然景観だけでなく自然生態系も優秀で文化資源も豊富だ。どの季節でも訪問客が絶えない。頂上にある冠峰石造如来坐像に心を込めて祈れば、必ず願い事をひとつ叶えてくれるという伝説もあり、仏教の信者など訪問客が年中訪れる。
八公山国立公園東部事務所の鄭正權(チョン・ジョングォン)所長は「八公山国立公園には、100点余りの文化財がある」とし「八公山国立公園には、韓国の代表的な寺院である桐華(トンファ)寺と銀海(ウネ)寺がある。大邱の都心圏にあるので、市内バスで訪問できる」と話した。
コリアネットは先月27日、アクセスの良い八公山国立公園を訪れた。前日には大邱にたくさんの雪が降り、八公山国立公園の冬の風景はとても素晴らしかった。
カッ(笠子帽)をかぶった仏像、「カッバウィ仏様」
参拝客の願い事を、必ずひとつ叶えてくれるというカッバウィ
「カッバウィ仏様」は、八公山国立公園の南側の峰である冠峰頂上(海抜853m)にある統一新羅時代の石仏坐像だ。仏様の頭の上には、何もないのが普通だ。しかし、この仏像は珍しくカッをかぶったような姿をしているので、「カッバウィ仏様」と呼ばれている。
八公山国立公園東部事務所の洪昭羅(ホン・ソラ)主任は「カッは『学士帽』のように見える。そのため、大学の入試シーズンになると、合格祈願で訪れる人が多い」と話した。
「カッバウィ仏様」を見に行くには、2つのルートがある。一つ目は、慶山(キョンサン)の方にある禪本(ソンボン)寺から登るルート。斜面が急だが、除雪が行き届いているので安全だ。二つ目は、大邱の冠岩(クァンアム)寺から入るルート。1年(365日)という意味を持つ1365階段を上れば到着する。
過去と現在の対話、桐華(トンファ)寺の歴史
1500年という歴史と伝統を誇る桐華寺は、韓国仏教の代表的な叢林。叢林とは、多くの僧侶が集まり修行する大伽藍のことだ。大伽藍は禪院、講院、律院、念佛院を全て備えている。
桐華寺は493年に創建されて以来、何度も建て直された。古い建物と新しい建物が調和して、まるで過去と現在が対話をしているように見える。
桐華寺の大雄殿は、数回にわたり建立された。現在の大雄殿は1727年から1732年の間に建立されたものと推定される。伽藍の中心地にある大雄殿には、三世仏像である釈迦牟尼如来、阿弥陀如来、薬師如来が奉安されている。
桐華寺を代表する仏像は、1992年に完工された統一薬師如来大仏である。南北統一と世界平和、人類の幸福に対する切なる願いが込められている。全高は33メートル。石造仏像としては、世界最大規模だという。
八公山国立公園東部事務所の殷美賢(ウン・ミヒョン)主任は、「薬師如来大仏の後ろに八公山が見える。雪に積もった八公山の景色はまるで蓮華蔵世界のようだった」とし、「向こう側にある寺の中からは、薬師如来大仏がさらによく見える」と話した。
# 八公山国立公園に訪問したいが、登山が難しい場合にはどうしたらよいか。
ケーブルカーで展望台に行くと、大邱市内の全景がパノラマのように広がる。近くにあるソウォンバウィでは、願い事もできる。
八公山ケーブルカーを利用すれば、ケーブルカー展望台があるシンリムボン(海抜820メートル)まで、10分ほどで行くことができる。展望台の後ろ側にある岩の丘からは、カッバウィのある冠峰から東峰、毘盧峰、把溪岾(パゲジェ)につながる八公山の稜線を一望できる。八公山の稜線は、鋸刃のようにギザギザだ。大邱と自然の全景を同時に楽しむことができる。
週末には、八公3番バスが運行される。バスに乗れば、八公山国立公園の主要名所である架山(カサン)山城、把溪岾、水台滑(ステゴル)、桐華寺、カッバウィなどを気軽に訪問することができる。
margareth@korea.kr