名誉記者団

2020.04.17

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映画館の1フロアがアイドルの写真で溢れている=ソウル


[大阪=大野瑠華]
[写真=大野瑠華]

近頃では日本において単なるブームではなく一つのジャンルとして定着してきたK-POP。

練習生と呼ばれる長い準備期間を経てデビューするアイドルたちの息の合ったダンス、人々を魅了するボーカル、グローバルな活動に備えた言語力、さらにはSNSを通じて見せてくれる親近感まで、様々な魅力で世界中のファンたちを虜にしています。そんなK-POPアイドルのファンたちに独特の文化があるのを皆さんはご存知でしょうか?今日は私も大好きなBTSを例に挙げ、あっと驚くその文化をご紹介したいと思います。


●誕生日やカムバックを記念した広告


BTSのメンバーであるRMの誕生日を祝う地下鉄広告=ソウル


BTSのメンバーであるジミンの誕生日を祝う地下鉄広告=ソウル


BTSのメンバーであるSUGAの誕生日を祝うのぼり旗=ソウル


BTSのデビュー6周年を祝うバス広告=釜山


BTSもそうで、ファンはファンレター以外のプレゼントを贈ることはできなくなりました。そこでファンたちは地下鉄やバス停などに誕生日をお祝いする内容の広告を出します。誕生日だけでなく、カムバック(新曲を出すこと)やデビュー記念日などにも広告を出します。

また、最近では韓国国内だけではなくニューヨークのタイムズスクエアなど海外にまでこの広告文化が広がっています。日本ではプロデュース101ジャパンが応援素材と呼ばれる写真を、広告などに使ってもらう目的で配布しました。その素材を使った応援広告が駅やビルの画面に載るなど、その文化が日本においても広がりを見せています。


●カフェでドリンクを頼むともらえるカップホルダーって?


海外で開かれたカップホルダーイベント=大阪(左)と台湾・台北(右)


広告の他にもファンが誕生日イベントを行う方法は多種多様です。どんどん日本でも盛んになっているイベントの一つが「カップホルダーイベント」です。カップホルダーとは、持ち帰り用のドリンクのカップにつけるもので、ファンたちはそのカップホルダーにアイドルの写真やメッセージなどを入れてお祝いします。



BTSのメンバーであるVの誕生日を祝うカフェ=大阪


また、お店と協力し、ドリンクを買ったお客さんにカップホルダーを配るなどのイベントを開催します。ファンたちは、写真を撮りSNSにあげたりして誕生日を盛り上げます。それがアイドルの目に留まることもあり、韓国ではアイドル本人が来店してくれるということもあります。


日本でもコリアンタウンだけでの開催から始まって年々実施店舗やエリアが拡大しており、ファンにとっては一年に一度の特別なイベントとして定着しつつあります。


●広がる優しい寄付の輪


BTS×unicef LOVE MYSELFキャンペーンの1周年を記念したイベントにて=ソウル


ファンたちの想いは、他の人にも影響を及ぼします。BTSはユニセフと共に「LOVE MYSELF」「#ENDviolence」をかかげ、暴力により苦しむ世界の児童や青少年たちを守ろうというキャンペーンを行いました。キャンペーンサイトやコンサート会場などで寄付を募り、その思いに賛同したアーミー(BTSのファン)たちが協力した結果、1年で18億ウォンという大きな力となりました。

それ以外にも好きなメンバーやグループの名義で寄付をするファンがたくさんいます。オーストラリアの山火事で被害を受けた人々や動物への寄付のためグッズを製作し、その売り上げを全額寄付しているファンもいました。

最近では、4月にソウルにて開催予定であったBTSのコンサートが新型コロナウイルスにより中止となり、チケット代が全額返金となりましたが、その返金された金額を新型コロナウイルス拡散防止のために関連団体に寄付したことが話題となりました。寄付することで社会の役に立つことはもちろん、ファンのイメージがよくなればアーティストのイメージもよくなるという思いからの行動だと思います。


韓国の男性ヒップホップアイドルグループ「防弾少年団(BTS)」。左から、ジン、ジミン、SUGA、ジョングク、V、RM、J-HOPE= BigHitエンターテインメント


どんな形であれ愛にはとても大きな可能性やパワーがあります。その愛を自身が幸せになる方向に活用してほしいです。BTSの「LOVE MYSELF LOVE YOURSELF」というメッセージがファンにちゃんと届いていると私は感じます。早くファンとアーティストが同じ空間で幸せを感じられる日が来ることを願っています。



*この記事は、日本のコリアネット名誉記者団が書きました。彼らは、韓国に対して愛情を持って世界の人々に韓国の情報を発信しています。

eykim86@korea.kr