[東京=山崎南奈(日本)]
近頃、日本では韓国の漫画、Webtoon(ウェブトゥーン)が流行しています。
その人気のほどは、「梨泰院(イテウォン)クラス」の日本語版である「六本木クラス」や「女神降臨」などの韓国ウェブトゥーンのCMがテレビで流れるほど...!
人気に火がついた理由としては、1つ目に韓国語の漫画が日本語版でリリースされ、誰もが手軽に韓国ウェブトゥーンが読めるようになったことが挙げられます。
日本の方も読みやすいように、韓国の地名や名前が日本のものに変わったりしている工夫があり、韓国に関心がない方や知識がない方でも内容が頭に入りやすく、手軽に読めるようにされています。
(左から)「梨泰院クラス」、日本版の「六本木クラス」、韓国ドラマ「梨泰院クラス」=韓国Daum Webtoon、ピッコマキャプチャー、JTBC
人気の理由の2つ目には、現在のコロナ禍において人々の必須アプリとなった動画配信サブスクリプションで、韓国ウェブトゥーン原作のドラマが流行したことなどが挙げられます。
これらの理由から、今日本では韓国ウェブトゥーンが大注目されています。
今回は、その中でも特にここ最近話題になった2作品を紹介していきます。
この2作品を選んだ理由としては、日本の動画配信サービスや・SNSなどで話題になったから、という理由は勿論のこと、ここから「美容」の文化が垣間見れるからです。
最近は、日本でも韓国コスメが大流行しており、私自身も韓国のコスメは大好きですが、なかなか外国人がそれ以上のリアルな美容の情報や、美容に関する韓国内での考えなどを知ることは難しいのが現状・・・
これから紹介するドラマは、隣国であるにも関わらず、日本とは一味違う韓国の美容への考えや文化を見ることができます!
韓国ドラマ「私のIDはカンナム美人」のポスター=JTBC
① 私のIDはカンナム美人(原題:내 아이디는 강남미인)
一つ目は、ドラマが話題となった「私のIDはカンナム美人」。
動画配信サブスクリプションで数カ月もの間、日本の人気トップ10にランキング入りするほどの人気でした。 韓国では、2018年に放送されたドラマですが、日本での人気に火がついたことから、主人公のド・ギョンソク役を務めるASTROのチャ・ウヌさんがオンラインファンミーティングを2020年に開催するほどでした。
【話のあらすじ】
容姿にコンプレックスを持つ主人公(イム・スヒャン演じる)カン・ミレが大学入学を機に顔を整形手術をする。 大学入学後、今までの人生では考えられなかったような薔薇色の大学生活を送るミレだが、高校の同級生であり、学年一のイケメンの(チャ・ウヌ演じる)ギョンソクと出会ってしまう。整形したことがバレるんじゃないかとヒヤヒヤするミレであったが・・・
韓国ドラマ「私のIDはカンナム美人」のワンシーン=JTBC
最初は容姿に関するコンプレックスやトラウマから、強いこだわりを持つミレだったが、ギョンソクや大学での友人らとの出会いを経て、成長していくドラマです。
カンナム美人は日本語でいう、いわゆる「整形美人」。
韓国では、美容整形文化が進んでいて、ミレの様に大学入学前に手術をする方も多いんだそう。最近、日本でも二重整形などはメジャーになりつつあり、手術を受ける学生なども多くいて、手術を受けたいと考えている方もだんだん多くなっていると感じています。
そのような点から、日本の方にも共感しやすく、話題のドラマになったのではないかと思います。
ドラマ化された「女神降臨」=TVN公式ホームページ
② 女神降臨(原題:여신강림)
二つ目にご紹介するのは、「女神降臨」。
こちらは、日本語版のウェブトゥーンも公開されていて、元々人気でしたが、2021年に韓国でドラマ化され、世界的にも大人気、日本でも大きな話題を呼びました。
ハン・ソジュン役を演じるファン・イニョプさんの公式インスタグラムのフォロワーは、ドラマ前後で100万人以上も増加するほど、ドラマをきっかけに話題を集めました。
【あらすじ】
いじめを受けていた(ムン・ガヨン演じる)イム・ジュギョンは、学校の転校を機にイメチェンを図る。 彼女は”女神”と呼ばれていたが、その女神姿は全てメイクのおかげだった・・・!
いつも明るい彼女に惹かれていく(チャ・ウヌ演じる)イ・スホ、(ファン・イニョプ演じる)ハン・ソジュン。二人との三角関係の恋愛や、クラスメート達との出会いを経て、ジュギョンが本当に大切なものは何なのかを見つけていくストーリーです。
韓国ドラマ「女神降臨」のワンシーン=TVN公式ホームページ
こちらは、女性に身近な「メイク」を題材にしたものです。化粧後の姿には自信があっても、すっぴんの時には自信がなくなることは、日韓を問わず、多くの女性が経験あることなのではないでしょうか。
そんな身近な題材だからこそ、日本女子の心も掴んだのだと思います。
この二つの話題のウェブトゥーンから見出せる日韓の共通点として、ともに、”第三者からの外見を気にする”文化であること。
もちろん、自己満足のためにする部分も多いですが、他者からの外見を気にするからこそ、メイクや整形などが発達し、メジャーになっているのではないかと私は思います。
ですが、上の2つのドラマから得られるメッセージは、”外見だけに囚われず、自分らしく生きることが大切”ということ。 自分の内面もきちんと見てくれる人がいることに改めて気付かされます。
韓国のウェブトゥーンは、ただ面白いだけでなく、このように考えさせられるメッセージが込められているのもポイントです。
ぜひ皆さんもウェブトゥーンを通じて、さまざまなメッセージを受け取ってみてください。今後も韓国ウェブトゥーンから目が離せません!
*この記事は、日本のコリアネット名誉記者団が書きました。彼らは、韓国に対して愛情を持って世界の人々に韓国の情報を発信しています。
km137426@korea.kr