[仁川=田村温子(日本)]
[写真=PLEDIS Entertainment]
約1年ぶりにNU’EST(ニューイースト)がカムバックし、4月19日に正規2集アルバム『Romanticize』が発売された。
ニューイーストは2012年デビューの5人組男性アイドルグループで、2014年には日本デビューも果たしている。
活動10年目になる彼らだが、正規アルバムを出すのは2014年の『Re:BIRTH』以来7年ぶりとなり、今回が2枚目である。アルバムには10曲が収録されており、うち5曲は各メンバーのソロ曲である。
アルバム名が『Romanticize』であるだけに、今回は『浪漫』がテーマとなっており、平凡な日常を抜け出して、浪漫の世界へ引き連れてくれる…そんなアルバムである。収録曲は全てメンバーが作詞・作曲に参加している。
主にニューイーストが追及する浪漫について、ソロ曲は各自が思う浪漫についてを歌に込めている。メンバーそれぞれが日常で感じる浪漫を中心に書いているので、歌詞を一つ一つかみしめながら聞く楽しみがある。
曲のジャンルも各メンバーの個性が大いに反映されている。だからこそファンにとってもメンバーにとっても今回のカムバック活動は特別であった。
●カムバック前の楽しみ方●
カムバック前になると今回のアルバムの鍵・ヒントとなる「コンセプトページ」が開設される。
キーワードを推理、入力してページを開いたりと、様々な仕掛けがしてあり、なぞ解きをしながらカムバックへの期待もずいぶんと高まる。ページはカムバック日まで、随時更新される。それからアルバム「トレイラー」が公開される。
トレイラーサムネイル
トレイラーとは、アルバムの世界観やコンセプトを見せるために、ミュージックビデオの映像一部が少しだけ公開されるものである。
その後「トラックリスト」が発表され、「プレリスニング」では全曲15秒程度ではあるが曲の一部が公開された。
このような過程を踏んでミュージックビデオの「ティーザー」(予告映像)が公開され、今回のタイトル曲の雰囲気を知ることできるのである。
この間にも随時、アルバムの団体ジャケット写真や個人ショットが少しずつ公開されるなどして、日々アルバムへの期待が高まるような仕掛けがしてある。
●カムバック当日●
ファンたちは時計の針を見ながら午後6時になるのを今か今かと待ち構えていた。6時になるとミュージックビデオが解禁され、音楽サイトでは収録曲が聞けるようになるのだ。
現在はコロナの影響もあり、記者を対象としたショーケースのみを実施し、タイトル曲を披露したりアルバム制作にあたってのエピソード、アルバムの広報記者会見をした。これも後に映像が公開されたため、ファンたちもショーケースの雰囲気を楽しむことができた。
●カムバック活動●
ラジオに出演しアルバムの広報活動をしたり、音楽番組でカムバックを知らせる。ラジオは見えるラジオの場合が多く、オンラインでリアルタイムに視聴できる。
音楽番組に出演すると、放送で流れた映像の他に「チッケム」というものが放送局から公開される。チッケムとはパフォーマンス中のある一人のメンバーだけを追った映像で、メンバー別に撮られている。
チッケムといってもいろいろあり、グループ全体を撮った映像であってもチッケム(舞台チッケム)と呼ばれることもある。高いところから全体の動きを写したsky cam(スカイカム)や顔(表情メイン)を中心に撮られたface cam(フェイスカム)などもあり、1つの舞台でもいろいろな角度・視点から見ることができ、これらもファンにとって楽しみの一つである。
また日韓のアイドル・アーティストの活動を比較してみると、韓国が月曜を除く全ての曜日で夕方の時間帯に音楽番組が放送され、順位が発表される。それに対し日本は音楽番組が夕方の時間帯に多くない上、番組内で順位が決定することもない。
よって韓国では一位を取らせるためのファンたちの熱もすごいし、晴れて一位になれればアイドルが感極まって泣いている姿を見ることもあるのだ。
音楽番組ごとに一位を取るための基準は違うが、基本的にファンはストリーミングをしたりミュージックビデオの再生回数を上げるための再生、事前投票などの地道な努力が必要である。
そこで一位になるとアンコールがあるのだが、アンコールの「1位公約」というものがある。「もし1位を取れたら○○をします!」こういうものである。
公約は様々で、ちょっと変わったことをしたり、日頃見られない姿を見せることが多い。例えばラップメンバーとボーカルメンバーのパートを交換して歌ったり、コンセプトにちなんだパフォーマンスをすることもある。
今回ニューイーストの場合、コンセプトにドミノがあったため、舞台上でドミノを成功させる…ということで、ドミノでハートを作って倒した。 一位公約もまた期待されるパフォーマンスの一つである。
また今回は、サイン会がオンラインとオフライン(対面)で実施された。対面サイン会は1年以上できておらず、今回やっと実施された夢のような時間だった。
アクリル板を介してであったため、声が聞こえにくかったり触れることはできなかったようだが、それでもお互い有意義な時間を過ごせたようだ。
ダンス練習動画サムネイル
また、タイトル曲『INSIDE OUT』の応援法(掛け声)やカムバック活動準備中のビハインド映像、録音風景、ダンス練習コンテンツが公開されたりもした。
2週間という短い活動期間であったが、様々な楽しみがあるカムバック活動であった。 現場が少なくなっても、追いつけないほど様々なコンテンツが用意されており、個人的にはステイホームしながら楽しめる趣味として最高だと思う。
また今回は、前回のカムバック活動ではできなかった対面サイン会もあったので、去年よりも少しだけ前進したということが何よりも嬉しかった。
応援法動画
海外ファンはまだ対面が難しいので、今後はオフラインとオンラインを並行してやっていくのが普通になっていくような気がする。 そうなるとそれぞれに合ったファン活動が選べるようになり、参加の幅が以前よりも広がることになる。これはある意味コロナの恩恵でもあると感じている。
また、個人的にはK-popのカムバック活動は「参加型お祭り」みたいだと感じている。
なぜならカムバック自体がお祭りのような盛り上がり具合だし、カムバック期間中ファンたちは常にストリーミング、ミュージックビデオ(YouTube)の再生、毎日投票などに参加しているからである。
Twitter上でも「あと1時間で〇〇万回の再生回数を達成させましょう!」「今日の投票まだしてない方は急いで!」などとファン同士で声を掛け合っていたりもする。
ファンダムの団結力にも驚くし、カムバックはアイドルだけが頑張るものではないのである。日本のアイドルとはまた少し違ったカムバック活動の楽しみ方を感じられたのではないだろうか。
多くのK-popアイドル・アーティストがいる中で今回ニューイーストを取り上げた理由は、個人的にニューイーストのファンであり、カムバック前から活動終了まで共にしたからである。
またオリコンデイリーアルバムランキング(5月10日付)で2位という成績を残し、日本での人気も証明したが、それでもより多くの人に知ってもらいたいと思ったからだ。
K-popアイドル皆がこの流れ!という訳ではないが、このような感じでカムバック活動をしているということをニューイーストを例に紹介させて頂いた。
*この記事は、日本のコリアネット名誉記者団が書きました。彼らは、韓国に対して愛情を持って世界の人々に韓国の情報を発信しています。
km137426@korea.kr