釜山の広安大橋(クァンアンデギョ)とミルミョン=iclickart(上記の写真は著作権法によって保護されています。無断転載、転用、複製などの二次利用を固く禁じます。)
[熊本=木村杏莉(日本)]
暑い夏といえば冷たい麺料理!日本ではそうめんや冷やし中華、蕎麦やうどんなどが多く食べられ、韓国では 「冷麺(ネンミョン)」や「混ぜ麺(ビビンミョン)」が多く食べられます。
冷麺は水冷麺(ムルネンミョン)とも言われ、ダシの効いた冷たいスープに茹で麺が浸っているのが特徴で、混ぜ麺はスープが無く(混ぜやすいようにスープが少し入っている場合もある)ピリッと辛いコチュジャンなどが入った合わせ調味料のヤンニョムと茹で麺を混ぜて食べるのが特徴の料理です。トッピングは主に千切りされているきゅうりや酢漬けされた大根、キムチやゆで卵、茹でた豚肉、薬味等が乗っていることが多くお店によっては大根ではなく梨がトッピングされている所もあります。
釜山の焼肉屋さんで食べた冷麺(左)、水冷麺と混ぜ麺=木村杏莉撮影(左)、iclickart(上記の写真は著作権法によって保護されています。無断転載、転用、複製などの二次利用を固く禁じます。)
夏になるとこの冷麺や混ぜ麺を食べようとお店には多くの人で賑わい行列ができるほど。韓国では夏の風物詩として長年親しみ愛されています。また、冷麺や混ぜ麺はお肉と一緒に食べると美味しいことから韓国では焼肉店で提供しているお店がほとんど。そのため焼肉を食べる際は冷麺やビビン麺を頼む人が多く見られます。即席麺としても数多く商品化されておりコンビニやスーパーなどでも見ることができ手軽に購入することができます。夏だけに限らず1年を通して国民に愛されている料理と言えます。
日本でも最近韓国食品を取り扱うお店が増えてきており、冷麺や混ぜ麺について知っている方も多いのではないでしょうか。しかしまだまだ知られていない料理もあります。
釜山で有名なミルミョン=iclickart(上記の写真は著作権法によって保護されています。無断転載、転用、複製などの二次利用を固く禁じます。)
韓国の東南端にあり福岡から約200kmの近さに位置する釜山(プサン)。釜山には少し違った冷麺があるのを皆さんご存知でしょうか。それは釜山の郷土料理として2006年に指定され、小麦粉に澱粉を混ぜて作った麺である「小麦麺(ミルミョン)」という料理です。
小麦麺は釜山では冷麺と同じくらい市民によく親しみ愛されている料理です。朝鮮戦争が勃発した1950年以降、北から釜山へと避難してきた避難民が多くいました。冷麺が恋しくなった避難民は冷麺を作ろうとしましたが冷麺を作るには蕎麦やじゃがいもが必要でした。しかし食料不足であったため、代わりとして小麦粉を使ったのが「小麦麺(ミルミョン)」の始まりだと言われています。そのため冷麺との大きな違いは麺。冷麺は蕎麦を含むため黒く茶色がかった色で弾力が強いのに対し、小麦麺は小麦粉を使用しているため黄色がかった白色をしており冷麺より柔らかいのが特徴です。
釜山で食べた水小麦麺=木村杏莉撮影
小麦麺にも冷麺と混ぜ麺同様、2つ種類があり冷たいスープに浸かった「水小麦麺(ムルミルミョン)」とピリッと辛いヤンニョムと一緒に混ぜて食べる「混ぜ小麦麺(ビビンミルミョン)」があります。トッピングも同様に千切りされているきゅうりや酢漬けされた大根、キムチやゆで卵、茹でた豚肉、薬味等が乗っています。
私も釜山旅行に行った時や釜山留学中、夏によく小麦麺を食べていました。弾力のある冷麺に比べスルッと食べることができ個人的には小麦麺が大好きです。
冷麺や小麦麺は麺が長いため、食べる際はハサミで麺を1〜2回ほど切り、薬味を溶かし麺とよく混ぜて食べるのがポイントです。またお好みでお酢やからしなどを入れて食べるとさらにさっぱりと更に美味しく食べることができるのでオススメです。
釜山の郷土料理である小麦麺「ミルミョン」。釜山でしか食べれないのでまだ食べたことのないという方は暑い夏に一度釜山で是非食べてみてください。
*この記事は、日本のコリアネット名誉記者団が書きました。彼らは、韓国に対して愛情を持って世界の人々に韓国の情報を発信しています。
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