韓国料理界のお父さん ペク・ジョンウォンさん=JTBC公式ホームページ
[大阪=大野瑠華(日本)]
[写真=大野瑠華]
なかなか韓国への渡航の目途が立たないなか、少しでも韓国を感じたい、韓国の味を楽しみたい!という人々からの注目を集め、連日満員、行列まで成している店があります。それが『香港飯店0410』。
香港飯店0410道頓堀店の様子。店の前には席が空くのを待つ人の姿も=8月21日、大阪、大野瑠華撮影
韓国国内をはじめ、新大久保にも店舗があり大人気のお店がとうとう大阪にも上陸しました。お店には日本に住む韓国人の方も多く訪れ、韓国語が飛び交いまるで韓国に来たような気分を味わえました。このお店をプロデュースしているのが、テレビなどでもお馴染みの料理人ペク・ジョンウォンさんです。今日はそのペク・ジョンウォンさんの人気の秘密と魅力について迫りたいと思います。
店の前に飾られているペク・ジョンウォンさんの写真=8月13日、大阪、大野瑠華撮影
ペク・ジョンウォンさんは、優しく親しみやすいお父さんのような雰囲気を持っています。韓国で有名な料理研究家であり、実業家、タレント、エッセイストとして執筆も手掛けるマルチな才能を持つ方です。料理研究家として絶対的な信頼を寄せられており、簡単でおいしくできるレシピだとみんなが真似して作ります。
BTSとペク・ジョンウォンさん(左から2番目)=BTS公式Twitter
BTSもV LIVEにて配信中のバラエティ番組『Run!BTS』に登場したペク・ジョンウォンさんにファンだと語ったり、サインを求めたりするほど人気があります。自身のYouTubeにて直接レシピの紹介も行っています。
同時に実業家としての顔も持つペクさん。いくつものチェーン店の経営を手掛ける会社の創業者であり、社長です。韓国式の中華料理『香港飯店0410』や練炭プルコギ、7分豚キムチチゲが人気の『セマウル食堂』だけでなく、牛肉がメインの『本家』、タッカルビが売りの『ペク鉄板』、カタクチイワシで出汁をとった麺料理ミョルチグクスがメインの『ミジョングクス0410』、カフェ『ペクタバン』など他にも多数のチェーン店を営んでいます。香港飯店やミジョングクスの店名についている0410は、携帯電話番号の下4ケタだそうで、愛着のある番号なようです。他にもコラボした食品やお弁当もスーパーやコンビニで見かけられます。
セマウル食堂の人気メニュー「7分豚キムチチゲ」=8月21日、大阪、大野瑠華撮影
私も大阪にできたセマウル食堂と香港飯店の店舗を直接訪れ、韓国でも好んで食べていたメニューを食べてきました。セマウル食堂では、7分豚キムチチゲを注文しました。7分沸騰させるとおいしく完成することからこの名前がついたキムチチゲ。刻まれた韓国のりは食べ放題で、のりがかかったご飯にさらにキムチチゲをかけ混ぜて食べるのがおすすめです。具、特に肉がたくさん入っていて食べ応えがあり、深い味わいです。そんなに辛くないので、みなさん食べてみてください。
香港飯店のおすすめメニュー「焼きチャンポン」「ジャジャン飯」「タンスユク」=8月13日、大阪、大野瑠華撮影
香港飯店では、炒めチャンポン、チャジャン飯、タンスユクを注文しました。炒めチャンポンは海鮮をはじめ具沢山で、辛くもなく直火の香ばしさが特徴の大好きなメニューなのですが、韓国で食べたものに比べると少し味が濃い気がしました。ですが、久しぶりに懐かしい味を思い出せて嬉しかったです。
ジャジャン飯はジャジャン麺のソースが、天津飯の上に乗っているような卵ととても相性がよく、こちらもやはりおいしいです。チャンポンの辛いスープも付いてくるのでその味見もできます。タンスユクは韓国式の酢豚のようなメニューで、もちもちとした食感が特徴の人気なようですが、個人的には肉を感じることができなかったのが残念で、私はサクサクのタンスユクが好きだなあと思いました。
ペク・ジョンウォンさんは、タレントとしても活躍しており、『ペク・ジョンウォンの路地食堂』、『ペク先生&キュヒョン(SUPER JUNIOR)の国民ごはん』、『ペク・ジョンウォンクラス』など現在の放送中のペクさんの名前がついた番組もたくさんあります。過去も含めれば出演した冠番組は数知れず、そこで紹介したレシピやお店はたちまち大人気です。エッセイストとしても才能を発揮し、数々の著書がベストセラーになっています。
また料理愛が深いこともペクさんの人気の理由ではないでしょうか?ペクさんはフードロスを減らすための啓蒙活動にも取り組んでいます。特に韓国で豚バラの部位ばかりが好んで食べられる現状に警鐘を鳴らし、他の部位がいかに美味しく食べられるのか、広める活動をしています。その一環として新型コロナウイルスの影響で苦しんでいる豚農家の応援も兼ねて、豚バラや肩ロース以外のよく捨てられる部位を使用して作った『ペクハム』というスパムも製作し販売したりしています。
今は新型コロナウイルス感染再拡大の影響で外出や外食を自粛しなければならない状況ですが、近いうちにみなさんも実際に店に行き私のおすすめメニューや人気メニューをご賞味いただき、韓国に行った気分を楽しんでいただけたらと思います。
*この記事は、日本のコリアネット名誉記者団が書きました。彼らは、韓国に対して愛情を持って世界の人々に韓国の情報を発信しています。
eykim86@korea.kr