名誉記者団

2021.11.26

他の言語で読む
  • 한국어
  • English
  • 日本語
  • 中文
  • العربية
  • Español
  • Français
  • Deutsch
  • Pусский
  • Tiếng Việt
  • Indonesian

[仁川=田村温子(日本)]
[写真=田村温子]


さつまいもといえば、日本でも韓国でも「秋」の食材である。

韓国でもさつまいもはスーパーや市場、野菜屋さんなどで購入可能だ。

さつまいもは韓国語で고구마(コグマ)という。種類は밤고구마(栗さつまいも)、호박고구마(かぼちゃさつまいも)、꿀고구마(蜂蜜さつまいも)、베니하루카(紅はるか) などがあり、スーパーなどでよく見る種類はだいたいこれくらいだ。


スーパーの野菜コーナーにあるさつまいも。左が栗さつまいも、右がかぼちゃさつまいも


また韓国では「~派」というのが流行っており、さつまいもでも밤고구마(栗さつまいも)派VS호박고구마(かぼちゃさつまいも)派のように分かれる。

個人的には호박고구마(かぼちゃさつまいも)派で、かぼちゃのようにしっとりホクホク、柔らかい甘みのあるさつまいもが好みだ。


ちなみに韓国でさつまいもといえば、ダイエットや健康管理、食事制限の際にもよく食べられ、体にいいとされているので老若男女に人気だ。

よく韓国アイドルがさつまいもダイエットをしたりしているが、これも韓国発祥らしい。


日本でもさつまいもの商品は多いが、秋の期間限定商品としてリリースされることが多い気がする。

ところが韓国では 期間限定など関係なく年中食べられているものも多い。

例えばさつまいもケーキは定番商品で、どこのお店でも生クリームケーキやチョコケーキと並んで必ずある。


パンチェーン店パリバケットのさつまいもケーキ


カフェにはさつまいもラテという日本ではあまり見ないメニューも存在する。

次にさつまいもピザを紹介する。

こちらも年中食べられ、ピザの中でも人気の味、定番のピザである。


さつまいもピザ


パンの耳部分にさつまいもペーストを入れた、さつまいもエッジを追加することも可能だ。

日本人がさつまいもピザと聞くと合わないのでは…と思うかもしれないが、さつまいもとチーズ、ケチャップの相性が抜群なのである。


実は「さつまいも+しょっぱい系」の組み合わせは韓国の方が多様だと思う。

さつまいもチーズとんかつやさつまいも餅を入れたトッポッキなどもあるが、どれもさつまいもペーストの甘さとしょっぱいソースなどの組み合わせ단짠(甘じょっぱさ)の調和が絶妙なのだ。

そしてさつまいもの変わった食べ方 に、さ つまいもとキムチを一緒に食べるというものがある。


韓国独特の食べ方、さつまいもonキムチ


大人気ドラマ「応答せよ1988」にもアジュンマたちがさつまいもにキムチを載せて食べるシーンが出てくる。

韓国人の中にも合わないと思う人もいるが、好んで食べる人も多い。

著者も初めて聞いた時は組み合わせが衝撃的で正直合わないだろうと思っていたが、さつまいもの甘さとキムチのしょっぱさ단짠(甘じょっぱさ)が意外にもよく合うのである。


また、さつまいもは喉に詰まりやすいので汁の含んだキムチを一緒に食べることによって、のみ込みやすくもなるのだ。

日本でもおしるこやぜんざいに、少量のお漬物を食べることがあるが、それと似ているのかもしれない。甘いものをずっと食べていると塩辛いものがちょっと欲しくなるあの感覚と同じである。


個人的には白菜キムチの白い部分よりも葉の部分の方がさつまいもとは合う気がする。


最後に「さつまいも」に関する面白い韓国語を紹介したい。

고구마(さつまいも)と사이다(サイダー)である。


何の関連もなさそうな2つの単語であるが、実は対になっているのだ。

さつまいもを水分なしで食べると喉に詰まって苦しくなることから、もどかしい(韓国語では답답하다)よりもさらに上を行く表現として 고구마を使う。


そこから고답이という新造語(3年前くらいから)が使われている。

これは고구마 답답이を省略した言葉で、さつまいもを100個食べたみたいにもどかしい人(シチュエーションなども含む)という意味だ。


これに対し、사이다(サイダー)は飲むとスッキリことから、もどかしいことが解決してスッキリするというような意味にあたる。


ピッタリの表現だなと思うと同時に、こんなところで突拍子もなくさつまいもが出てくるのが面白い。 日常生活でも使われるので知っておくと便利だろう。

このように今回は、日本とちょっと違った韓国のさつまいもについてご紹介させて頂いた。 道端でやきいもを売っているおじさんに遭遇する季節は秋だけでなく、むしろ冬の寒い時期なので、さつまいもを楽しむのはこれからが本番である。

*この記事は、日本のコリアネット名誉記者団が書きました。彼らは、韓国に対して愛情を持って世界の人々に韓国の情報を発信しています。


km137426@korea.kr