アイスコーヒ(左)。道端に捨てられたアイスコーヒーがあまりの寒さに凍っている(右)=iclickart(上記の写真は著作権法によって保護されています。無断転載、転用、複製などの二次利用を固く禁じます。)、田村温子撮影
[仁川=田村温子(日本)]
暖かい春を迎えている韓国。ソウルの桜は今週末、満開になるという。
でも、つい最近までは꽃샘추위(コッセムチュウィ、花冷え)のせいで肌寒い日が続いていた。皆さんは
얼죽아(オルチュガ)という韓国語をご存じだろうか?
얼어
죽어도
아이스아메리카노=「凍え死んでもアイスアメリカーノ」の頭文字を取ったもので、マイナス20度近くを記録した2018年12月に登場した用語だという。
韓国では寒い冬でもアイスコーヒーを飲む人たちのことを얼죽아(オルチュガ)と言い、あるネット記事によると10人中6人がオルチュガだそうだ。#얼죽아のインスタグラムハッシュタグ件数は24万件にものぼる。(4月7日現在)
私のインスタグラムで「冬のコーヒーは?」というタイトルでフォロワーさんを対象に調査を行った。
自分のInstgramで「冬のコーヒは?」というタイトルで行ったアンケート調査の結果=田村温子Instgram
僅かな差ではあったがオルチュガが多く、内訳は21人中アイスコーヒーが11人、ホットコーヒーは10人であった。回答者は韓国人16名、日本人5名だったが、日本人の5名中4名がホットコーヒーを選択している。
「夏は暑いからアイスコーヒー、冬は寒いからホットコーヒー」という常識に反する結果ではあるが、思ったよりも皆がオルチュガではないことが分かった。
また、割合を見ると日本人より韓国人にオルチュガが多いことが分かる。実際、私の韓国人の夫もオルチュガで、冬でもホットコーヒーを注文しているところを見たことがない。年中アイスコーヒーを飲んでいる。熱さでコーヒーの味を楽しむことができないからだという。
個人的には寒い冬には温かいドリンクを注文するのが常識というような感覚もあるし、冷え性なので寒い冬にはこれ以上体を冷やしたくないという思いから、ホットドリンクを注文する。
ちなみにオルチュガの他に얼죽코(オルチュッコ)-얼어 죽어도 코트=「凍え死んでもコート(を着る人)」という用語もある。意味はいくら寒くてもオシャレのためならダウンジャケットではなくコートを着る人のことだ。オルチュガよりも先に誕生した用語だ。
最近、韓国人の友人にサーティワンアイスクリームのオンラインギフトカードを贈り、「もし寒かったらクーポンは期間延長できるから、暖かくなってから食べても大丈夫だよ」とメッセージを送ると、「추울 때 먹어야 제맛이지!(寒い時に食べてこそでしょ!)」と返事が返ってきた。
個人的にもなぜかアイスクリームだけは特別で、冬でも食べたいと思うし、季節関係なく食べる。 特にオンドルの効いた暖かい部屋の中で冷たいアイスを食べるのは格別だ。
日本でも「冬アイス」が浸透しており、調査によると98%以上の人たちが冬でもアイスを食べたいという結果が出ている。[
参考記事:https://getnavi.jp/cuisine/85188/ ]アイスクリームに関しては両国似たような感覚のようだ。
冬になると登場する期間限定のメニュー=ソルビンInstgram、Dal.Kommコーヒ
韓国では冬になると、かき氷専門店やカフェなどで期間限定のメニューが出てくる。特に、苺メニューが多く、冬の名物メニューと言っても過言ではないが、苺のドリンクはホットよりもアイスの方が断然多い。
特に、韓国では昨年1月、冬の真っただ中でもコンビニの氷カップ、アイスクリームの売り上げがより伸びたという。
普段冬はホットドリンクを好む私だが、友達とカフェに行った際、悩みに悩んで苺のアイスドリンクを注文した。外は寒くてもカフェの中は暖かいし、寒くてもおいしものを諦められないという意思からだ。
寒くても冷たいものを好む人たちは、飲み物やアイスクリームなど暖を取るためのツールではなく、味を楽しむための娯楽・デザート感覚で楽しんでいるのだと思う。
一方で冬に冷たいものを摂取することに対し、医学的に見て健康に良くないという記事も出ているので、程々にしなければならない。
*この記事は、日本のコリアネット名誉記者団が書きました。彼らは、韓国に対して愛情を持って世界の人々に韓国の情報を発信しています。
km137426@korea.kr