名誉記者団

2022.06.24

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「赤い袖先」のワンシーン=MBCホームページ

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「赤い袖先」のワンシーン=MBCホームページ

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「新米史官ク・ヘリョン」のワンシーン=MBCホームページ


[大阪=中永裕紀子(日本)]


韓国の時代劇や韓国料理店でよく見かける「韓紙(ハンジ)」。韓国の伝統工芸の一つで、窓や壁、伝統などに使われていました。

「韓紙」は、7世紀頃までに中国から製紙技術を伝わり、韓半島で発展をとげ、コウゾ(楮)を原料に韓国独特の技法で作られた伝統の手漉き紙です。

全州大学韓紙文化産業学科教授のイ・ユラ氏は、雑誌「スッカラ」(2007年11月号)で韓紙について、全羅北道の全州から韓国の紙の歴史は始まり、韓国髄一の紙の生産地で、今でも韓紙のほとんどがこの地で生産されていると言いました。

最も盛んに生産され始めたのは三国時代からで、仏教の普及と共に、お経のための紙が必要とされたためで、その後、建築用の資材として多く使われるようになりました。


韓紙の特徴は、優しい風合いに、適度な厚みがあり「絹五百年、紙千年」という言葉があるくらい、とても丈夫なことに加え、保温や防虫効果があり、そんな特性からオンドルの床、韓屋の壁や扉などインテリアにも紙が使われています。

そして韓紙は、書道や韓紙工芸などの伝統芸術作品・工芸作品、様々な生活雑貨を作るときにも使われ、用途によって厚さや柄も違います。


=iclickart(上記の写真は著作権法によって保護されています。無断転載、転用、複製などの二次利用を固く禁じます)

=iclickart 上記の写真は著作権法によって保護されています。無断転載、転用、複製などの二次利用を固く禁じます。


例えば、習字に使う半紙のように薄いものや、ハングル文字が入ったもの、天然の草花が混ざったものなど、カラーやデザインがほんとにたくさん。1枚、1枚、すべて手作業で作られるので、個性があり、まったく同じ色・質感のものはありません。

昔から庶民の女性の工芸として発展した韓紙工芸には、紙を重ね合わせ漆を塗り、米びつなどを作るチホ工芸、紙縒(こより)を編んでかごのように形作るチスン工芸、そして小刀で細かな細工を施すチョンジ工芸の3つの手法が有名で、それ以外にも、仏像を作るチブル工芸や、紙に油を含ませるチジャン工芸などもあります。

韓紙工芸の中には不要になった本などの紙を再利用するものもあり、ものを大切にする昔の人の精神が伝わります。

そんな自然な風合いに手作りのぬくもりが感じられる韓紙を使った、お洒落でインテリア性も高く、エコで自然素材の魅力に溢れる韓紙工芸。

大阪コリアタウンで開催された「JEJUマルシェ2022inコリアタウン」のイベントのひとつ「伝統韓紙工芸づくりワークショップ」に参加し、体験してきました。

《JEJUマルシェ 韓紙工芸「ランプシェード」づくり》

=中永裕紀子撮影


① キットを使ってランプシェードを作ります。
② 韓紙を型紙に合わせて、24枚に切ります。
③ 枠を作ります。
④ 枠に韓紙を貼ります。
⑤ 電球をセットします。


=中永裕紀子撮影


約1時間半ほどで完成しました。今回、作ったランプシェードは、済州島の伝統的な「水壺(ムルホボッ)」の形をイメージしています。

済州観光公社の大阪広報事務所所長を務める大山美代氏は、水壺について「村に井戸がなかった時代、隣の村まで水を汲みに行くときに、背中にのせて運んだもので、済州島の昔の生活に欠かせないものでした」と説明しました。

済州島の昔の暮らしを想像しながらランプを作っていると、済州島に行きたくなりました。韓紙を通してみるランプの優しい光が癒しになりました。是非、韓国に行かれた時は、韓紙や韓紙工芸を楽しんでみてください。


*この記事は、日本のコリアネット名誉記者団が書きました。彼らは、韓国に対して愛情を持って世界の人々に韓国の情報を発信しています。

eykim86@korea.kr