名誉記者団

2022.06.28

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大容量で低価格のドリンクが飲める韓国カフェ「COMPOSE COFFEE」(コンポーズコーヒー)と「theVenti」(ザ・ベンティ)=田村温子撮影

大容量で低価格のドリンクが飲める韓国カフェ「COMPOSE COFFEE」(コンポーズコーヒー)と「theVenti」(ザ・ベンティ)=田村温子撮影


[仁川=田村温子(日本)]

最近韓国では凄まじい勢いで『大容量低価格コスパ重視』のカフェが次々とオープンしている。

백다방(ペクタバン)を筆頭に、MEGACOFFEE(メガコーヒー)、theVenti(ザベンティ)、COMPOSE COFFEE(コンポーズコーヒー)など、どれも人気チェーン店である。

基本のアメリカーノがベンティサイズで1500ウォン(約150円)前後である。

驚くことに個人経営カフェだったところでさえもこの手のカフェに変わり、新しいテナントにもまたこの系統のカフェが入り…とここ1年程で瞬く間に店舗が増えた。

コンポーズカフェだけでも、私の住む街(徒歩圏内)に9店舗もでき、需要と人気を肌で感じている。ある駅を例に出すと、駅から徒歩5~6分のところに、駅を中心として東西南北に4店舗あるという状況だ。

歩いていてすれ違う人たちが手に持っているドリンクを見ると、この手の店舗で購入したと思われるビックサイズのプラスチックカップを持っている事が多い。店内でも飲食できるが、テイクアウトをする人が多いようだ。

COMPOSE COFFEEのアメリカーノとイチゴスムージー(左)、theVentiのコーヒー=イ・ギョンミ撮影、theVenti公式フェイスブック

COMPOSE COFFEEのアメリカーノとイチゴスムージー(左)、theVentiのコーヒー=イ・ギョンミ撮影、theVenti公式フェイスブック


メニューの種類も多いし、季節の新メニューも出るので飽きずに楽しむことができる。

有名大手コーヒーチェーン店スターバックスなどは、新商品や季節のプロモーション、限定グッズの人気が根強くファン層も多い。ブランド力と話題性があり人気は安定している。

筆者も新商品が出ると気になって飲んでみたりもしたが、最近は以前に比べると行く回数が減った。というのもアメリカーノが基本のトールサイズで4500ウォン、コンポーズの3倍である。サイズも小さく感じるのだが、これは『大容量低価格コスパ重視』カフェの基本サイズがベンティサイズで浸透してきたせいであろう。

また、スターバックスは人気であるがゆえにいつも人が多く、狭い空間に多くの人が間隔なしに座っているイメージが強かった。コロナ中はソーシャルディスタンスで席の間隔を広く取っていたものの、定着したイメージによりコロナになってから足が遠のいたのは事実だ。

コンセプトカフェが少し前に流行していたとしたら、今は大規模カフェがアツい。

『大容量低価格コスパ重視』とは逆で価格はそこそこするが、広々とした開放感ある空間を楽しめるカフェである。

テラス席や広い庭があって外の景色や自然を楽しめるカフェ、建物の真ん中が吹き抜けになっている大型カフェ、まるで植物園のように木や川、橋、噴水まであるカフェなどスケールの大きさに驚く。

昔の病院や工場、2,3階建ての多住宅を改装したカフェなんかも珍しくない。

(上)多住宅をカフェに改装。2階は屋外席、地下まである。(下)旧病院をカフェに改装。奥にも離れの建物が1つあり、2階まで全てがカフェになっている。庭には屋外席までありかなり広い=田村温子撮影

(上)多住宅をカフェに改装。2階は屋外席、地下まである。(下)旧病院をカフェに改装。奥にも離れの建物が1つあり、2階まで全てがカフェになっている。庭には屋外席までありかなり広い=田村温子撮影


インスタ映えもするから人気なのはもちろんのこと、ベーカリーが充実しているところも多い。

昔工場だった建物をリノベーションした大規模カフェではK-POPアイドルのミュージックビデオ、コンサート動画撮影が行われたりもした。

主にソウル市内ではなく郊外である京畿道や仁川に多い。車に乗ってドライブがてら行くようなところにあるので、観光客には少しハードルが高いかもしれない。

コロナで規制があった時期が長く、旅行にも自由に行けなかったせいか、なおさら開放感を求め非現実を感じれるような空間が必要だったし、プチ旅行がてらこのようなカフェを選んで行っていた人も多いだろう。とにかく規模が大きくて空間が広いのが特徴だ。

天井が高く開放感ある空間=田村温子撮影

天井が高く開放感ある空間=田村温子撮影


コロナを経験してから狭い空間に多くの人が集まる場所は避けてきた人が多いだろう。現在でも隣テーブルとの間隔が近かったり人口密度の高いところはゆっくりしたくても落ち着かない。多少価格が高くても空間に余裕があるところでゆったりした時間を過ごしたいと思うようになった。空間と安全に価値を見出しているのだ。

以上から最近の韓国は ①大容量低価格コスパ重視②広くて開放感ある空間重視の「人気カフェの二極化」が進んでいるようだ。

コーヒーを飲むことが目的なのか、または広々とした空間でゆったりとした時間を過ごすのが目的なのかでカフェをうまく使い分けている。

この中間に位置する個人経営のカフェなどは、しっかりとしたコンセプトであったり、目新しい商品やメニューを考えたりするなど他のカフェにはないもの、差別化をしないと生き残るのが難しいのではなかろうか。

*この記事は、日本のコリアネット名誉記者団が書きました。彼らは、韓国に対して愛情を持って世界の人々に韓国の情報を発信しています。

km137426@korea.kr