名誉記者団

2022.10.26

他の言語で読む
  • 한국어
  • English
  • 日本語
  • 中文
  • العربية
  • Español
  • Français
  • Deutsch
  • Pусский
  • Tiếng Việt
  • Indonesian


[東京=吉岡香織(日本)]
[写真·動画=吉岡香織]

まだ、夢から覚めることが出来ずにいます。10月15日に2030年の「釜山国際博覧会(万博)」誘致を祈願して、広報大使を務めるBTSによって行われた、一夜限りのコンサート「Yet To Come in BUSAN」に行ってきました。

ファンクラブの抽選に応募し、恐る恐る結果を見たところ、なんと「当選」の文字が!行く以外の選択肢はありませんでした。前日に韓国入り。高速鉄道KTX釜山駅に到着すると、BTSの大パネルがあり、あちこちパープルに彩られている!ドキドキ胸が高鳴ってきました。


● コンサート会場「釜山アジアド主競技場」の様子

私は、BTSを含め韓国アーティストのコンサートは初めて。朝9時からチケット交換のための整列開始&スポンサーブースオープンということでしたが、街や会場の混雑が予測できず早めに行動したところ、スムーズに7時過ぎに到着しました。
v 韓国らしく、会場最寄り駅のあちこちにファンによるBTS広告が!それらを見るだけでも価値があると言えるほど、とても見応えがありました。

(左)「Yet To Come」ロゴをあしらった手作りワンピースを着てきたARMY、(右上)世界中のARMYからいただいたプレゼント、(右下)アメリカのARMY母娘からいただいたブレスレット

(左)「Yet To Come」ロゴをあしらった手作りワンピースを着てきたARMY、(右上)世界中のARMYからいただいたプレゼント、(右下)アメリカのARMY母娘からいただいたブレスレット


競技場の壁一周に貼りめぐらされたメンバーの顔写真の大きなバナー、記念撮影用のフォトパネルなど、見るもの全てが今夜のコンサートへの期待感を膨らませます。お散歩やマラソンをしているご近所の方に紛れ、何かしら紫色を身に付けたアーミー(ARMY、BTSファン)が皆同じ方向に歩いて行く。ついていくと、すでに200〜300人の方が並んでいたので、早速列に加わりました。

ARMYたちは、「誰を推しているの?」と話しかけてきては、自作のプレゼントをくれました。初参加でファン文化を知らずに何も持参せず、いただくばかりで申し訳なかったですが、交流できてうれしかったです。「Yet To Come」ロゴをあしらった手作りのワンピースを着たり、プラカードを作ってきたり、国籍も年齢も性別もさまざまな世界各地から駆けつけたARMY。本当に多様性に溢れていました。ボランティアでゴミ袋を配布する立派なARMYもいました。11時頃やっとチケット交換場所に向かって列が動き出した時には喜びの声や拍手が巻き起こり、リハーサルの音漏れにも歓声が上がりました。

(左上から時計周りに)午後1時半頃、チケット交換場所の補助競技場に入るため、まだ長蛇の列が続き、列も崩れてどう並んだら良いか把握が出来ない人がいた。2030年釜山万博誘致の広報ブース。Hyundai自動車ブースでいただいたエコバックとオフィシャルグッズのTシャツ。配布されていた『ダイナミック釜山』

(左上から時計周りに)午後1時半頃、チケット交換場所の補助競技場に入るため、まだ長蛇の列が続き、列も崩れてどう並んだら良いか把握が出来ない人がいた。2030年釜山万博誘致の広報ブース。Hyundai自動車ブースでいただいたエコバックとオフィシャルグッズのTシャツ。配布されていた『ダイナミック釜山』


チケット交換の列は数百メートルにもなり、それでも並びきれずに折り返しになるほどでした。スポンサーブースに行くと、KOREA.netでも紹介されていた『ダイナミック釜山 BTS公演特別版』が万博誘致広報ブースで配布され、ロッテ免税店、キシリトール、Weverse、SKテレコム、BTS×クッキーラン:キングダムなど、たくさんのブースがありました。2時半には入場待機のために集合しなければならないので1ブースしか見れませんでしたが、Hyundai 自動車ブースで、CMの撮影でメンバーが身につけたサッカーユニフォームの展示を観て、「7」と書かれたエコバックをもらいました。どのブースも景品が豪華。コンサート観客以外も駆けつけ大賑わいでした。

入場待機の集合時間にも早めに行こうとしたのですが、チケット交換の入口も、飲食ブースの入口も全てが1カ所で、そこを5万人が出入りしようとするため大・大・大混雑。私はなんとかくぐり抜けましたが、事前予約した飲食を受け取りに行けなかったり、開演に間に合わなかった方もいたようです。

また、チケットは手にはいらなかったけれど、音漏れを聞くだけでもいいから生のコンサートを体感したいと、韓国内外から多くのARMYがスタジアムの周囲に集まっていました。

BTS

BTS


● BTSと同じ空間にいる奇跡&「釜山」誘致への心強いサポーター


午後4時半頃、スタジアム入場のために並んだ私の列もやっと動き出しました!スタジアムに入って行くと、「Yet To Come」のPVでも登場する、過去のさまざまなPVへのオマージュともいえる、20219と書かれたコンテナ、列車、黄色いバス、メリーゴーラウンド、翼の生えた大きな像、そして赤いピアノなどがステージを飾っている!スクリーンにはPVが流れ続け、開演直前の「Yet To Come」のARMY大合唱で雰囲気は盛り上がり、胸の高鳴りはドキドキからバクバクに!

そして、6時。チクタクという時計の音とともに、スクリーンにはアルバム「Proof」のロゴトレーラーのような歴代のアルバムの日付が表示され、花火大会とみまがうほどの花火が打ち上げられ、ドラムの音が響くと、ついに待ちに待った瞬間、BTSの7人が登場!私は幸運にもステージ前の中央側スタンディング席だったのですが、当然ぎゅうぎゅう詰めで、ARMYたちはもはや歓声どころではなく絶叫です。


J-HOPEの「MAKE SO NOISE」の声とともにはじまったのは、YouTubeで12億回再生の名曲「MIC Drop」!このオープニング、強烈、魅力的すぎて心臓が破裂しそうです。歴史に残るオープニングではないでしょうか。続く「Run BTS」もアゲアゲの新曲で、リーダーRMが前日に「フェス」のような感じにと投稿していた理由がよくわかりました。ボーカルラインのバラードもうっとりしますが、ラップラインの際立つ曲も多く、全体的にアップテンポ中心で、なんと生バンド編成。カッコ良すぎるこのライブが一夜限りだとは勿体無い!

ステージを飾る、歴代PVに登場したアイテムへのオマージュ

ステージを飾る、歴代PVに登場したアイテムへのオマージュ


実は「RUN」と「IDOL」ではARMYの近くへ行こうとステージから降りてくる予定でしたが、開演後もまだ観客の入場が終わらないことなどから、安全に配慮し断念したそう。ARMYを喜ばせたいと一生懸命考え、練習し準備したパフォーマンスを披露できなかったことはアーティスト自身が一番残念なのに、公演中にも終演直後の動画配信でも、ごめんなさいと優しく慰めてくれたBTS。ステージ上では世界トップスターの貫禄と余裕すら感じさせながらも、普段着のまま飾らない人間らしさと優しさを忘れない。世界が彼らの虜になっていく理由を改めて実感しました。

トークでは冒頭からRMが「釜山、소리 질러(叫べ)」と叫び、「2030年釜山万博の誘致を祈願する意味深い公演を皆さんとご一緒させていただけて光栄です」と述べました。釜山が故郷のJUNGKOOKとJIMINは「プサ〜ン」と叫びながらワクワクすると語り、釜山での公演なのにこの曲を外せないと、パープルに染まった釜山の街を描いたグラフィックを背景に「MA CITY」を熱唱。「イルサン」という歌詞は「プサン」に、他の曲でも歌詞を釜山アレンジ。J-HOPEは「このアジアド競技場で、ライブプレイで、オンラインで、数多くの方が楽しんでくれた分だけこの公演が釜山を知らせ(広め)誘致に少しでも助けになったら嬉しいです」と語り、釜山を印象づける心強い万博誘致応援となりました。

なんと無料で開催されたこの公演は、JIMINの誕生日を祝い、何度も花火を打ち上げ、SUGAの「釜山都市全体で防弾少年団と一緒に行うフェスティバル」の言葉通り、終始祝祭ムード満載でした。

舞台の上でARMYに語りかけるBTS

舞台の上でARMYに語りかけるBTS


●BTSの今後について心配しているARMYにもうれしい言葉が並んだ

BTSは、

「未来について話をしたかったのですが、これからは信頼が必要な時期。皆さんと私たちの一つになった信頼で未来を描いていく時期」
「公演は今日これだけじゃなくて、私たちは継続するから、皆さんも残念でも、とても残念がらないでね」
「私たちは活動中断するなんて言ってない」
「これから10年を皆さんと共にしたいです」

とARMYに語りかけました。30年、40年という話も出て、「70歳防弾少年団」「少年じゃなく防弾老年団」と笑わせ安心させてくれました。Vの「ボラへ〜」もいただき 、「Yet To Come in BUSANという公演タイトルの通り、今日一日を共にしてくれた全ての皆さん、そして防弾少年団に、最高の瞬間になったと信じて疑いません。最も輝くその瞬間を、再びまた一緒にできることを願う気持ちで今日の最後の曲をお聞かせします。ありがとうございます」という挨拶。その後、「Yet To Come」がフィナーレとなりました。数十メートル前にBTSがいて、同じ空気を吸い、彼らの生の歌声と一緒に歌い、「Spring Day」で共に涙し、踊る。夢のような一夜でした。

2日後にJINの入隊が発表され、7人での活動再開は2025年になると伝えられました。順次兵役に就くので自由な時間は少ないかもしれませんが、アーティストとして生み出すために欠かせない「吸収」をした彼らのカムバック後の輝きを増した姿と音楽を楽しみに待ちたいと思います。また、兵役問題には日本の植民地支配が深く影響しているので、これを機に歴史に感心を持ち、ただ悲しむだけでなく日韓問題のためにできることは何か、日本のARMYと一緒に考えられたらいいなと思いました。

次のコンサートを必ずや観に行き、そして釜山万博誘致が成功して2030年に再びBTSのライブがおこなわれることがあればまたコリアネットに報告を書けたらうれしいです。コンサートアーカイブ視聴と併せて、この現場レポートで少しでも当日の雰囲気をみなさんと分かち合えたら何よりです。

会場周辺の様子

会場周辺の様子


*この記事は、日本のコリアネット名誉記者団が書きました。彼らは、韓国に対して愛情を持って世界の人々に韓国の情報を発信しています。

km137426@korea.kr