【文・写真=大野瑠華】
ようやく日韓両国の入国規制が緩和され、コロナ以前と同じとは言えませんが自由に往来できるようになってきました。韓国旅行に行ってきた、もしくは近いうちに行きたい!と計画している方も多いのではないでしょうか?
私も先日、韓国に約3年ぶりに渡航してきました。日本を出国する前からドキドキで、その頃は韓国入国後の検査もあったので緊張や不安もありましたが、何事もなく友人との久しぶりの再会をしたり、ソウルを出て他の地方にも足を運んでみたり幸せな時間を過ごしました。
私が韓国旅行に行く理由の一つに現地でしか食べられないグルメもあるのですが、今回の旅行ではチキンなど日本でもよく見かける韓国料理以外に、まだ日本ではあまり店で見かけなかったり食べられなかったりするような珍しいものも食べてきたので、それをご紹介したいと思います。
一つ目は『털레기(トルレギ)』という料理です。トルレギは、もともと京畿道(キョンギド)・高陽(コヤン)市のご当地料理で、ドジョウ汁に麺やスジェビ(日本のすいとんみたいなもの)を入れて煮込んだ辛いスープのことを言うそうです。ドジョウというと抵抗がある方も多いかもしれませんが、近ではドジョウが入っていないものもトルレギと呼ぶそうです。
私の食べたトルレギにはドジョウは入っておらず、白菜や干しエビ、ホバク(韓国カボチャ)、エノキ、ネギ、青唐辛子がたくさん入ったスープにスジェビが入っていました。味は味噌ベースで、優しい味でしたが少し辛くて美味しかったです。
二つ目は『메밀막국수(メミルマッククス)』です。メミルマッククスは、日本のそばのような麺を茹でて冷水ですすいだ後、冷やしたスープやヤンニョムと混ぜて食べる料理で、江原道(カンウォンド)・春川(チュンチョン)の伝統料理です。水マッククスとビビム・マッククスがあり、冷麺と似ていますが麺がそば粉でできているという部分が異なります。
ここのお店では燻製にした卵が別に出てきて、自ら殻をめくり麺の上に載せて食べるスタイルでした。「韓国に行ったのにそば?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、江原道を訪れた際には是非お試しください。
三つ目は『초당 순두부 전골(草堂スンドゥブ鍋)』という料理です。江原道の人気観光都市である江陵(カンヌン)で有名な郷土料理のうちの一つが「草堂スンドゥブ」です。朝鮮時代に江陵湾の海水を使って豆腐を作り始めたのが始まりと言われ、400年以上に渡り味と製法が受け継がれてきました。
日本でスンドゥブというと一人用の小さな鍋に入ったチゲが一般的だと思いますが、ここでは大きな鍋で出てきます。そして単品で注文しても魚の煮つけや調理していないそのままの豆腐、カンジャンケジャン、キムチやご飯など様々なものが付いてきました。
四つ目は『ペチュジョン(白菜チヂミ)』です。チヂミは日本でもニラチヂミ、キムチチヂミ、海鮮チヂミなど色々売られていますが、白菜チヂミというのはあまり見ないのではないでしょうか?白菜一枚一枚に衣をつけて揚げ焼きしているのでゴマ油の香りも香ばしく、何枚も食べれてしまいます。
上の写真の中央にあるのはネギキムチで、それを巻いて食べるとよりおいしいです。韓国には「雨の日にはチヂミにマッコリ」という言葉があります。この日もちょうど雨が降っていたのでチヂミにマッコリもいただきました。
五つ目は『돼지갈비(テジカルビ)』と『ヨルムグクス』です。今回私が食べたのは、ただ鉄板で焼いて食べるだけの料理ではなく甘辛いたっぷりのタレに浸されているため『水カルビ』とも呼ばれているそうです。サムギョプサルなどと同様、このテジカルビも中央に乗っているもやしと一緒にサンチュなどの野菜に包んで食べます。
また、韓国ではお肉料理を食べる際に麺料理を共に楽しむことが多いですが、このお店にはヨルムグクスというものがありました。ヨルムとは大根の葉のことで、おいしいキムチになる野菜として人気です。麺はそうめんのような感じで、キムチベースの冷たいスープがさっぱりしていてテジカルビとよく合いました。
ここまで六つの料理をご紹介しましたがいかがでしたか?食べてみたくなりましたか?この他にも韓国にはおいしいものがたくさんあり、辛い物が苦手という方でもそうじゃないものもあるので現地に行って日本とはまた違った雰囲気やサービスも含め韓国料理を堪能していただけたらと思います。
*この記事は、日本のKOREA.net名誉記者団が書きました。彼らは、韓国に対して愛情を持って世界の人々に韓国の情報を発信しています。
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