【文・写真=吉岡香織】
5月24日〜26日、「KOREA.net名誉記者団 水産物 モクパン ファミリーツアー」に参加してきました。行き先は南海郡(以下、南海)。
韓国で5番目に大きな島である南海島と、昌善島を中心に有人島5、無人島73で構成され、今回は南海島と昌善島を訪問。南海は、韓国の地図の下の方、ちょうど中央あたりに位置します。工場などもなく青く澄んだ海と、そこで獲れる水産物の品質の良さで「宝の島」と言われます。
水産物と豊かな自然を満喫し、その魅力を紹介しようと、インドネシア、カザフスタン、中国、ドイツ、フランス、ベトナム、日本から7名の記者が集まりました。
・刺身と海藻丼
南海大橋や忠烈祠の近くにある「テグフェッチブ」の刺身と海鮮丼。中央上が酢コチュジャンソース。南海産の大きなニンニク醤油漬けも美味しかった。
「モクパン」ツアーということで、まずは昼食の「해초회덮밥(刺身と海藻丼)」からスタート。見た目も味もとても爽やかで、おかわりをしたいくらい美味しかったです。スズキ、ヒラメ、クジメ(アブラメ)の3種類の白身魚と、たっぷりの数種の海藻を酢コチュジャンのソースで和え、ご飯と混ぜていただきます。
プリプリとした魚、味がしっかりとある海藻。そして、それらと見事に調和しているコチュジャンソースの爽やかさとまろやかさの秘密は、酢だけでなく、南海特産のゆずを加えているからだそう。苦味が少ないため皮や種も絞った果汁を使っているとのことでした。
魚のアラを使ったスープ(メウンタン)も素晴らしかった。韓国で何度かメウンタンを食べましたが、かなりさっぱりしている印象でした。ところが今回いただいたスープはアラからたっぷりと出汁がとれていて本当に味わいが深かったです。
おかずにウドをさっと茹でたものがありました。酢味噌和え以外の食べ方は初めてでしたがこれも美味しく、海の幸だけでなく山の幸も南海の「宝」なのだと感じました。
・ミョルチの原始漁業「竹防簾」とミョルチサンパプ
竹防簾を観覧台から眺める。気候変動の影響七日台風の威力が強くなっており、竹では耐えられない場合もあるという。ミョルチと同じ銀光色に輝いた空。
竹防簾(チュッパンニョム)とは、海に杭を打ち込んで竹で囲い、速い流速を利用してミョルチ(カタクチイワシ)を捕獲する昔ながらの方法だそうです。自然そのものの鮮度が保たれ、最高級品と言われているのだとか。南海島と昌善島の間の只族海峡には広報館などのある南海竹防簾観光団地と、竹防簾を間近に見れる海上観覧台があり、竹防簾自律管理共同体委員長のパク・デギュさんに解説していただきながら見学しました。
カタクチイワシが、大きさによって8種類にも区別されることに驚きましたが、最も驚いたのはその美味しさ。パクさんが作ったという煮干しは、日本で食べるものとはまるで別物でした。日本の煮干しはパサパサして苦味があるイメージなのですが、南海産は最高級品の名に相応しく、しっとりと柔らかく苦味もない。一度口にすると、やめられない止まらない、ついつい手が伸びてしまいます。
竹防簾から近い「ウンソンコマッ」はミョルチサンパプとコマッ(灰貝)の専門店なんだそう。左上がミョルチを煮込んだ鍋で中央が刺身和え。右にあるサンチュや海藻で包んで食べる。石焼ご飯のヌルンジ(おこげ)もいただいた。
夕食は「멸치쌈밥(ミョルチサンパプ)」。ミョルチの煮込みをサンチュなどで包んでいただきます。パクさんが、ミョルチを煮汁につけて食べると美味しいと言っていたのですが、ミョルチの旨みが煮汁に出ていて、ミョルチサンパプの素晴らしさを正しく味わえたので、食べ方を教えていただけてありがたかったです。ミョルチ刺身和えもあり同じく包んで食べたのですが、野菜の代わりに海藻もあり、それで包んで食べるのが水産物同士だからか美味しさが増幅する感じがしました。
茹で豚はどのようにして食べるのかと思いましたが、こちらも一緒に包んで食べると、魚と肉なのに味が喧嘩していなくて不思議と美味しかったです。ミョルチサンパブがこの地域のご当地グルメなのも納得できました。
美味しい楽しい南海の旅の続きをまた報告したいと思います。
*この記事は、日本のKOREA.net名誉記者団が書きました。彼らは、韓国に対して愛情を持って世界の人々に韓国の情報を発信しています。
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