名誉記者団

2023.07.24

他の言語で読む
  • 한국어
  • English
  • 日本語
  • 中文
  • العربية
  • Español
  • Français
  • Deutsch
  • Pусский
  • Tiếng Việt
  • Indonesian
[文・動画=田尾秀子]


2002年から私は韓国に興味を持ち、韓国語を習い始めたときに、先生がチョングッチャンという食べ物を教えてくださいました。凄く美味しいけれど、何とも言えない独特な匂いがするのだとか。その頃はまだ韓国料理といえばキムチやチヂミくらいしか知らなかったので、どんなものなのかとても気になりました。



チョングッチャン

チョングッチャン=iclickart(上記の写真は著作権法によって保護されています。無断転載、転用、複製などの二次利用を固く禁じます。)


第一次韓流ブーム(2003年~2004年)から、今や第四次韓流ブームまで来たと言われています。その流れとともに、ドラマや映画のみならず、KーPOP、ファッション、美容、健康法、食べ物など様々なことに人々の注目を集めています。その中で私が一番興味あることは、韓国料理です。 渡韓した際に初めてチョングッチャンを食べて、いろんな意味で感動し、好きになった料理です。私にとっては忘れられない思い出の一品になりました。


第一次韓流ブームの頃には、韓国食品や食材はコリアンタウンやネットショップで殆どの物が揃いますが、近所のスーパーマーケットではほんの数種類のキムチと、一種類のインスタントラーメンくらいしか売られていませんでした。ところが第四次韓流ブームともなると、コロナ禍で渡韓出来なかったことや、韓国の食品会社の日本進出により、自宅で簡単に韓国料理が食べられるようになりました。温めるだけで食べられるものや、食材と合わせるだけで、それらしい味付けになる薬念(ヤンニョム、合わせ調味料)までみかけるようにもなりました。とは言っても、簡単に食べられる韓国料理のすべてが揃うわけではなく、無いものは材料を揃えて一から作るしかありません。私が好きなチョングッチャンもその一つです。まだ食べたことがない方のためにどんな食べ物なのかご紹介したいと思います。



■ チョングッチャンとは?


大豆を発酵させて作った味噌のひとつ。大豆が発酵すると糸を引き、独特な匂いがする。日本の納豆と似ている。ただし、チョングッチャンは枯草菌、納豆は納豆菌により熟成発酵させている。チョングッチャンは本来、味噌のことを言いますが、一般的にはチョングッチャンのチゲをただ、チョングッチャンと言ったりします。



チョングッチャン

チョングッチャン=iclickart(上記の写真は著作権法によって保護されています。無断転載、転用、複製などの二次利用を固く禁じます。)




韓国料理を食べるのはもちろん、作るのも好きな私は材料を揃えて、チョングッチャンを一から作ってみました。


とはいえ、枯草菌が付いた藁など入手が困難なので、私はSNSで見つけたサイトから取り寄せました。皆さんも「チョングッチャン」、「手作り」、「キット」などのキーワードで色々と検索してみてください。


キットの内容です。(田尾秀子撮影)


■ チョングッチャン(청국장 )を作る工程

乾燥したものを通常の状態に戻して茹でた大豆と、藁と温度計を袋に入れ、温度計だけを出した状態で保存用の箱に入れます。

発酵には3日間一定の温度(40℃前後)を保たなければならないので、温度が下がらない様にするため、私は箱を電気毛布で包んだりするなどの工夫しました。

常に温度に注意しながら、3日間経過して大豆が糸を引いたら完成です。


このように大豆が糸を引くようになれば完成!(写真撮影=田尾秀子)

このように大豆が糸を引くようになれば完成!(田尾秀子撮影)



■ 作ったチョングッチャンでチゲを作ってみました。


1。豚肉と刻みニンニク、キムチ(よく発酵したもの)を油で炒める。

2。1の炒めたところにだし汁(いりこ、昆布)を加えて煮立てる。

3。煮立ったらチョングッチャン、野菜(玉ねぎ、青ねぎ、韓国かぼちゃ又はズッキーニなど)、豆腐を加えてさらに煮込む。


4。味見をして、好みに応じて塩や粉唐辛子、韓国味噌加え、味が馴染んだら完成。
私はチョングッチャンだけの風味を味わいたかったので、味噌は入れませんでした。 日本の味噌とは違って、煮込むほど風味が増し、美味しくなります。





■ チョングッチャンの効果効能

消化促進、整腸作用、デトックス効果、美肌効果、免疫力UP効果、成人病予防、、糖尿病予防、脳卒中予防、貧血予防など。 このように様々な良い効果が期待できるのであれば、週に1~2度くらいは献立に取り入れたいものだ。まだ食べたことがない方に、是非勧お勧めしたい韓国料理の中の一つです。



■ チョングッチャンを作った感想

チョングッチャン作りを成功させるためには、温度管理が大変重要なポイントなので、しばしば温度確認をしては保温材を温め直すということを繰り返すうちに、生まれたての卵を雛にかえしているようなそんな、子供を育てているような、そんな気分になりました。簡単に何でも食べられる世の中になりましたが、その陰には人々の様々な苦労や、努力があることを忘れてはならないということを改めて思いました。また、最近では共働きの家庭の助けとなるような、お料理だけを作ってもらえる便利な職業も増えてきていますが、その家庭独自の「母の味」も大切に守っていくことも大切ではないかと思います。このチョングッチャン作りを通じて、食べ物は生きていくうえで、本当に大事な切り離せないものであること切実に感じました。


*この記事は、日本のKOREA.net名誉記者団が書きました。彼らは、韓国に対して愛情を持って世界の人々に韓国の情報を発信しています。


hjkoh@korea.net