名誉記者団

2023.08.02

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【文=島田美奈】

韓国ソウル駅は、地下鉄、韓国高速鉄道KTX、空港鉄道が通っており、陸の玄関口とし て多くの方が利用する駅です。このソウル駅建物の隣にある、旧ソウル駅を復元した 文化駅ソウル284の裏側には、芸術作品を楽しめる『DOCKING SEOUL(ドッキング ソウル)』があります。

ドッキングソウル=ソウル市提供

ドッキングソウル=ソウル市提供


ここは旧ソウル駅の駐車場までをつなぐ車両通路でしたが、20年以上使われていませんでした。この放置されていた空間を、毎年1つの都市資源を発掘し、公共美術に変える<ソウルは美術館>公共美術プロジェクトの一環で、万里洞、ソウル路7017、旧ソウル駅一帯の活性化事業として企画され、2022年10月に公共美術空間として誕生しました。



ドッキングソウル=島田美奈撮影

ドッキングソウル=島田美奈撮影


ドッキング(Docking)とは、異なる時間と空間が結合し、自分の世界を広げる瞬間を意味します。人と都市が出会う場所であるソウル駅の特性に着眼し、公共美術を通して、閉鎖されてきたこの場所と市民が再び出会い、新しい宇宙につながるという意味が込められています。



ドッキングソウル=島田美奈撮影

ドッキングソウル=島田美奈撮影


深さ20mの楕円形の空いた空間と壁面に空いた大小の穴、そしてこれを囲んでいる約200mの二重らせん構造を歩きながら、作品を見ることができます。

閉鎖されていた空間が作品となり、長い過去と新しい未来をつなぎ、宇宙に存在する多様な時空間を行き来するような体験が可能となっています。

ドッキングソウル=ソウル市提供

ドッキングソウル=ソウル市提供


天井の汚れや、はがれたペンキ、駐車場の文字など、昔からある空間をそのまま活かしつつ、作品の世界観を作っており、様々な時代が混ざった空間です。

またここには静けさもあり、都会の中にぽっかりとできた異空間に来たような感覚を味わいました。


ドッキングソウル=島田美奈撮影

ドッキングソウル=島田美奈撮影


実際に自分の足でらせん形の空間を歩いてみると、降りる時の風景と上る時の風景、 また見る角度や、歩く速度などで作品の見え方が変わり、まさに自分だけのドッキング(自分と世界を広げる瞬間)体験をすることができます。



ドッキングソウル

ドッキングソウル=島田美奈撮影


この車両通路として使われていた時代は、ソウル駅から新たな出発をする人や誰かとの待ち合わせに来た人など、様々な感情を乗せて人々が通った場所でもあります。人々の往来を見てきたこの場所が、20年の時を経て再度動き出しました。まさに時空間を行き来するという表現が、ぴったりではないでしょうか。



ドッキングソウル=島田美奈撮影

ドッキングソウル=島田美奈撮影


私は、5月中旬の17時半ごろにドッキングソウルに行ってきました。影が変化していき、真上には青い空も見ることができ、まさに一期一会の景色でした。

夜はライトアップされるため、昼とはまた違う美しい景色を見ることができます。



ドッキングソウル=島田美奈撮影

ドッキングソウル=島田美奈撮影


ドッキングソウル=ソウル市提供

ドッキングソウル=ソウル市提供


ソウルには昔からの古い街並みが残っている場所もあれば、新しい都市として生まれ変わった場所もあり、 ソウルの時代の変化が、このドッキングソウルの中に、ぎゅっと詰まっているようにも感じました。

ドッキングソウル=島田美奈撮影

ドッキングソウル=島田美奈撮影


上に上っていくと、ソウル駅屋上庭園に続いています。 ソウルタワーを見渡すことができ、 多くの人が行き交う活気のあるソウル駅とは違う、落ち着いた空間となっています。


ソウル駅の屋上公園

ソウル駅の屋上公園=島田美奈撮影


韓国の芸術作品を楽しめる場所として、誰もが立ち寄ることのできる空間です。 ソウル駅が多くの人々を迎え入れているように、ここドッキングソウルも皆さんを温かく迎え入れ、長く残り続ける場所に生まれ変わりました。 運営時間は11時から20時まで、毎週月曜日はお休みです。


*この記事は、日本のKOREA.net名誉記者団が書きました。彼らは、韓国に対して愛情を持って世界の人々に韓国の情報を発信しています。

hjkoh@korea.kr