【文・写真=板鼻晃子】
本当に暑くて長かった2023年の東京の夏…。そんな夏の終わり、9/20,10/1の2日間に渡って駒沢オリンピック公園で日韓交流おまつり2023が開催されました。
日韓交流おまつりとは、2005年の日韓国交正常化40周年を記念した「日韓友情の年」の主要事業として始められ、毎年ソウルで開催されていたイベントだそうです。日本と韓国が共に作り上げるという意味から、2009年からは毎年両国のソウルと東京にて開催されているそうで、今回はなんと4年ぶりとなるリアルイベントとして駒沢オリンピック公園にて開催。「文化交流」「市民交流」「青少年交流」「かけがえのない隣国としての身近な交流」の場と位置付けて開催されているイベントです。
私は2日目の午後から参加。もちろん今回が初めての参加となりました。会場に着いてからはまず全てのエリアを歩いてみましたが、1,2時間では到底体感し切れないほどのボリューム!食べること、買い物をすること、ゲームに参加することなど、いろいろな興味に応えてもらえそうなブースばかりで、正直どこから回ろうか迷ってしまったほどでした。
支払いに使うバウチャー
会場内では支払いにこのバウチャーを使います(ごく一部の店舗を除いて)。私はとりあえず¥2,000分を購入しましたが、もし使えずに余ってしまった場合にも、イベント終了日の20時までにブースに来ればきちんと返金してもらえるとのことで、とても安心できるシステムだと思いました。
日頃は電子マネーやクレジットカードなど、便利なシステムも多く活用していますが、こういったシステムはとてもわかりやすく、全ての人に優しい仕組みで色々な環境の人が気持ちよく楽しめて、とてもいい取り組みだと感じました。
そしてそのバウチャーをバッグにしまい、改めて会場内を歩いてみると…どのブースも人がたくさん!ゲームなどのブースでは一時休止サインが出ているところもちらほら見られ、それだけでも盛り上がり具合がわかります。
実はこの日、私はこの会場で食べることを楽しむためにランチを抜いて来ました。歩いていると余計お腹も空きます。そこでまずは何かを食べてみようと、フードのブース前を歩いてみました。
ブース
売り切れや準備中になっているところも多かった中、この時私の中でピン!ときたのはヤンニョムチキン。ここもとても長い列になっていました。
ヤンニョムチキン
チキンこそ日本のどこでも比較的手に入りやすいかと思いますが、それはローストチキンやフライドチキン、唐揚げなどのメニューがメインではないでしょうか。韓国のヤンニョムチキンとなると、日本ではまだまだ食べられる場所が限られている気がします。
私の番になり、ひとつ注文すると、カップに入ったチキンに串が刺さったスタイルで手渡されました。まさにこれこそストリートフードとしてのヤンニョムチキン!確かにこうすると手軽に食べられますね。カジュアルに楽しめるのはとても嬉しいです。
美味しかったヤンニョムチキン
ヤンニョムチキンで小腹を満たした後、古家さんのトークショーがあるということでステージの方へ向かいました。
ステージ
もう説明は不要かもしれませんが…韓国エンタメといえば古家正亨(ふるや まさゆき)さん。K-POPが何なのか、韓流エンタメとはどういうものかという歴史を紐解く中で、この人を置いて他に語れないと言っても過言ではないと思います。
そんな古家さん、実は今までもずっとこの日韓交流おまつりでMCを務めたりと、精力的に関わられていたそうです。今回はMCだけでなく古家さんの「トークショー」という30分の特別な時間があると知り、楽しみに会場の椅子に座りました。
MCの古家さん
古家さんのトークショーで30分…と思っていたものの、始まってみれば、なんとOSTクイズ!韓国のドラマのOST(オリジナルサウンドトラック)を聴いて、それが何のドラマの曲だったかを当てるというクイズです。
私は全く知らなかったのですが、くしくも今年はなんと韓国エンタメが日本に入ってきてちょうど20周年になる記念イヤーなんだそうです。今でこそ毎日のように日本でも各配信サービスでたくさん韓国のドラマや映画が絶え間なく流れていて、比較的容易に見られるようになっていますが、20年前に韓国のドラマを見るとなると…どうやってみなさん見ていたのでしょう。
「イントロ、ドン」「それではお聞きください」。毎回古家さんがバリエーション豊かなキューを出すと、日本でも親しまれた韓国ドラマの主題歌のイントロが、次々と20年近く前から時系列順に次々流れます。曲ごとに、周りの人たちはみなさん挙手をしたり、ドラマの名前を口々に言ったりしていますが、まるで私はさっぱりわかりません。実際のところ私は20年前日本に住んでいなかったこともあって、その当時日本で見られたドラマはよくわかっていないのが正直なところなのですが、曲もドラマも私はイントロクイズの答えがさっぱりわからない状況がしばらく続く状態とは反対に、周りに座っている人たちはどれが何のドラマかはっきりわかっている方ばかり!みなさんさすがだなぁと感じました。
私も最近は色々韓国のドラマを見ているし、きっとそのうち私もわかるドラマも出てくるはず!そう思いながら、時折古家さんが教えてくださる(私は今まで聞いたことのなかった)ドラマの話を次々と聞いていると、どれもそれぞれ興味深そうなものばかりで、イントロクイズこそさっぱりわからないものが続いていた中でも、とても楽しむことができました。
そんな中「コーヒープリンス1号店」の曲が流れました。これは日本に帰ってきてから友達に勧められて見てみたら、確かに面白かったドラマです。しかし、話の内容はなんとなく覚えているものの、OSTなどはまったく覚えていません。ステージ上の古家さんによると、このドラマのOSTはすべてインディーズのアーティストを起用していたのだそう。そんな情報は当時わからなかったですし、そもそもOSTについてなど考えたことがありませんでした。けれども、そういう観点から考えてみると「コーヒープリンス1号店」も、今度はOSTにもフォーカスしながらもう1度見てみたくなりました。
そしてしばらくすると、ようやくCrashのBeautifulが流れました。これは「トッケビ」の曲だと私もわかります。しかし私はまだ「トッケビ」を見ていません。見ていないのに曲がわかるのは、Crashが好きで彼の曲はよくSpotifyで聞いているからです。Crashは7月に日本でも東京と大阪でライヴをしてくれましたが、私が行った東京公演でもこの曲は歌っていましたし、生でBeautifulを聴いてみると、ドラマのOSTというだけでなく、とても多くの人に愛されている素晴らしい曲なんだと改めて感じました。
この後のイントロクイズは私もわかる作品が続きました。「ファラン」もまだ見ていませんが、強いピアノで始まる印象的なイントロはすぐにわかりましたし、「愛の不時着」や「梨泰院クラス」はNetflixで配信開始直後に見ていて、私も大きく心を揺さぶられた作品なので、わからないわけがありません。
そうして「梨泰院クラス」のGahoの曲が最後となり、ちょうど30分で終わった古家さんのコーナー。
イントロクイズに参加しながら思ったことは、私は20年近く前に放送された作品こそ見ていないものばかりですが、ここ数年配信されているドラマは見ている作品もぽつぽつあるんだなということでした。
私が加入して見ている動画配信サービスはいくつかあり、本当に毎日何かしら見ています。加入してからしばらくは見たかった英語圏の作品をメインで見ていましたが、今では半々くらいの割合で韓国の作品も多く見ているように思います。それだけ韓国の作品には私にとっても興味深く、楽しい作品が多いということでしょう。
古家さんはステージに出てきた時、最初に謙遜されて「この時間は穴埋めなんですよー」などと言われていましたが…。少なくとも私は聞いたことのなかったドラマのお話や、それらのOSTの背景のお話をたくさん聞けたのは思いがけない発見でとても楽しかったです。
私はそもそもエンタメきっかけで韓国に興味を持ちました。だから様々なメディアで発信される古家さんのお話は、いつもとても興味深く拝聴しています。
古家さん、今回も素敵な機会をくださってありがとうございます!
古家さんのステージを楽しんだ後、今度はゲームなどにも参加してみました。
韓国観光公社のブース
韓国観光公社のブースでは、列の前の方までくると、シールが渡されて「これで参加したいツアーのところに貼ってください」と言われました。
そうして前にしたボードには…どれも魅力に溢れたツアーばかりで、私は真剣に悩んでしまいました。
本当に自分で行くとしたら?誰と行くとしたらどれがいいかな?などなど。
旅行は、旅のプランを考えているだけでも楽しいものですが、こんなふうに韓国のプロの方々提案のツアーはまず間違いないはずですし、本当に参加してみたい!と思ったツアーがいくつもありました。
その後ガチャガチャを引きます。何がもらえるのかわからない中、出てきたカプセルはブルー。係の方のところに持って行くと、貯金箱かポーチ、とのことで、ここはKakaoのキャラクターのポーチを選択。思いがけずもらえたプレゼントって嬉しいですよね。
イカゲームのソン・ギフンを演じていたイ・ジョンジェさん
そういえばこの写真の方を絶対何かで見たことあるんだけど…誰だっけ?と、ずっとこのブースの前を通るたびに考えながらも、会場では思い出せませんでした。
帰宅して調べて納得。これはイ・ジョンジェさんで、イカゲームのソン・ギフンを演じていた方でした。
「イカゲーム」はもちろん私も見ています。面白さが尽きないまま駆け抜けるように終わったスリリングな作品でしたが、近々Season 2が配信されるという情報を見たこともあって、私も本当に楽しみにしています。
ちなみに海外の友達も韓国のドラマはあまり見ていないな…と言いながら「イカゲーム」だけは見ている、という人が結構多い気がします。Season 2は世界が心待ちにしていることでしょう。
お土産にいただいた韓国料理のキット
その後もゲームなどに参加して帰宅。翌日、会場でもらったものを並べてみたらこんなにありました。わずか数時間しかいなかったのに…。
こういう韓国料理のキットはまだ私の住んでいるところの近所のスーパーではなかなか手に入らないものも多いのでとてもありがたく、早速家族で美味しくいただきました。
このイベントがあった週末の東京は土日ともほぼ曇天で、今すぐにも雨が降りそうな時間もあったようですが、どうにか天気は持って、会場の人たちは傘をさすことなく食やゲーム、お買い物などを楽しめたようです。
とても楽しかったので、私も来年以降開催されることがあれば、ぜひ足を運びたいと考えています。
*この記事は、日本のKOREA.net名誉記者団が書きました。彼らは、韓国に対して愛情を持って世界の人々に韓国の情報を発信しています。
hjkoh@korea.kr