名誉記者団

2025.09.18

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[文=加藤清]

食品医薬品安全庁、健康食文化の未来を示す

2025年9月11日、ソウル・広津区の世宗大学校大洋AIセンターにおいて、「2025年 ナトリウム・糖を減らした サムサムハン料理コンテスト」が盛大に開かれた。本大会は、食品医薬品安全庁が主催し、国民の健康促進と食生活改善を目的に毎年行われているもので、今年で第17回を迎える。

午前10時の開幕と同時に、会場は多彩な香りと熱気に包まれた。学生から専門家、栄養士、ボランティア団体まで、幅広い参加者が工夫を凝らした低ナトリウム・低糖料理を披露し、観客や審査員たちの注目を集めた。


料理コンテスト審査員の挨拶=加藤清

料理コンテスト審査員の挨拶=加藤清


サムサムハン料理とは

「サムサムハン料理」とは、「삼삼하다(あっさりしている/薄味で上品な)」という韓国語表現から名づけられた概念である。塩分や糖分を控えめにしながらも、食材そのものの旨味や香りを最大限に生かすことを目指す料理スタイルだ。韓国社会においては、高血圧や糖尿病など生活習慣病の増加に対応するため、国を挙げた健康食推進運動の一環として広まりつつある。

食品医薬品安全庁の関係者は開会挨拶で、「ナトリウムと糖を減らすことは、国民の健康寿命を延ばす最も直接的な方法です。今日の大会が新しい食文化の方向性を示す契機になればと願います」と語った。

多彩なプログラム

大会は大きく4つのプログラムで構成された。

第1部は「料理コンテスト」。参加者たちは伝統料理からフュージョン料理まで、低ナトリウム・低糖仕様にアレンジした自信作を披露。塩の代わりに発酵調味料や香草を活用したスープ、砂糖の代わりに果実や天然甘味料を使ったデザートなど、創意工夫あふれる料理が並んだ。

第2部は「スペシャルクラス公演」。管理栄養士やシェフによる健康食レクチャーが行われ、来場者に実践的なヒントが伝えられた。特に若い世代を対象に「ファストフードの塩分量を見極める方法」や「手軽にできる減塩・減糖レシピ」が紹介され、参加者の関心を集めた。

第3部は「フードトーク」。このプログラムには特別ゲストとして大統領夫人が参加し、会場を大いに沸かせた。大統領夫人は「健康を重視した韓国料理が、世界の食卓から注目を集め、韓国の新しい食文化として広がっていくことを願っています」と挨拶。さらに、参加者たちの努力を讃え、最優秀賞の受賞者を自ら表彰し、会場から大きな拍手が送られた。

コンテスト出品料理=加藤清

コンテスト出品料理=加藤清


審査員の試食風景=加藤清

審査員の試食風景=加藤清


最後の第4部では「チャプチェパスタの試食」が行われ、来場者は工夫を凝らしたメニューを実際に味わった。

チャプチェパスタ=加藤清

チャプチェパスタ=加藤清


審査員と参加者の声

本大会には、料理や栄養の専門家に加え、ボランティア団体「나란히」(ナランヒの代表・栄養士、そして大学生やkorea.net名誉記者団が審査員として参加した。自分もその一人として、数々の料理を試食しながら採点に加わった。

ボランティア団体「나란히」のユ・ビョンフン代表は「減塩・減糖という制約の中で、ここまで豊かな味を表現できるとは驚きです。今後、地域活動でもぜひ広めていきたい」とコメント。

試食を終えた審査員の一人は、「塩分を控えているのに味がしっかりしていて食べやすい。自宅でも取り入れたい」と笑顔を見せ、「サムサムハン料理」の可能性を感じさせた。

特別ゲストとして参加した大統領夫人と記念撮影 写真提供:보건뉴스(保健ニュース)

特別ゲストとして参加した大統領夫人と記念撮影=보건뉴스(保健ニュース)


最優秀賞受賞者の料理説明


優勝したキョンソン大学食品栄養学科の学生の料理を説明する様子=加藤清

優勝したキョンソン大学食品栄養学科の学生の料理を説明する様子=加藤清


優勝作品の「콩콩뇨끼」(コンニョッキ)=加藤清

優勝作品の「콩콩뇨끼」(コンニョッキ)=加藤清


釜山から来たキョンソン大学食品栄養学科3年生2人による「퓨전방팡팀(フュージョンごはんバンティーム)」が独創的な健康志向メニューを発表した。目玉は、食パンの代わりにズッキーニを用いた「エホバク(かぼちゃ)」。糖質を抑えつつカリウムを多く含み、ナトリウム排出を助ける栄養価の高さが特徴だ。また「콩콩뇨끼」(コンニョッキ)は、韓国の콩국수(コンククス)とイタリアのニョッキを融合させた新感覚料理。豆乳とジャガイモを活かし、夏にぴったりの冷製一皿として注目を集めた。健康と味を両立させた挑戦的な試みとして、多くの参加者の関心を引いた。

今後の展望

食品医薬品安全庁は、今回の大会を契機にサムサムハン料理の普及をさらに拡大していく考えを示している。特に学校給食や公共機関の食堂において減塩・減糖メニューを導入し、国民の健康意識を日常生活の中で高めていく方針だ。

また、K-フードの世界的な人気にあわせて、健康志向のサムサムハン料理を海外へ広める取り組みも視野に入っている。韓国料理の魅力を保ちながら健康的に楽しめる新しいスタイルとして、グローバル市場での発展が期待される。

「美味しさ」と「健康」は時に相反するものと考えられてきた。しかし今回の競演大会は、その二つが両立し得ることを示す象徴的な場となった。

料理を通じて国民の健康を守り、未来へとつながる食文化を創造する―その挑戦は始まったばかりである。

キムヘーギョン大統領夫人と記念撮影する優勝チーム=加藤清

キムヘーギョン大統領夫人と記念撮影する優勝チーム=加藤清


特に、大統領夫人が直々に参加し、健康食の未来にエールを送り、最優秀賞を表彰したことは、この大会の象徴的な瞬間となった。2025年、ソウルで開催された「サムサムハン料理」大会は、まさにその新しい一歩を力強く印した。

*この記事は、日本のKOREA.net名誉記者団が書きました。彼らは、韓国に対して愛情を持って世界の人々に韓国の情報を発信しています。


hjkoh@korea.kr