オピニオン

2024.07.15

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フィリップ・ベルトゥ(Philippe Bertoux)
駐韓フランス大使

フランスと韓国が安定的な関係が構築された中で、新しい転換期を迎えた。両国の大統領は昨年6月20日と11月24日にパリで開かれた首脳会談で、韓半島の安保情勢、ロシアと北朝鮮が協力を強化することがウクライナ戦争および韓国の安保に及ぼす影響などのイシューについて意見を交換した。これらは、1月1日から国連安全保障理事会の非常任理事国として韓国の任期が始まって以来、国連安保理内で協力し、取り組んでいる部分でもある。

両国の経済・産業における協力も重要だ。昨年、フランスと韓国の貿易は160億ユーロを達成し、新記録を立てた。フランスは政治、軍事、文化における世界強国だ。交通、脱炭素、人工知能、バイオ、クォンタム、サイバーセキュリティ、宇宙など、すべての革新分野で頭角を現している。フランスと韓国が協力できる分野と投資の潜在力は無限なのだ。

グローバルイシューに対しても、マクロン大統領と尹大統領は、積極的な取り組みを見せている。フランスは地球温暖化、脱炭素、山林保護の分野における協力を提案し、韓国の「無炭素エネルギーイニシアチブ」にも大きな関心を示している。一方、両国のインド・太平洋戦略は、有望な共同事業に向けて必要な共通点も多い。

文化の分野においては、昨年「韓国・フランス映画アカデミー」の設立を皮切りに、今年は「釜山(プサン)アーティスト・レジデンシー」、来年は「ポンピドゥセンター・ハンファ・ソウル」を開館するなど、両国の協力事業が活発に行われている。韓国の音楽やドラマ、文化に魅力を感じ、学業や就職のために韓国を訪れるフランスの若者が増えている。人的交流の増進が非常に大事だ。同じく、毎年2300人の韓国人がフランスに留学し、韓国とフランスのアルムナイ・ネットワークを強めている。

韓国・フランスは、2026年に国交正常化140周年を迎える。140周年を記念するイベントを控え、安保・経済・気候・保健など、21世紀に直面しているイシューの解決に向けて、駐韓フランス大使として両国の協力強化に努めていきたい。パリをはじめとするフランス本土と海外領土で開かれる2024年パリ五輪・パラリンピックを楽しみにしてほしい。韓国とフランスが、たくさんのメダルを獲得できればと思う。

フィリップ・ベルトゥ駐韓フランス大使は、昨年7月18日に赴任した。