「山清は、より青く、よりきれいにし、心身が疲れたときに安らげる場所」
許起道（ホ・ギド）山清郡守は、山清について、開発ではなく、保存を目指すべき町で、訪れた人が疲れを癒し、安らげる「癒しの町」だと強調した。

慶尚南道議会で16年間にわたって道議員、道議会議長を務めた許郡守は、山清で教師として生徒たちを教えたこともある。昨年郡守に当選し、多くの弟子たちとその家族の生活の拠り所である町の発展を担う重責についた許郡守は、山清の良い点について長くアピールし、地元への愛情を語った。

許郡守は、今では50代手前となった弟子たちを教えていたときの思い出の場所として、生徒たちを連れて行った山清の平凡な芝生を挙げる。かつては当たり前だった手付かずの自然が「山清の力」であり、さらには外国人観光客に自信を持って山清、そして韓国をお勧めできる理由だと話す。



許起道郡守に山清郡のあれこれについて聞いた。

- 郡守として山清をアピールしてください。

標高1915メートルで、韓国の陸地で最も高い山である智異山（チリサン）天王（チョヌァン）峰が山清郡矢川面（サチョンミョン）中山里（チュンサンリ）山208番地になります。すばらしい名山があり、山が青くて水がきれいな町が山清です。

今は「癒しの時代」で、環境にやさしい食べ物を求める人が多くなっています。昔、山清は山が多く、農地が狭かったため、生活が厳しかったですが、今ではこれが新しいチャンスを生み出しています。これが、ほかの地域に比べてより差別化を図りやすくなっている理由です。

多くの人の疲れを癒し、安らぎを与えられる「癒しの町」、そして製造業が成長エンジンとなるのではなく、自然環境そのものが成長を牽引する原動力となる町が山清です。

- 山清郡が今後30年に備えて策定・推進している発展戦略とは。

遠い未来を正確に予測できれば、成功します。
30年後を予測することさえ容易ではありません。しかし、地方自治体を率いる人としては、それぐらいのビジョンは持っていなければなりません。

山清が他の地域と差別化できる特徴は、自然環境です。具体的には、製造業ではなく、健康長寿、つまりアンチエイジングの分野にどの地域よりも適した町です。空気と水がきれいなため、アンチエイジング産業に必要な基礎物質を栽培するのにぴったりです。

また、アンチエイジング産業などをリードしていくためには人材がとても重要だと思います。そのため、若い人材の子どものための教育環境を改善する予定で、文化、スポーツなどを楽しめる地域に発展させていく考えです。

発展戦略について結論を申し上げますと、（アンチエイジング）新薬産業とエコフードが山清の主な産業となるでしょう。

- 智異山薬草研究発展特区に指定されるほど漢方薬草の町として有名な山清のアンチエイジング産業と観光関連産業において、海外からの投資資本を誘致するための努力とは。

海外からの投資資本の流入は、プラスの面とマイナスの面があります。山清は資本を多く投入し、地域を開発してPRするのではなく、ありのままに保存したい町です。山清は今のままの姿を保つべきです。より青く、よりきれいにし、疲れた時に来て休んで行けるような町にしたいです。個人的な考えでは、これまでの開発だけでも、十分やったと思います。

アンチエイジング産業については、アンチエイジング産業団地が（山清に）造られる予定です。研究施設や製薬会社が入ることになっています。アンチエイジング産業団地には、海外企業も入ることができ、現在、山清は海外の研究機関や企業を誘致するために努力しているところです。



- 山清の発展のために最も重点を置いている観光・文化産業とは。

山清は、特に重点を置いている文化産業はありません。でも、地域文化院に分科が37個もあります。以前から楽しんできた伝統の文化をずっと引き継いでいます。山清では、文化は単純に大会を開くためのものではなく、地域住民が集まってコミュニケーションし、融合する役割をしています。これが山清の地域文化の特徴です。つまり、試合や大会ではなく、楽しむ文化です。山清の文化を知らない人でも、誰でも一緒に楽しむことができます。

観光において、山清を代表するシンボルは、智異山という名山です。しかし、智異山は健康な人でも登るのに5-6時間はかかります。つまり、高齢者や体の弱い人は智異山の絶景をなかなか楽しめないのです。

智異山は、四季折々の景色がバラエティーに富んでいて、とても美しいです。
春には、下から上に向かって春の花が咲いて広がり、冬は上から下に雪の花が降りてきます。夏には渓谷の水がみどりの中を流れ、秋には紅葉できれいに染まります。また、動植物の種類がとても多様です。なので、山清は誰もが智異山の美しさを満喫できるよう、ロープウェーを設置する必要があると考え、取り組んでいるところです。

－ 2013年に「2013山清世界伝統医薬エキスポ」が開かれた山清を代表する祭りは、ほかならぬ「山清漢方薬草祭り」です。祭りについて説明してください。

「山清漢方薬草祭り」は今年で15回目を迎えます。住民が最も誇りに思う智異山薬草を体験し、購入できる祭りが「山清漢方薬草祭り」です。参加者が直接体験できる漢方祭りで、最優秀祭りにも選ばれています。今年からは体験コーナーをさらに増やす考えで、アンチエイジングを新たにテーマに加えたいと思っています。去年までは薬草が中心でしたが、ことしからは衣服や昆虫など多様な素材と体験が紹介され、楽しさが倍増するでしょう。



- 山清を初めて訪れた人、特に外国人が山清の素顔を感じられる場所とは。また山清で絶対に味わうべき食べ物または特産品とは。

最も韓国的で、かつ山清でしかできない旅として、数百年の歴史を持つ古宅が集まっているイェダム村で韓国の過去を感じ、現在の韓国がどのような歴史の上に成り立っているかを実感することをお勧めします。

もう一つは、現在補完中の「東医宝鑑村」です。（公害や日常生活で）疲れた心身を木々の香りがする町で休めることができるところ、伝統漢方医学を短い時間ながら体験できる場所が東医宝鑑村です。

東医宝鑑村は、下は多くの人が楽しめる空間、上は静かに休める空間に、はっきりと区分されています。上の空間は、自分としては携帯電話の電波も届かない空間にしたいほど、静かに瞑想に浸り、自分を振り返ることができる場所となっています。

山清を代表する特産品としては、干し柿、イチゴ、黒豚があります。ほかの地域では真似できない最高の品質を誇っており、高い価値が認められています。これらの特産品は、山清の住民でもなかなか食べることができないくらいで、PRが必要ないほどの人気です。

- 山清で、思い出が最も多い場所とは。

思い出の場所はたくさんあります。山清で教師を務めたことがありますが、この地域には「サテク」という町があります。森が豊かで、芝生が広がっていて、生徒たちと一緒にピクニックに行きました。遠足などで生徒たちと一緒に踊りながら遊んだ場所です。かつてはありのままの自然だった場所が（歳月が過ぎ）今では跡だけが残っていて、ほんとうに残念です。

- 山清を訪問する予定の外国人観光客に言いたいことは？

外国人がもっと便利に旅することができるように改善に取り組んでいます。山岳観光や漢方・アンチエイジング産業に興味がある外国人観光客は、慶尚南道のなかでもここ山清郡にいらっしゃいます。そんな方々に配慮し、座式文化が中心の韓国の飲食店にテーブルと椅子を設置し、宿泊施設でベッドのある客室を増やすなどの努力をしています。また、食べ物などに関する外国語の案内冊子などを4カ国語で製作する予定です。

記事･写真：コリアネット　チョン・ハン記者
hanjeon@korea.kr