ひと

2016.08.26

韓国との縁から、韓国で博士号を取得し教育者になる夢を叶えた二人の留学生がいる。




ソニー・チャン(40)さんは、西江(ソガン)大学で8年間の数学科修士・博士課程を終え、数学分野におけるカンボジア初の女性博士号取得者となった。

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18日、西江大学の卒業式で角帽をかぶり両親と写真撮影をするソニー・チャンさん(中央)



彼女はカンボジアの首都プノンペンからおよそ300km離れたバタンバンという田舎町で育った。オレンジ、バナナ、サトウキビ農業を営む父と小さなお店を経営する母の間で生まれた5人兄弟の長女の彼女は、お店の手伝いで一日中収入や在庫の確認などをするうち自然と数学に関心を抱くようになった。王立プノンペン大学数学科を首席で卒業した彼女は、故郷に戻り高校の数学教師として7年間教鞭をとるが、母校に数学科の修士課程が新設されると、再び勉学の道を歩み始めた。

韓国との縁は、王立プノンペン大学のアシュリー・エバンス教授に出会ったことに始まる。エバンス教授は、学ぶことに対する並外れた熱意を見せる彼女を西江大学修士・博士課程の全額奨学生として推薦した。

2009年から留学を始めた彼女にとって一番の試練は家族への恋しさだった。「この8年間母国に帰ったのはたったの4回。辛くて故郷に帰りたいと思うたび、指導教授の先生たちの励ましや戒めを受け気を取り直した」とチャンさんは語る。奨学金での生活には金銭的な余裕がなかった。

歯を食いしばって耐えぬいた8年間は、王立プノンペン大学数学科の教授に採用されるという貴重な結果をもたらしてくれた。来る9月から、彼女は学生たちを教える。

チャンさんは「教育の死角にいるカンボジア少数民族と女性のためにより分かりやすく楽しい数学教材をつくりたい。今の子どもたちがカンボジアでより良い教育を受けられる日が間近に迫っている」と自信を見せた。

経営学科を首席で卒業、青い目のイギリス青年

「韓国で自分の名前のついた教育ブランドをつくりたい」

今年東国(トングク)大学経営学科を首席で卒業したイギリス・カンタベリー出身のジャック・ウェブスター(30)は威風堂々としていた。2012年に入学してからの4年間、4.5点満点中平均4.4点をとった彼は今月25日、前期の学位授与式で135名の経営大学卒業生リストの最上段に名前をあげた。

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東国大学経営学科を首席で卒業したイギリス出身のジャック・ウェブスターさん



韓国との縁は2009年に遡る。オーストラリアを旅行した際、自分と同じように旅行で訪れたり現地で働いたりしている韓国人たちに出会ったことがきっかけで韓国を知り、魅了された。彼は「アジアの小国が発する魅力の虜になった」と当時を振り返る。

2010年1月、がむしゃらに韓国行きの航空チケットを購入。韓国語学堂に登録しまずは韓国語を学び始めた。見知らぬ土地での生活は並大抵なものではなかった。節約のためコシテル(訳注:受験生向けの小さな部屋)を転々としながら、寝床と食事を解決した。それでも彼の胸の内では、諦められない明確な一つの目標ができた。それは韓国に定着して英語教育事業を始めること。

「起業技術の習得も兼ねて、イギリスで出来なかった大学生活を経験したいと思い入学願書を出した」と話すウェブスターさんは2012年、晴れて東国大学経営学科に入学した。昼夜を分かたず勉強に励む韓国の学生たちは彼にとって大きな刺激となった。「カフェで何時間も座り続けて勉強する学生たちをみて本当に驚いた。夜通しで試験勉強をする韓国の学生たちの姿に大きく影響を受けた」と彼は言う。

25日、前期の学位授与式で成績優秀賞を受賞した彼は、大学で学んだサービス・マーケティングを応用し、外国人の視点から見出した韓国英語教育の問題点を補った英語教育事業を準備している。ゴルフ選手として8年、ゴルフコーチとして3年の経歴をもつウェブスターさんは「イギリスでゴルフコーチの経験があるので、何かを教えることが大好きだし自信もある」と笑顔を見せた。

ソン・ジエ コリアネット記者
写真:西江大学、東国大学
翻訳:イ・スミン
jiae5853@korea.kr