[ソウル=イ・ギョンミ]
[写真=ゾン・ハン]
[映像=キム・シュンジュ、チェ・テシュン]
何かを無理やりにしようとすると、むしろダメになることがある。ハーモニカ演奏も同じである。
「無理やりに強く息を入れようとしたり、圧力をかけて吸い込むと良い音が出ません。逆に変な音がしますよ。日頃に呼吸する程度の息で演奏すると、もっと美しい音が出る楽器がハーモニカです」
ハーモニカ奏者の朴鍾声(パク・ジョンソン)さんは、2002年に行われた第4回アジア・太平洋ハーモニカ大会で金賞を獲得し、2008年の同大会では3部門で優勝した。2009年には「ハーモニカのオリンピック」と呼ばれる世界ハーモニカ大会で、韓国人としては初めてトレモロ・ハーモニカ部門で1位となり、その後、演奏活動を展開している。
子供の頃、誰もが一度は吹いたことがあるだろう小さなハーモニカ。彼が一体どのような演奏をするのか、直接聴いてみるために、5日、ソウルのあるコンサート会場で朴さんにインタビューした。
様々なハーモニカの種類を紹介するハーモニカ奏者の朴鍾声さん=5日、ソウル
インタビューを始める前、目に入ったのは朴さんが持ち歩く大きなバッグ。その中には様々な大きさのハーモニカがたくさん入っていた。よく見かける「トレモロ・ハーモニカ」、小さな「ミニ・ハーモニカ」、5つの和音が簡単に吹ける「コード・ハーモニカ」など、いろんな種類のハーモニカを紹介してくれた。
ハーモニカの種類はおよそ150あまり。朴さんは、「ハーモニカの音域は、皆さんが思うよりはるかに広いです。音色も自由に変えられるので、どんな音楽にも合います」と説明する。
実際に朴さんが演奏する曲のリストを見ると、クラシック・ジャズ・タンゴ・韓国伝統音楽など、様々なジャンルの曲がずらっと並んでいる。
ハーモニカを手にしてポーズをとるハーモニカ奏者の朴鍾声さん=5日、ソウル
朴さんの演奏を聞いていると、音符一つ一つから歌詞が聞こえるように感じられた。一体どうすればこんなに素敵な演奏ができるのかと聞くと、朴さんは、「練習」より「研究」が重要だと答えた。「もちろん長い練習時間も必要ですが、自分の感情や考えを伝える方法を理解することが大事です。表現したい音が出るまで一生懸命に研究してきたから、今の私がいると思います」
自分で作った曲を演奏することで自分が伝えたいメッセージを発信する朴さん。今後の目標について、「いつまでも今のように楽しくハーモニカを演奏すること」とはっきり話した。また、「ハーモニカは他の楽器に比べて歴史が短いので、まだまだ発展が必要です」とし、ハーモニカ曲を書き、教本も開発するなど、ハーモニカ歴史に貢献したいという抱負も語った。
朴さんは最後に、コリアネット読者のためにBTSの「春の日(Spring Day)」をハーモニカとピアノに向けた曲に編曲し、演奏してくれた。そして、こう語った。
「ハーモニカは希望の象徴だと思います。
ハーモニカには、誰も想像できなかった美しいメロディー、人の心を動かす力があります。今までのように、おもちゃとして扱われたり、単なる趣味で演奏する楽器という偏見から抜け出し、ちゃんとした主人公の楽器になるよう、私は今後もハーモニカーを地道に演奏していきます」
km137426@korea.kr